防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年3月9日(土)09:08~09:23
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
米軍オスプレイの運用停止措置の解除に関する木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

私から、オスプレイ運用停止措置の解除について申し上げます。昨夜コメントを発出しましたところと重なる部分もございますけども、申し上げます。昨年11月の米軍オスプレイ墜落事故に関し、昨日、米軍は、オスプレイの運用停止措置を解除した旨を発表しました。飛行の安全確保に関するこれまでの日米間の確認作業において、米側からは、事故の状況や原因、安全対策について、前例のないレベルで詳細な情報提供を受けており、これらについては、防衛省・自衛隊の専門的な見地や、運用者の立場からも、合理的であると評価をしております。その上で、米側からは、事故調査委員会における調査には、訴訟や懲戒処分などへの対応に関することも含まれるため、報告書が公表されるまでは、米国内法上の制限により、詳細について対外的に明らかにすることはできないとの説明も受けているところです。防衛省としては、今回の事故は、地域の方々に大きな不安を与えるものであったと認識しており、事故の状況や原因については、事故調査の進展を踏まえ、適切な形で御説明できるよう、米側に働きかけてまいります。また、今後の日本国内のオスプレイの運用再開のタイムラインについては、引き続き、日米間で緊密に調整を行っていくとともに、関係自治体の皆様に丁寧に御説明していきたいと考えています。

2 質疑応答

Q:在日米軍、自衛隊のオスプレイについての今後の運用についてですけれども、今後タイムライン、調整していくということですけれども、今後どのように進めていく考えか、具体的に教えてください。

A:運用再開のタイムラインにつきましては、タイムラインという言い方というのは、運用再開までの今後の進め方と、そういった趣旨で申し上げております。今回の運用停止措置の解除を受けて、米軍の各軍はそれぞれの指針に従い、適時に運用再開計画を実行していくと承知しておりますが、日本国内においては、日米間において、運用再開のタイムラインについて緊密に調整を行っていくこと、そういうことで一致をしているところです。各部隊の任務や運用上の所要や、また、各種安全対策の実施状況を踏まえつつ、今後のタイムラインについて日米間で調整した上で、関係自治体の皆様に対し、運用再開の前に必要な説明を行っていきたいと考えています。

Q:今の関係自治体の説明ということなんですけれども、その説明のスケジュール感と、あと対面とかどういうやり方をされるのか、その上で、関係自治体の納得がなければ運用の再開はないという考えで良いのか、それとはまた別なのか、その辺をちょっと教えてください。

A:今回の発表内容や、今後の日本国内の運用再開について、防衛省の各地方防衛局の方から、関係自治体の皆様に丁寧に御説明させていただくという、そういう考えです。具体的な時期や方法ですね、対面であるとかというのは、相手の御都合もございますので、そういったことを踏まえつつ、できる限り関係自治体を訪問して、対面という形で直接説明させていただく考えであります。防衛省としては、今回の事故は、地域の方々に大きな不安を与えるものであったことを重く受け止めております。運用再開については、地元の皆様の御不安や御懸念の払しょくのため、その再開前に丁寧に説明したいと、そこに尽きるというふうに考えています。

Q:地元説明に関して伺いたいんですけれども、部品の名称や不具合の詳細を明らかにしない状況で地元の理解を得られるとお考えでしょうか。また、地元自治体の同意というのは、飛行再開の条件になりますでしょうか。

A:先ほどと後段は重なると思いますが、地元の皆様方に御不安や御懸念を払しょくするために、丁寧に説明するということに尽きるというわけでありますが、これまで日米間の確認作業においてですね、航空機の機能を発揮させるために必要な構成品の中において、特定の部品の不具合が発生した、そのことが事故の原因であるということをですね、かなり、これまでにないレベルで詳細に報告を私どもは受けています。私自身もその報告を受けてですね、合理的であるなと、そういうふうに納得をしているところであります。ところが、米国内法の制限というのがあり、最終的には報告書という形で、その段階ではつまびらかにされると思いますが、大きな事故ですから、米国内でのそういった訴訟なども行われると、そういう可能性もあるということからですね、その時点まではつまびらかにすることはなかなかできない部分もあるということですが、私どもとしては、少なくとも申し上げられる範囲内でしっかりと説明をさせていただく、その上で、今後の再発防止対策なども伺っております。例えば安全対策としては、異常探知システムによる予防的点検と維持整備の頻度の増加であるとか、航空機の整備記録の確認であるとか、通常時・緊急時の搭乗員の手順の更新であるとか、また、運用計画の更新、そういった措置を講じていくということになります。繰り返しますが、今回の事故に関する米軍の原因分析や安全対策というのは、防衛省・自衛隊の専門的な見地、運用者、実際に陸上自衛隊のオスプレイを操縦する操縦士ですね、も同席をさせて、その詳細な報告を聞いております。そういった専門的な見地から、あるいはオペレーションする側の立場からも合理的であるというふうに評価をしており、私もそのように感じましたので、先ほど申し上げたような安全対策の措置を講じるということで、これは陸上自衛隊のオスプレイも含めてでありますけれども、安全に運用再開できるというふうに考えています。

Q:地元自治体の同意が条件となるかどうかという質問だったんですけれども、今の、丁寧に説明するということだと必ずしも条件とまではならない、説明を尽くせば再開するということなのかなと理解するんですが、それでよろしいでしょうか。また、飛行再開の方針を決める前に地元自治体と協議しなかったのはなぜなんでしょうか。

