防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年4月2日(日)12:03~12:10
場所
陸上自衛隊石垣駐屯地
備考
陸上自衛隊石垣駐屯地開設記念行事における浜田防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、石垣駐屯地の開設記念行事に出席し、駐屯地開設の意義を申し上げるとともに、隊員諸君を激励する機会を得ました。今から15年前、私が初めて防衛大臣に着任した際、広大な南西地域において、沖縄本島以外には陸上自衛隊の部隊は配備されていませんでした。その後、南西地域の陸自部隊の空白状況を解消すべく、与那国島、奄美大島、宮古島への部隊配備を行ってまいりましたが、この度の石垣駐屯地の開設により、南西地域の陸自部隊の空白を埋めるために計画していた部隊配備が完了することとなります。石垣駐屯地に配置される隊員には、地元の方々との信頼関係を強固なものにしつつ、南西地域の防衛に万全を期すことを期待をしておるところであります。

2 質疑応答

Q:中国による周辺海域での活動が活発化し、また、台湾への圧力が強まる中で、今回の石垣駐屯地の開設には、どのような意義があるとお考えか、大臣の見解をお聞かせください。

A:南西地域の防衛体制の強化は喫緊の課題であり、今般の石垣駐屯地の開設により、南西地域の陸自部隊の空白を埋めるために計画していた部隊配備が完了することとなります。このような部隊配備等は、力による一方的な現状変更を許容しないとの我が国の意思を示し、島嶼部を含む南西地域への攻撃に対する抑止力・対処力を高めることで、我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、沖縄県民を含む我が国国民の安全につながるものと考えております。石垣駐屯地の開設により、防衛体制を目に見える形で示すとともに、警戒監視活動等の各種任務に万全を期すことを期待をしているとこであります。

Q:もしね、この地域に空白が無くなったということですが、この地域では、ごく近くに尖閣諸島という場所があります。もし、その地域の目標が尖閣で、あの、武力紛争あるいは衝突、それに近いことが起きた場合は、この駐屯地の部隊がそれに対応するということになるんでしょうか。

A:我々とすればですね、あらゆる状況に対処するための努力を日頃からしているわけであります。そしてまた、外交力という、この外交の力によってですね、やはり、色々な国と国との関係を正常化させていくというのがこれは当然のことでありまして、そういった状況を生まない努力をまず、することが重要だというふうに考えています。今、お話にあったように、もしもそのようなことがあった場合には、我々のこの基地を中心に、というよりも政府全体としてですね、これに当たらなければなりませんので、当然のごとく、この地域を守るためには、ここにあるものすべてをですね利用して、これに対処していくというふうになると思います。そのことは、事実であります。

Q: 大臣、冒頭発言でも仰っておりました、空白地帯を埋めるというふうに決定をされた時よりもですね、今、ロシアによるウクライナ侵攻であったり、先程、NHKさんの質問でもありましたけれども、台湾有事の可能性に言及する声が大きくなっております。空白地帯を埋めると決定した時よりも、この国際情勢が急速に悪化している中での開設を迎えたということに対する意義と、今後の駐屯地に期待することがありましたらお願いいたします。

A: 確かに色々な状況が、世界の情勢がですね、変わってきていることは事実でありますが、我々にはやはり、当然のごとく、できることとできないことがあるわけでありますので、そのできることをどれだけ我々はしっかりとこれからこなしていけるか、というのが大変重要だと思っております。その上で申し上げれば、我々とすれば、今、与えられた環境の中で、やはり自衛隊のなすべきこと、先程から色々なことを想定してお話があるわけでありますが、しかし、この地域にこの石垣駐屯地が出来上がったことによって、自然災害ですとか、他に我々のやるべき仕事も発生してくるというふうに思っていますので、そういった意味合いにおいては、石垣駐屯地が島民の皆様方にですね、しっかりと理解をされ、そしてまた、お互いの信頼関係が築けるような体制をまず作ることが重要だと思っていますし、そして与えられた任務というものが、各部隊にあるわけでありますので、そのことも含めて、しっかりとこの準備をしていくということが、重要であるというふうに考えていますので、そういった意味合いにおいては、自衛隊のなすべきこと、ということをしっかりとやる、これがまず我々が期待するとこであり、また、島民の皆様方との、それこそ、信頼関係を作り上げる努力ということがですね、我々重要なのかなというふうに、それを私どもとしては期待をしているところであります。

Q:大臣、以前の答弁の中で、確か安保関連3文書で明記されました反撃能力を持ったミサイル配備の、石垣駐屯地への可能性というのは含みがあるような回答だったと思うんですけれども、島民からは、そういった配備があるのかどうか、また、今後、攻撃対象としての懸念というのも出ているんですが、そういったものに対してはどのように説明というか、していくというのはありますか。

A:12式の地対艦誘導弾の能力向上型を含むですね、各種スタンド・オフ・ミサイルの具体的な配備先というのは、まだ、決まっておりません。そのために地元に説明をですね、実施するか否かについても、今、お答えをできる段階にはございません。そしてまた、我々とすれば、色々なこの状況の中でですね、地元の皆様方に説明できるものはしてきているつもりでもございますし、今、この12式の向上型についてですね、我々とすれば、今、お話しする段階に至っていないということでありますので、これから、どんな状況になるか分かりませんけれども、しっかりとその点については、皆様方の御懸念を払拭すべく、努力をしていきたいというふうに思います。

以上