防衛大臣記者会見

日時
令和5年10月17日(火)10:47~11:04
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
木原防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 10月19日、今週の木曜日になりますが、リチャード・マールズ副首相兼国防大臣との間で日豪防衛相会談を実施する予定です。私自身、マールズオーストラリア国防大臣にお会いするのは初めてであり、マールズ大臣との間で個人的な関係を深めつつ、協力の方向性をしっかりと確認をし、日豪防衛協力の発展に更なる推進力を得たいというふうに考えているところであります。

 

2 質疑応答

Q:15日、大臣は、自民党候補の応援演説で「自民党候補を応援していただくこと、これが自衛隊並びに御家族に対しての、その御苦労に報いることになる」と述べられました。この発言の真意と、この発言は、自衛隊の政治利用に当たらないかの認識をお願いたします。また、昨日のぶら下がり会見で発言を撤回する旨を述べられましたが、具体的にどの発言について撤回されたのか教えてください。

A:昨日も申し上げましたが、御指摘の私の発言については、あくまでも一議員としての党活動の一環としてその演説の中で、自衛官と家族への敬意と感謝を申し上げたものであり、もとより自衛隊をですね、政治的に利用するような意図はございません。必ずしもその私の真意が伝わらなかったとすれば、今後はそういった発言については気を付けたいというふうに思います。その上で、どの部分を撤回するかという質問がありましたけれども、私自身は、あの場は原稿もなくですね、演説をしましたので一言一句正確に覚えているわけではないのですが、昨日、NHKさんの御指摘の部分を、そこを捉えるならばですね、申し上げますね、「自衛隊並びに御家族に対しての、その御苦労に報いることになり」、もう一度言います、「自衛隊並びに御家族に対しての、その御苦労に報いることになり」、という今申し上げた部分について誤解を招くのであれば、撤回したい旨述べたところでございます。実際に撤回したということになります。

Q:今の発言のことに関連してですね、今、発言を撤回されたということですけれども、引き続き大臣としての職務を続けていくお考えでしょうか。また、今政権の支持率が低下している中ですね、御自身のこの発言が政権運営に与える影響について、どうお考えかお願いします。

A:防衛大臣としては、防衛力の抜本的強化をはじめ様々な重要課題に全力で当たることが岸田内閣の一員としての私の責務と考えておりまして、引き続き緊張感をもって職務に当たって行きたいと思っております。

Q:政権運営に与える影響についてはどうでしょうか。

A:支持率等のことについては、私の考えることではないと思っております。

Q:同じく大臣の発言についてお尋ねします。防衛省では過去にも稲田、当時の防衛大臣が同じく政治的中立を巡って言動に指摘がなされたところです。先ほど大臣は、誤解があればということでしたけれども、政治的中立があって自衛隊への信頼が成り立っているというふうに承知しておりますが、今回の御自身の発言がこの自衛隊への信頼に及ぼした影響についてはどうお考えですか。これは影響はないというふうにお考えでしょうか。

A:北海道新聞さんは昨日、視察、私の応援演説は聞いていただいているんでしょうか。

Q:直接は聞いておりませんが、きちんと起こしたものを、内容は把握しております。

A:あの場にいた全体の文脈とすればですね、そういった自衛隊の中立性を損なうようなものではないというふうに私は思っておりますが、しかし、あくまでも自衛官と家族への敬意と感謝を申し上げたものでありまして、よもやその自衛隊を政治的に利用するという趣旨は全くございません。実際に自衛官の方々に誰々に投票してくれということを言う、そういう趣旨のものでもございませんし、ですのでそういった意味で、そういった真意が伝わらなかったとすれば、今後は誤解を招くことも、そういった可能性がございますので、今後は、そういったことに気を付けたいというふうに思っているところであります。

Q:今の関連なんですけれども、先ほど、最初大臣、撤回する部分に、その前段の自民党候補をしっかり応援してもらうことがというのは発言されてなかったと思うんですけど、そこは撤回の部分に入らないという理解でよろしいですか。

