防衛大臣臨時記者会見

日時
令和6年1月5日(金)11:35~11:51
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
第4回非常災害対策本部会議後の木原防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほど、第4回の非常災害対策本部会議に出席をしてまいりました。発災から72時間を経過いたしましたが、私どもとしましてはですね、本日以降も決して諦めずに、人命救助活動を継続していく所存でございます。事実、昨日4日にはですね、72時間経過後に救助された方がおられます。また、昨年の2月のトルコ大地震でも、生存率が急激に低下するとされている72時間後に救助された方がおられたという、そういう事実もあります。生存者がいらっしゃる希望を最後まで強く持ち続け、1名でも多くの命を救うべく、あらゆる手段を尽くして全力で活動してまいります。一方で、被災者への生活支援活動も本格化しております。これら二つの柱に一切の妥協なく対応してまいります。昨日、自衛隊の艦艇「おおすみ」搭載のホバークラフト、LCACが揚陸した重機を使用して、さらに不通の道路の啓開作業も進めています。また、本日から、自衛隊の活動態勢を昨日より400名増強し、約5,000名態勢で、人員以外では、人員捜索犬12頭、航空機約30機、艦艇9隻で活動をいたします。昨日までの具体的な活動内容について主なものを申し上げますと、孤立地域への対応のため、ドローンや人員捜索犬も活用した上空や地上からの一斉捜索活動等を行っており、道の駅のすず塩田村というのがありますが、そこにおいて住民7名が生き埋めとの情報に接し、現場に入った自衛官が、2つのサーモグラフィ反応によって2名の心肺停止状態の要救助者を発見するに至り、現在もこの現場で捜索活動を続けているところであります。また、倒壊家屋のある能登半島一帯において、網羅的な航空偵察も行っております。次に、生活支援について申し上げますと、避難所のニーズを把握する部隊が約400の避難所において、更にきめ細かく避難されている方々のニーズを把握し、真に必要としている物をお届けできる態勢を構築しております。避難所に向けたプッシュ型支援として、経済産業省と連携した形で、コンビニやまた大手スーパーの商品を含めた多様な物資を、石川県の物資集積拠点である石川県産業展示館から各避難所、輪島市民文化会館あるいは穴水町の保健センター、また珠洲市の緑が丘中学校、能都町柳田体育館へ直接送っております。具体的にはこれらの避難所に、食料約60,000食、飲料水約40,500L、生理用品約7,200箱、カイロ約65,000枚、毛布約1,500枚などを輸送を行いました。給水支援におきましては、輪島市、珠洲市、志賀町、能都町、穴水町、七尾市において行われており、給食支援としては、七尾市において炊事車による温かい食事の提供も開始をしております。炊事車というのは、1時間でですね、200食の御飯か味噌汁が炊ける、そういう自衛隊の装備になります。そういったものも入れております。石川県での活動に加えて、昨日も申し上げましたが、富山県の知事から給食支援に係る災害派遣要請があり、氷見市において被災された方々に温かい食事を届けるため、迅速に対応してまいります。なお、本日、内閣総理大臣の承認を得て、被災地で衛生活動等を行うため、看護官等を含む予備自衛官及び即応予備自衛官、最大約100名に対する招集命令を発出しました。最後にですね、今般の能登半島地震による被害に対する米国を始め各国からお見舞いや支援の申し出は、被災地を勇気付けるものであり、心から感謝をいたします。現在、政府全体において、人命救助や被災地支援に全力で取り組んでいるところであり、各国・地域からの支援の申出については、その受入れ態勢構築のために要する作業や体制、あるいは現地の現状等に鑑み、人的・物的支援については一律に現時点は受入れていないという状況にあります。と総理が申し上げたとおりであります。その上で、現地態勢、あるいは負担を要しないような支援については、受入れることとしているところであり、米側からの支援の受入れについても、このような考え方に基づき、被害の状況や現地のニーズを踏まえつつ、米軍と緊密に連携しながら、今後対応していきたいと考えております。防衛省・自衛隊として、引き続き、要救助者の方々のために全力を尽くし、被災者の方々に寄り添ったきめ細やかな生活支援活動を推進するため、関係省庁や自治体と連携して迅速かつ強力に推進してまいります。

 

 

2 質疑応答

Q:今、大臣冒頭の御発言でおっしゃられた、予備自衛官と即応予備自衛官100名ということなんですが、もう少し具体的に規模、あとは活動内容についてお聞かせください。

A:予備自衛官についてはですね、医師や看護師の資格を持つ者を約10名招集して、衛生支援の活動に従事してもらうことを考えています。いくつかのチームを組んで、今後必要となる衛生支援の活動ということを考えています。即応予備自衛官については、約90名を招集し、給水支援や入浴の支援といった生活支援等の活動に従事してもらうことを考えています。

Q:これまで発災からですね、自衛隊員の数を段階的に少しずつ増やしてきたかと思うんですけれども、一方で初動の段階からですね、もう少し多い人数を投入すべきではないかという指摘も一部でありますけれども、それについて大臣、どのようにお考えでしょうか。

