防衛大臣記者会見

日時
令和6年3月26日(火)08:47~08:54
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
木原防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

本日の閣議におきまして、グローバル戦闘航空プログラムに係る完成品の我が国からパートナー国以外の国に対する移転についてを決定しました。また、国家安全保障会議において、防衛装備移転三原則の運用指針を一部改正いたしました。これにより、英国及びイタリアと共同開発を行うGCAPの完成品について、「3つの限定」と「二重の閣議決定」を盛り込んだ上で、我が国からパートナー国以外の国に直接移転を認め得ることになりました。これらの厳格な決定プロセスを経ることで、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念を引き続き堅持することを、より明確な形で示すことができるとそのように考えております。防衛省として、今般の改正を踏まえて、将来にわたって我が国の平和と安定を確保するため、我が国の安全保障環境に相応しい戦闘機の実現を目指して、英国及びイタリアとの協議をしっかりと進めてまいります。

2 質疑応答

Q:今の部分なんですけれども、改めて大臣から輸出のGCAPにおけるパートナー国以外への輸出の必要性ですとか、今後のGCAPの開発のスケジュールに関して教えていただけたらと思います。

A:前段の必要性の点につきまして、2022年末の3文書を閣議決定した当時は、我が国は技術面や資金面で十分な貢献をすることによって、我が国の要求を通して、我が国が求める戦闘機を実現することが可能だと考えていました。しかし、その後、英国・イタリアと協議を進めていく中で、その両国は、移転先の国が多様であれば量産機数が増加することとなり、更なる調達価格の低下等につながり得ることから、完成品の第三国移転を推進することを貢献の重要な要素と考え、我が国にも同様の対応を求めているということが徐々に明らかになってきたという、そういう経緯がございます。我が国から第三国への直接移転を行う仕組みというものが存在しなければ、我が国は価格低減等の努力を行わないということになり、英国・イタリアと同等に貢献し得る立場というものを確保できなくなるために、我が国が求める性能を有する戦闘機の実現が困難となります。このような理由から、政府はこれまで与党と調整を行い、また国会の質疑等を通じて岸田総理や私から説明をしてきたところであります。防衛大臣としては、今般の決定により、我が国が両国と同等に貢献しうる立場の確保が可能になったと考えておりまして、我が国の安全保障環境に相応しい戦闘機の実現を目指して、英国・イタリアとの協議をしっかりと進めてまいります。後段はスケジュールですね。開発スケジュールがこれからどうなるかということを申し上げれば、次期戦闘機につきましては、現在3か国で設計作業をしているところです。こうやって3か国で緊密に連携しながら作業を進めることによって、今後、5年程度でその仕様だとか性能というものを確定させたいとそういうふうに考えています。その後、戦闘機の試作や試験を経て、2035年までに開発を完了させる予定となっております。

Q:米軍施設から出た高濃度PCB廃棄物の関係でお伺いします。取材によりますと、防衛省は今後新しくPCBが見つかった場合に、米軍施設などにそのまま一時保管する方針を決めて、一時保管後は、国内のJESCO事業所での処理は想定していないとされていますけれども、これはJESCO施設には今後持ち込まないということで米側と一致したということでよろしいでしょうか。また、沖縄のキャンプ・シュワブで新たにPCB廃棄物が見つかりました。処理は喫緊の課題になっていますけれども、一時保管後の最終的な処理について、結論をいつまでに出す考えかお聞かせください。

A:前段でございますけれども、在日米軍施設、あるいは区域由来のPCB廃棄物への対応につきましては、関係省庁と連携して、引き続き、様々な選択肢を検討しながら現在米側と協議を行っております。米側とのやり取りの詳細についてはお答えできないことを御理解いただきたいんですけれども、その上で、在日米軍施設・区域由来の高濃度PCB廃棄物を、JESCOの事業所で処理をするということは想定しておりません。その上で、防衛省が実施する、返還地を含む在日米軍施設・区域における工事に伴って発生した高濃度PCB廃棄物は、その処理について、環境省において適切な処理方法が確立されるまでの間、関係法令に基づき、防衛省が適切に保管をしてまいります。後段は最終的な処理の時期ということでしたが、3月13日にキャンプ・シュワブにおいて、キャンプ・シュワブ再編成工事の一環として実施している解体工事に伴って発生した廃棄物の中に、濃度不明のPCB廃棄物として、蛍光灯用安定器約280kgが確認をされました。こうしたものを含めて、今後、防衛省が実施する、返還地を含む在日米軍施設・区域における工事に伴い発生した高濃度PCB廃棄物は、その処理について、環境省において適切な処理方法が確立されるまでの間、関係法令に基づき、防衛省が適切に保管することとしておりますので、その時期の見通しについては、環境省にお尋ねをいただくということになるかと思います。

以上