防衛大臣記者会見

日時
令和5年6月27日(火)10:52~11:04
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:自衛隊が3月から、米宇宙企業スペースX衛星通信網のスターリンクの高速通信サービスの利用を開始したという報道がありましたが、事実関係を教えていただけますか。

A:近年、宇宙空間の安定的利用に対するですね、脅威は増大しており、複数の通信衛星網を活用する等、衛星通信の抗たん性を向上させることはますます重要となっております。このため、防衛省・自衛隊では、民間の低軌道通信衛星コンステレーションを用いた実証実験を行うこととし、本年3月からは陸海空の部隊において、スターリンクの実証を行っております。衛星通信は自衛隊の活動の基盤であり、このような実証実験の結果も踏まえて、衛星通信の抗たん性強化に取り組んでまいりたいと考えております。

Q:米軍が抱えるPCB廃棄物の総量について、防衛省としてそれを把握できていないと伺いました。高濃度廃棄物については、国内法で処分期限が過ぎており、民間業者であれば、保有は違法状態に相当すると思いますが、防衛省として、米軍が抱えるPCB廃棄物の残量把握や今後の処分についてどのように対応していくかお聞かせください。

A:PCB廃棄物の処理についてはですね、環境省の所管であります。違法状態に相当するとの御指摘について、防衛省からお答えできないことを御理解いただきたいと思います。また、在日米軍施設・区域におけるPCB廃棄物の扱いについては、環境省においても対応されるものと承知しておりますが、防衛省としても、関係省庁と連携してですね、必要な対応を行ってまいりたいと考えておるところであります。

Q:どのように処分されるべきかという、米本国に持って帰るですとか、その辺り、大臣のお考えありましたら伺えますでしょうか。

A:今お話をしたようにですね、これは環境省の所管でありますので、環境省の方と連携をしながらですね、対応を考えていきたいというふうに思います。

Q:装備移転についてお伺いします。浜田大臣、以前国会答弁で、現在の運用指針における課題として、国際共同開発、生産のパートナー国から第三国への円滑な装備移転の実施に関して課題があると述べられておりますが、課題認識についてもう少し説明をお願いします。例えば、パートナー国に日本への事前同意を義務付けているという点なのか、日本が同意するしないに関して明確な基準がないことが問題だと考えるのか、見解をお願いします。

A:御指摘の点についてですね、現在の防衛装備移転三原則の運用指針においてですね、共同開発のパートナーから第三国への移転について否定はされておりません。その上で、私の答弁は、運用指針において、第三国移転に係る手続きが明確に規定されていないことなどを念頭に申し上げたものであります。

Q:今、装備移転に関して、見直しで与党のワーキングチームが開かれてますが、6月21日の会合で、三原則の前文と後文の中身についてと、あと装備移転における部品の扱いについてということが、その与党協議の中の論点として抽出されましたが、この二つの論点について、防衛省としても同様に課題があると考えるか、そうであれば原因についても教えてください。

A:与党ワーキングチームにおける議論の内容についてはですね、あくまでも与党が主催するクローズな会合であるため、政府としてお答えする立場にないことを御理解をいただきたいというふうに思っております。

Q:関連して、防衛装備移転についてお伺いします。大臣、先日の会見でですね、防衛装備移転三原則、運用指針ではですね、自衛隊法上の武器に当たるかどうかについては述べたものではないとおっしゃいましたけれども、自衛隊法上の武器を含む装備品でもですね、いわゆるその五類型に当てはまればですね、輸出できるケースがあるかどうかというところの見解をお願いいたします。

A:今、御認識の通りですね、運用指針に係るいわゆる五類型は、自衛隊法上の武器に当たるか否かについて述べたものではありません。その上で、実際の移転についてはですね、防衛装備移転三原則等に従って個別に判断することとなるため、御質問の点についてですね、予断をもってお答えすることは困難であることを御理解をいただきたいと思います。

Q:関連でお伺いします。その個別に判断されるということなんですけれども、そういった場合ですね、今の制度上、どのような装備が出せるのかというのをですね、国民ですとか、企業もそうですけども、相手国も分からない状態というふうになるんですけれども、今、制度上出せる装備というものを今後、公表されるというお考えはありますでしょうか。