A:確かに1,000名から始まり、2,000名、そして4,600名、そして5,000名というふうに増えている状況です。当初、私が指示を出して、JTFを組織した中では、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、これ10,000名態勢というものを待機、そして準備をさせたわけであります。ですので、この10,000名は、必要があればいつでも投入できる態勢にはあったところです。ところが、今回の被災地、震源地の特性からですね、半島の中でも更にその先端部分、北部における被災状況が大変厳しいという状況の中でですね、インフラ網がこれが途絶えてしまいました。道路が寸断をされてですね、そして非常に気象状況も良くないという中で、ヘリに乗って投入するということから始まったわけであります。加えて、同時に艦艇によっても舞鶴港等からですね、進出を繰り出しましたが船は時間もかかります。加えて自衛官だけではなくて、消防隊員や警察官、そしてD-MATと言われている、厚生労働省の医療部隊などの輸送の要請もあったところであります。そういったことを総合的に考えながらですね、あとは道路の復旧状況なども併せてみながら、かつ現地で受入れる態勢が整った段階の中でですね、人数を増やしていったということになりですね、恐らく今おっしゃったのは、逐次投入のような批判ではないかと思いますが、それには全く当たらないと我々考えておりまして、10,000名の態勢は、もちろんこれは交代要員も含みますけれども、それはいつでも派遣できる態勢は整っているということであります。

Q:仮に初動で5,000人くらい投入した場合は、受入れ態勢が整っていなかったり、インフラの状況がという、それは適切ではなかったということ。

A:受入れというよりもですね、インフラが整ってないので、当然車両では移動できませんので、ヘリ、航空機というのは搭載できる人数というのは極めて限定的であります。ですので、物理的にそれは難しいという状況です。

Q:JTFで10,000人の態勢がある一方で、今回予備自衛官の方を別で投入されるというのは、それはどういう狙いというか。理由をお願いします。

A:特に予備自衛官というのは、技能職といってですね、ドクターですね、医師であるとか、あるいは看護師の資格を持ってる、そういう方が登録をしてもらってますから、そういう方に今回招集をかけたということになります。さらに加えて即応予備自衛官についても、これからですね、フェーズがどんどん生活支援等に移ってまいりますので、彼らの力も借りながらですね、生活支援というのは、私も経験しましたけど、非常に息の長い活動になってまいりますから、即応予備自衛官にも召集をかけて、協力をお願いしたというところになります。

Q:冒頭の御発言で、海外、特に米軍とのところについておっしゃっていましたけれども、昨日、エマニュエル駐日大使が在日米軍で支援する準備はもうできているというような発言されたましたけど、やはり最初、米軍との連携というところになるかと思うんですが、今後のスケジュールとか、大臣としてどういうふうに考えてらっしゃるか、改めてお聞かせいただけたらと思います。

A:米側からの支援というのは、随分早い段階から我々の方には届いていたところでありますが、先ほど申し上げたように、自衛官でさえ、なかなか現場にたどり着くのが難しいという当初のそういう環境、半島での災害という特殊性があったというところでもありですね、そして、自衛隊員以外にも様々な消防、警察、あるいは厚生労働省の職員、そういったニーズもあったということ、加えて、今度は支援物資などもヘリで運ばなきゃいけないということもあるかと思います。また、我々の交代要員も運ばなきゃいけない、そういう中で、米側からのありがたい、そういう支援の申出についてもですね、我々としても、これについては、政府全体として考えながら、今時点においては、人的・物的支援については、現時点では決めておりませんけども、今後については、現地態勢、あるいは負担を要しないような支援について、受入れることとしているということであります。

Q:その関係で、今現状、自衛隊として人数が足りていないとかですね、米軍の支援を受入れる必要性の部分というのは、今、どういうふうにお考えでしょうか。

A:もともと私どもは、10,000人の態勢であります。しかし、もう今日申し上げましたように、5,000名ということであります。もう今日が5日でありますから、そろそろ初期に投入した隊員は疲労してきて、それを放置すると二次被害になってきますから、随時交代もしていかなければいけません。加えて、総理の指示によって、被災者に寄り添った形での支援ということもこれからやっていくなかでですね、場合によっては、今後、米軍の力も借りながらですね、その支援の受入れというのを行っていくことを米軍と緊密に連携しながら計画をしていくかなというふうに思います。

Q:関連して、他国の支援で負担を要しない支援を受けれたいということですが、具体的に負担を要しない支援とはどのようなものを想定されておりますでしょうか。

A:まずはそうですね、各国いろいろな国が支援をしたいという、ありがたい申出があるわけですが、負担を要しないというのは、例えば在日米軍であればですね、自己完結ができるということだと思います。自前でヘリを持っていたり、あるいは自分達でも食料を調達できる、あるいは現場でですね、自分達のみで移動する手段があるとか、あるいは宿泊もできる。そういったことによって自衛隊、我々のアセットを使うことなく、さらに現場の自治体のですね、そういった施設なども使うことなく、正に自己完結でそういった支援ができるということが、負担を要しない支援ということになるのではないかと考えております。

Q:先ほど、ドローンの話がありましたけれども、確か国土交通省が昨日の時点では、能登半島全域に飛行禁止にしていたはずで、今日からは使えるようになったんでしょうか。自衛隊だから使えるとかそういうあれなんでしょうか。

A:孤立地域への対応のためにですね、ドローンを活用しているということでありますが、すみません、細かいことはまた事務方に後ほどお尋ねいただけたらと思います。

以上