防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年6月4日(日)12:18~12:24(日本時間)
場所
シャングリラホテル
備考
日中、日米豪比、日豪、日ウクライナ、日韓防衛相会談後の浜田防衛大臣ぶら下がり会見

1 発表事項

 日中、日米豪比、日豪、日ウクライナ、日韓防衛相会談等の実施についてですね、私の方からお話をさせていただきます。中国の李尚福(り・しょうふく)国防部長との初の対面での会談では、尖閣諸島を含む東シナ海情勢等についてですね、深刻な懸念を率直に伝達いたしました。また、ホットラインの適切かつ確実な運用及び日中間の信頼醸成や防衛交流の推進で一致をしました。日米豪比防衛相会談は、今回が初めての開催となります。4か国の連携を強化することは極めて重要であります。今後もですね、4か国間の協力を強化したいと考えています。オーストラリアのマールズ国防大臣との間では、日豪円滑化協定の活用に関する相互運用性の一層の向上等、日豪防衛協力を更に深化することを確認しました。ウクライナのレズニコフ国防大臣に対し、ロシアによるウクライナ侵略は断じて認められない旨を述べ、我が国の支援を直接伝達しました。先方からは、深い謝意が示されました。韓国の李鍾燮(イ・ジョンソプ)国防部長官とは、日韓、日韓米防衛協力の推進の重要性を共有し、日韓防衛協力の進展のため、防衛当局間の懸案について、再発防止策を含めた協議の加速化で一致いたしました。ニュージーランド、オーストラリアとの間で、防衛関連の文書に署名したほか、シンガポールとの装備移転協定の署名に立ち会いました。今回、8人のカウンターパートと9つの会談等を行いました。この成果を踏まえ、関係国との協力、連携を深めてまいります。

2 質疑応答

Q:日韓会談についてお伺いします。過去のレーダー照射問題については、日本側からどのように言及し、韓国側からどのような反応があったのか、教えていただけますでしょうか。

A:火器管制レーダー照射事案に関する防衛省の立場は、平成31年1月に公表した最終見解のとおりであり、今回の会談においても最終見解を踏まえて議論したところです。これ以上の具体的なやり取りについては、相手国との関係もありお答えできかねることを御理解いただきたいと思います。防衛省としては、今回の会談の結果も踏まえ、引き続き韓国側と緊密に意思疎通を図っていく所存です。

Q:念のため確認なのですが、先ほど大臣、懸案の再発防止策と仰ったんですけども、この懸案というのは、レーダーの話という理解でよろしいですか。

A:我々とすると、あらゆることで議論したわけでありますので、その中の一部にあったというふうに思っております。

Q:今回大臣から見てですね、レーダー照射問題で進展があったというふうにお考えか、もし進展がなかったとすれば、今後の防衛分野での協力に支障があるというふうにお考えですか。

A:今回の会議ではですね、レーダー照射問題も含む防衛当局間の懸案について議論を行い、両国の防衛当局間で再発防止策を含めた協議を加速化することで一致しました。防衛省としては、今回の会談の結果も踏まえですね、引き続き韓国側と緊密に意思疎通を図ってまいりたいというふうに考えております。

Q:今回、シャングリラの会合を終えまして、大臣スピーチで同志国との連携の深化と、そうではない国との意思疎通を重要にやっていくというお話でしたけれども、その点どのぐらい深められたか、総括を教えていただけますでしょうか。

A:色々な国防大臣との会話の中でも常にあったのは、やはり外交というのが大変重要であるということが、どの大臣も前提に置いて話をしていました。その意味で言えば、今回の私のスピーチにもありましたけれども、やはり常にあらゆる危機に対して我々が考えなければならないのは、それを回避するためにはどうしたら良いのか、そのためには、やはり常日頃からのお互いの意思の疎通というのが重要であって、常に外交によってですね、交渉していくということを頭に置きながらですね、やっていくことというのが大変重要だというふうに思いますし、今回のこのシャングリラ会合の中でも、オースティン長官を始めとする皆さんのスピーチにおいてもですね、同じような内容であったと私自身は思っていますので、その意味では今回のシャングリラ会合で、私たちの考え方というのが理解をされたというふうに考えております。

Q:日韓会談での韓国側の姿勢についてどう思われましたか。

A:我々とすれば、大変お互いにしっかりと、率直に議論をしようという姿勢があったというふうに思います。

以上