A:全体の、私の演説は聞いていただいている。

Q:私も北海道新聞さんと同じで起こしを見ました。

A:その文章、長い演説の中の一部分であってですね、その前後に言葉があってですね、そこを撤回するとですね、その後の文がつながらなくなるというか、これはあれなんですよね、東京新聞さんに私の発言要旨ということで丁寧に書いていただいてますが、私が撤回するところは、その前後をですね、ちょっと読んでみると、候補者の名前を具体的に言うと良くないので、〇〇〇〇さんをしっかり応援していただくことが、そして今、撤回場所が入って、佐世保の発展にもつながると確信しているという、その後にもつながってくるので、そこが今の御指摘のところを撤回してしまうと文章として成り立たなくなる、そういうことであります。

Q:その上でなんですけれども、その真意ということで、自衛官とその家族への敬意と感謝というのと、その自民党候補を応援してもらうことが自衛隊の苦労に報いることになる。その説明が噛み合っていないと思うんですけど、どうして自民党候補を支援することが苦労に報いることになるのかっていう、その理由を教えてください。

A:これも全体の私の演説の話をするとですね、それをお聞きになるとたぶん会場におられる方は、お分かりになったと思うんですが、私の親戚の話というか、伯父さんが自衛官だったという話、あるいはその御家族、家族ですね、私のいとことか、そういう親戚の自衛官を支える家族の話をしておるわけですね。私自身もそういう意味で言うと、熊本には陸上自衛隊の総監部があったり、私の親戚が自衛官だったり、そのいとこがいたりですね、友人がいたりということで、その自衛官の御苦労やその家族、それを支援する家族の日頃の努力と言いますかね、そういった話を演説の中ではしているということ、そういう話をした中での文脈で自衛官の家族への敬意と感謝を申し上げるという、そういう話になったわけであります。

Q:大臣冒頭にですね、一議員としての発言とおっしゃいましたけど、一議員だったら何を言っても許されるという意味ですか。

A:この会の一番最初にですね、私、自己紹介として、衆議院議員の木原稔ですという、衆議院議員の木原稔という、そういう今日は位置付けで、会場に来ていますという、そういう話をして、あくまでも衆議院議員という立場で、議院内閣制ですから、場合によっては、政権をとる議員は、政府に入ることもあると、そういうふうに思っております。

Q:冒頭に、衆議院議員として来たと言えば、何を言っても免責されるとお考えでしょうか。

A:もちろん、何を言っても良いということではないと思いますが、衆議院議員として、あるいは自由民主党所属の国会議員として、その政党の活動ということも、これも重要な活動だと思いますが、それはちゃんと範囲をわきまえた上で、やるべきことだというふうに思っております。

Q:それはどういう意味で言ったんですか、一議員としての党活動というふうに、どういう意味ですか、防衛大臣でないから、何を言っても免責されるという意味ですか。

A:そういうことは、今私は申し上げていないと思います。一議員としての党活動の一環としてというふうに申し上げたと。

Q:それから、誤解を生むなら撤回したいとおっしゃいましたけど、大臣も国文科御出身でお分かりかと思います。これ誤解を生む余地って全くないと思いますが、どこがどういうふうに誤解を生むんでしょうか。

A:ですので、誤解を招くのであれば撤回したいというふうに、昨日は申し上げました。

Q:誤解を招く余地はなくて、我々が頭が悪いから誤解するわけではなくて、これ誤解の余地がない発言だと思うんですが、何がどう誤解を生むんですか。

A:私の想像し得ないところで、誤解をするというのは私ではなくて、それを受け取った側でしょうから、そういう方々が、誤解を生む可能性がひょっとしたらあるかもしれないと、そういうこと懸念があるということで撤回をしました。

Q:それは、発言をした自分は正しいけれども、聞いている人が理解力が足りないから誤解している可能性があるという意味ですか。

A:そういうことは申し上げておりません。私の知り得ないところで、誤解をひょっとしたら招く人がいては、それは私の本意ではないということなので、撤回をさせていただいたと。