A:関係自治体に対する丁寧な説明に努めていくと、これまではそこにまだ至らないまま、中途半端にお会いするよりも、ある程度私どもが米側の説明を受けて、合理的であると、我々の側が得心をしないとですね、相手側にも説明をできませんので、今回ようやくその域に達して、そして、関係自治体に今後丁寧に説明をしていくという、これに尽きるということであります。

Q:理解が得られなければ再開しないという余地も残されているということでしょうか。

A:御不安や御懸念を払しょくするために努力を続けてまいります。

Q:米国の事故調査の関係で、曖昧な説明しか現状できない段階だと思うんですけれども、その中で飛行再開を急ぐ理由というのは、どういったところにあるのか教えていただけますか。

A:曖昧な説明とは申し上げていなくてですね、私どもは、詳細について米側から説明を受けて、そして安全対策も実施するということ、それも含めてですね、合理的であるというふうに、そういう判断をいたしましたので、それを米側の法律の制限に掛からないような形でですね、ギリギリのところで説明をさせていただくと、そういうことになります。

Q:現状の説明だと、地域の住民とかですね、自治体の安心なり理解なりというのはなかなか進みにくいと思うんですけれども、それでも、その中でも飛行再開を急ぐ理由、進める理由というのはどういうところにあるのでしょうか。

A:それは米側は米側の、当然事情もあるし、在日米軍ですから、島しょ防衛、あるいは日本の安全保障に資するために、このオスプレイという装備をですね、運用していくという、そういう必要性があるということに尽きるんではないかなと思います。

Q:大臣冒頭におっしゃったようにですね、地域住民、非常に不安を抱えていますけれども、その中で今後の具体的な飛行再開の日時等とはですね、米側の調整の中で決まっていくと思うんですけれども、例えば、こうこうこういう安全対策だったりの手順を踏むので、最低でも何か月かかるであるとかですね、長い場合だとどれくらいかかるというような、だいたいのめどを示すことも必要だというふうに思うんですけれども、その辺り大臣の御見解いかがでしょうか。

A:そうですね、日米間で今後、タイムラインに従ってですね、進め方については調整を行っていくというところになりますが、現段階においては、運用再開のタイミングについては、なかなか予断を持ってお答えすることは難しいかなと思います。

Q:今回の事故原因が、特定の部品の不具合ということなんですけれども、なぜこの特定の部品に不具合が生じたのか、根本的なところは解明されているんでしょうか。

A:私どもは、事故の詳細については説明を受けております。その上でですね、事故の原因、そして今後の安全対策というものは、把握をさせていただいて、今後事故が起こらないようなそういった対策、再発防止策というところもですね、併せてここは、私どもは聞いておりますので、そこをしっかりと実行していくということになります。

Q:根本的な原因のところは、解明されているんですか。

A:最終的には、特定の部品の不具合が発生したということが、事故の原因ということになります。最後はですね、最後はというか、日本の航空機の事故、民間機もそうですけども、事故調査委員会というものが報告書というもの、その段階でそういった、今おっしゃったようなことも含めて最終的な報告という中にそういったことは入っていくんだろうと思いますが、その報告書が出る前の時点でも一定のですね、事故の原因が究明をされて、そして今後の事前の防止策が取られたならば、運用再開をするということはですね、これは航空機全般については、これはあり得ることだろうと考えています。

Q:2022年にハードクラッチエンゲージメントで、原因で墜落していますが、そのハードクラッチエンゲージメントの根本的な発生理由は解明されているんでしょうか。

A:今回の原因はハードクラッチエンゲージメントではないというふうに報告を受けておりますし、実際に私どもが受けた詳細の中からもそうではないというふうに判断ができております。ハードクラッチエンゲージメントの事故の発生の原因、理由というのも、これもまだ報告を受けたわけではございません。

Q:陸自のオスプレイの関係でお尋ねしたいんですけれども、これは、日米の調整ではなくて、日本の判断だと思いますけれども、今後のタイムラインってどういうふうに考えてらっしゃいますか。

A:同様でございまして、同種の機体であります。もちろん運用の方法は違うんですけれども、空軍のオスプレイと陸自のオスプレイというのは、運用方法は違うんですが、同種の機体ということで、今回、米側からの報告を受けた中で、そしてタイムラインの中で調整をしていく中でですね、それぞれ米側のタイミング、そして私どものタイミングという中で判断をしていきたいなと思っております。

Q:ある程度、米軍の運用再開、在日とか日本国内での再開に合わせるような形をとるということですか、それとも先に日本だけ先にやるのか。

A:差異は出ると思いますが、それぞれ別々の、それぞれ主体性を持って、私ども主体性を持ってやっていきますので、事前防止策などもございます。あとは運用者がですね、しっかりと動作の手順などの変更なども出るかと思いますから、そういったことの進捗状況に従って、当然差異は出てくる、たまたま同じになったということも、それはあるかもしれませんが、それはたまたまであって、全然違うスケジュール感、手続きでやっていくということになります。私どもはあくまでも主体性を持ってやっていきたいと思っています。

Q:この2年間で、パイロットが対処できない重大な事故がオスプレイで発生しているわけですが、その根本的な原因が解明されていない中で飛行再開するということは、安全性が担保されるのかどうか、その辺はどのようにお考えでしょうか。

A:それはもう民間も含めて、航空機全般に言えることであります。これ基本的な考え方というのがありますので、最終的な事故調査委員会の報告書、ここに最終的に報告をするものの、それ以前の段階で、ある程度の一定の原因が分かり、そして安全対策が取られた場合には運用を再開というのは、これは航空機のオペレーション上では、ごくあり得ることであります。

以上