報道官会見

日時
令和6年4月5日(金)16:00~16:11
場所
防衛省A棟10階会見室
備考
報道官会見

1 発表事項

なし。

2 質疑応答

Q:ドローンから護衛艦「いずも」を撮影したとされる動画についてお伺いします。インターネット上では本物なのではないかという声も広がっておりますが、最新の分析状況について教えてください。

A:御指摘の映像につきましては、悪意をもって加工捏造されたものである可能性を含めて、引き続き分析中でございます。こういう状況でございますので、現時点で皆様に追加的に申し上げられることはございません。

Q:フィリピンとの防衛協力・交流について質問させていただきます。来週開催される日米比の初の首脳会談でも、安全保障や防衛協力が議題になると思われるのですが、近年日本とフィリピンで実施した日比や日米比の共同訓練・演習の実績について、参加国とかですね、開催地も含めて具体的に教えてください。あと、訓練参加を通じたフィリピンとの防衛交流を促進する上で、技術面や政治面でですね、課題になっているものがあれば、それについてもお聞かせください。

A:お答えいたしますが、お尋ね非常に多くのお答えをしなければならない御質問でございますので、大変恐縮でございますが、ここでは少し絞り込みをさせていただきまして、過去3年間に絞りまして、また、日本が正式参加したもの、オブザーバーではなくてですね、正式参加した日比、あるいは日米比の共同訓練についてお答えをしたいと思います。なお、白書等でも御理解されていると思いますけれども、いわゆる親善訓練は共同訓練とはまた別と考えてございますので、親善訓練は除くものだというふうに御理解いただければと思います。そういう整理で申し上げますと、陸上自衛隊といたしましては、米比の共同訓練「カマンダグ」への参加というのがございます。2021年、申し上げますと、9月から10月にかけまして、サン・アントニオ市レオヴィギルド・ガンティオキ海軍基地におきまして、また、2022年10月でございますけれども、ルソン島海軍教育訓練ドクトリンコマンド及びその周辺地域におきまして、2023年11月でございますけれども、フィリピン共和国のイリノイ州ボヘアドール海兵隊基地や、カビテ州のカビテ海軍基地、プエルト・プリンセサ州ウエスト・ロドルホ海兵隊基地、タギッグ州ボニファシオ海兵隊基地等において、それぞれ陸上自衛隊が参加して行われております。米国、フィリピン以外の参加国につきましては、本演習の枠組みにつきまして、我が国としてお答えする立場にないということを御理解いただければと思います。海上自衛隊でございますけれども、2021年10月に市ヶ谷地区からテレビ会議の方式でございましたけれども、米比の共同訓練「サマサマ」に参加をいたしました。2022年は10月でございますけれども、スールー海におきまして、米豪比共同訓練「サマサマ・ルンバス」に参加しております。日米豪比以外に、フランス領ポリネシア駐留のフランス軍及びイギリス海軍が参加したと承知をしております。2023年でございますが、8月にはマニラ周辺におきまして、日米豪比の共同訓練を実施したところでございます。これに加えまして、2023年10月には、マニラ及びレガスピ周辺におきまして、米比の共同訓練「サマサマ」に参加しております。日米比以外にカナダ海軍及びイギリス海軍が参加したと承知をしておるところでございます。航空自衛隊でございます。2021年7月に、クラーク空軍基地及び同周辺空域におきまして、日比の人道支援・災害救援共同訓練を実施しております。2022年6月には、クラーク空軍基地、カーネル・エルネスト・ラビナ空軍基地及び同周辺空域におきまして、日比人道支援・災害救援共同訓練を実施しております。2023年8月には、クラーク空軍基地及び同周辺空域において、米比が主催いたします多国間共同訓練に参加いたしますとともに、日比の人道支援・災害救援共同訓練を実施しております。多国間共同訓練の方について申し上げれば、日米比以外に、マレーシア軍、インドネシア軍等が参加しておりますが、今申し上げた国以外の参加国につきましては、我が国として、お答えする立場にはないということを御理解いただきたいと思います。以上が実績ということになります。課題ということでございますけれども、やはり今申し上げましたことからお分かりいただけますように、フィリピン軍との共同訓練の頻度というのは増加しているということが申し上げられると思います。こうしたことなどを踏まえますと、自衛隊及びフィリピン軍が、他方の国を訪問して行う両国部隊間の活動の実施を円滑化していくということが必要だという問題意識を、私ども持っているところでございます。こうした意識から、昨年11月以降、日比の間の円滑化協定の交渉が継続されているものだと理解しているところでございます。引き続き、共同訓練の実施を含めまして、政府全体でフィリピンとの防衛協力・交流をより強化いたしますとともに、日米比3か国及び日米豪比4か国の防衛協力を様々なレベルで継続・強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。なお、最後に一言申し上げますが、2019年度以降のフィリピンとの共同訓練につきましては、令和5年度版の防衛白書の資料47、また、多国間訓練につきましては、同白書の資料編の資料58として、それぞれ掲載させていただいておりますので、詳細そちらも併せて御確認いただければ幸いでございます。

Q:フィリピンの関連で一つお伺いします。フィリピンのロムアルデス駐米大使がですね、アメリカ時間の3日に、共同通信などのオンライン記者会見に応じてですね、自衛隊をフィリピンに定期的に派遣するローテーション展開について、過去に議論してきており、今後も検討を続けるという考えを示しました。この点についてですね、具体的に検討されている状況にあるのか、防衛省としての見解を教えてください。

A:フィリピンを含みます東南アジア諸国は、我が国のシーレーンの要衝を占めるなど戦略的に大変重要な地域に位置しておりますし、また、フィリピンは米国の同盟国でもございますので、わが国にとりましてフィリピンとの防衛協力、あるいは交流を進展させることは極めて重要であると考えております。このことは今朝の大臣の記者会見で大臣からも直接申し上げさせていただいたとおりでございます。このため、フィリピンとの間では、様々な分野で防衛協力を強化しているところでございますし、また今後も強化していきたいと考えているところではございますけれども、その上で御指摘の報道にございますようなこと、すなわち自衛隊をフィリピンに定期的に一時派遣するローテーション展開といったものにつきまして、私どもとして検討を行っているという事実はございません。いずれにしましても、防衛省・自衛隊としては、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、フィリピンを含む東南アジア諸国との防衛協力、あるいは防衛交流をより強化していきたい、このことは変わりないところでございます。

Q:鹿児島県屋久島沖での米軍オスプレイの墜落事故に関連してお伺いいたします。現場海域での水質調査の方を防衛省の方でされていたと思います。3月末までに報告資料をまとめるとお伺いしておりましたが、報告書の内容、もしくは現場や地元への説明の見通し等についてお伺いできればと思います。

A:昨年11月の米軍オスプレイ墜落事故に関しましては、屋久島漁業協同組合の御要望等を受けまして、九州防衛局におきまして、今御質問がありましたように現場周辺海域における水質等の調査を本年1月下旬から3月末まで行ってまいったところでございます。現在、九州防衛局におきまして、当該報告資料の内容を整理、確認しているところでございまして、今後できる限り速やかに漁協含む地元の皆様に御説明してまいりたいと考えておるところでございます。

以上