A:繰り返しになりますけども、実際の移転についてはですね、防衛装備移転三原則等に従って個別に判断することとなるため、予断をもってお答えすることは困難であります。その上で、防衛装備移転に当たっては、日頃から企業や諸外国の防衛当局と様々な意見交換を行い、ニーズの把握段階から連携して取り組んできているところであります。引き続きですね、官民一体となって推進をしていきたいと考えております。

Q:陸自の小銃発砲事件についてお伺いいたします。先週のこの会見でも質問、御指摘させていただいたんですけれども、司法解剖の結果ですとか、家宅捜索の押収物について、それから1週間経ってもまだ防衛省の警務隊から公表がございません。窓口として指定された服務管理官もですね、地検の指導を得ながら捜査しており、捜査に支障を及ぼすものに関しては公表できないというふうな御説明されているんですけれども、ただ、どういうふうな支障が出るんですかですとか、一般的な県警捜査と比べて公表内容が劣る理由、また、その公表できないという判断を誰がしたかということについては回答できないというだけであります。一般にですね、例えば犯人の秘密の暴露に当たるですとか、裏付けのない供述なので公判で変わるかもしれないというふうな合理的理由があれば当然公表できないのは当たり前なんですけれども、それがない場合はですね、それも権利の乱用であって捜査上の支障というのを口実にした隠蔽と言われても仕方がないと思います。大臣が先週の会見でおっしゃったですね、広報についてしっかり対処してまいりたいということをおっしゃてましたが、現状では説明責任を果たされていないと考えますが、大臣の受け止めをお願いいたします。

A:現在、警務隊はですね、事実関係を把握するためにですね、関係者に対する事情聴取や押収した証拠品の分析等を行っておるところであります。また、現在、陸上自衛隊において、現地調査や関係者への聞き取り等を行っており、これらの結果を収集・分析した上で2回目以降の調査委員会を実施する予定であります。今おっしゃった点に関しましてはですね、我々としても、今現場の方で対応しておるところでありますので、後ほどまた事務方の方からお答えをさせていただきたいと思います。

Q:鹿児島県の馬毛島での自衛隊基地着工から来月で半年になります。先日、地元の西之表市長が議会の場で、工事の様々な影響に関し、国の対応はスピード感や具現性について万全とは言えないなどと発言しました。この市長発言の受け止めや対応、今後の対策についてお願いします。また、工事の進捗状況もお願いいたします。

A:本年1月に工事を開始した馬毛島の施設整備に関して地元から様々な声をいただきました。これについては、防衛省として順次対応しているところであり、先月にはですね、主な防衛省の対応を取りまとめ、鹿児島県西之表市との協議の場で御説明をいたしました。他方で、防衛省としては、これで終わりということではなく、引き続き地域に与える影響を最小限にとどめるよう対応していく考えであります。今後ともですね、期待の声にしっかりと応えるとともにですね、不安を解消するため西之表市をはじめとしたですね地元自治体等と緊密にですね連携しながら、施設整備を進めてまいりたいと考えているところであります。

Q:工事は順調に進んでいますか。

A:その点についてはですね、現場の事務局の方からまた御連絡をさせていただきたいと思いますけれども、工事の方についてはですね、計画に沿って進めていると思っております。詳細についてはですね、事務局の方にお願いをしたいと思います。

Q:米軍の訓練移転を前提に着工を急いだことで、地元との調整や事前の対策が不十分だったのではという指摘がありますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

A:この点については、我々とすれば、地元の自治体の皆さんとの議論の中でいろいろな御指摘を受けているところでありますけれども、我々としては、この工事に関してですね、更にこれからやるべきことを我々も認識をしながら、前に進めていきたいというふうに考えておるところでありますので、今、御指摘にあった点についてもですね、しっかり受け止めながら、対応していきたいというふうに考えております。

Q:PCBの廃棄物の件については、PCB特措法については環境省の所管だとは思うんですけれども、米軍の現状であったりとか、把握したりするのは防衛省の担当ではないのかなと、環境省でできないと思うんですね。その辺りどうお考えか、それを把握がそもそも必要ないとお考えなのでしょうか。

A:当然、米軍との関係というのは、我々がやっておるわけでありますので、そういう意味では、先ほど申し上げたように、環境省の方の指摘も踏まえながらですね、お互いにその点についても意見交換をしながら対応していきたいというふうに思っておりますし、特に、こういった問題についてはですね、やはり専門的な部分というのもございますし、我々その面では、決して下がることなくですね、前面に立って対応していきたいというふうに考えております。

以上