Q:有権者の中には理解力が足らない人がいるかもしれないからという意味ですか。

A:いえ、それは言っておりません。そういうことは、申しておりません。

Q:それからですね、撤回すれば終わりですか。政治家の発言というのは非常に重いと思うので、撤回すればそれで終わりなんでしょうか。

A:今後は、そういうひょっとしたら誤解を招くかもしれないという言葉に思いを馳せながら、発言をしなきゃいけないという、今後はそういう点で気を付けたいというふうに思っております。

Q:撤回をすれば、もう全て終わるというふうにお考えでしょうか。

A:今後は、そういった撤回ということがないような発言をしなければいけないという、自分に対する戒めをしなきゃいけないと思っております。

Q:例えば、大臣の発言を聞いて、投票行動に結びつけるような有権者がいた場合、その責任はどういうふうにお取りになると考えていますか。

A:そういう点も含めて、今回、誤解を招くおそれがあるという懸念がありましたので、撤回をしたと、撤回をすることによって、そういう間違ったといいますか、誤解に基づいた投票行為がないことを、今後は願うばかりであります。

Q:防衛大臣による自衛隊の政治利用というのは極めて重いことなので、撤回すれば済むとは思えないんですが、いかがでしょうか。

A:その点、もう発言したものは、これは完全にそこをなきものできないので、できることとすると、撤回というほかに何か手段があればしたいですが、この時点では撤回しかないというふうに考えております。

Q:お辞めになるという選択肢もあると思いますが。

A:それは先ほど申し上げたとおり、防衛力の抜本的強化のため、岸田内閣の一員として、責務の完遂に向けて、努めていきたいと思っております。

Q:イスラエル・パレスチナ情勢関連で質問です。昨日、C-2、1機がジブチに着いたと、大臣御報告受けたとおっしゃられたわけで、変わらずの質問で恐縮なんですが、残りの2機の運用、そしてまた今ジブチで待機している1機について、今後イスラエルに直接入って邦人退避のオペレーションを行うかなども含めて、お答えできる範囲で今後の展開伺ってもよろしいでしょうか。

A:現下のイスラエル・パレスチナ状況を受けまして、先週の金曜日ですね、13日に外務大臣から、現地に滞在する邦人等輸送に向けた準備開始の要請がございました。その後、私から、自衛隊輸送機をジブチまで移動させ、待機することを命じところであります。本命令を受けて、14日の土曜日に航空自衛隊小牧基地からKC-767空中給油・輸送機1機が、また航空自衛隊の美保基地からC-2輸送機2機がジブチに向けて出発し、このうち、C-2輸送機1機が昨日16日にジブチに到着しています。現時点でその自衛隊機による在外邦人等の輸送の見通しについて予断をもってお答えすることは困難でありますが、輸送の必要が生じた際に迅速に対応できるように、状況の推移を見極めながらになると思いますが、邦人の安全確保に万全を期すべく適切に対応していく所存であります。

Q:国家安保戦略に基づく防衛体制強化の一環としての公共インフラ整備についてお伺いします。今朝、一部報道で、整備の対象に高知県宿毛湾港や高知空港が含まれているとの報道がありました。最新の検討状況を教えてください。

A:戦後最も厳しく複雑な安全保障環境というのは、常々申し上げているところですが、防衛省としては、我が国の防衛上、多様な空港・港湾を平素から円滑に利用できることは重要だというふうに考えております。例えば、輸送手段が船舶や航空機に限られる南西諸島には、部隊運用上の有用性が高い空港・港湾もあるため、これらを整備し、自衛隊が利用できるようにすることが必要であるというふうに考えております。また、こうした取り組みを進めていくため、南西地域を中心にその他の地域も含めまして、関係する自治体に対して順次調整を始めておりますが、調整している自治体名も含めまして、その状況の逐一については、先方との関係もあることから、お答えすることが困難なことは御理解いただきたいと思っております。

以上