防衛大臣記者会見

日時
令和5年3月24日(金)09:21~09:33
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 なし

2 質疑応答

Q:北朝鮮が、22日に巡航ミサイルを発射したと北朝鮮や韓国軍が発表していますが、防衛省としての分析の状況をお願いします。また、米韓軍事演習が行われるなどしていましたが、北朝鮮のミサイル発射の意図についてどう分析されているか、併せてお願いします。

A:御指摘の韓国軍の発表については承知をしております。また、これに関連するとみられる今朝の北朝鮮メディアの発表についても承知をしておりますが、その一つ一つにコメントすることはいたしません。北朝鮮の軍事動向については、平素から重大な関心を持って情報収集・分析に努めておりますが、個々の具体的な情報の内容についてはですね、事柄の性質上、お答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。その上で申し上げれば、北朝鮮は、今月16日のICBM級弾道ミサイルの発射や、今月19日、日曜日の弾道ミサイルの発射について、合同演習を行う米韓への警告であった旨の発表を行っています。北朝鮮は米国に対抗するため、核・ミサイル能力を強化していく意思を一貫して示してきており、今後も、米韓演習への反発を示しつつ、各種ミサイルの発射等を強行していく可能性はあると考えられ、防衛省としては引き続き、警戒監視に万全を期してまいります。

Q:平和安全法制についてお伺いします。3月29日で、施行から7年を迎えます。戦後最も厳しい安全保障環境という外的要因に加えて、昨年末、安保関連3文書で反撃能力の保有を決めたことで存立危機事態における自衛隊の任務・役割にも変化が生じることが予想されますが、施行から7年を迎える平和安全法制の意義や成果、今後の運用の課題などについて大臣の見解を教えてください。

A:いかなる事態においても国民のですね、命や平和な暮らしをですね、守り抜くことは、政府の最も重い責任であると思います。2015年に成立した平和安全法制により、日米同盟はかつてないほど強固となり、抑止力・対処力も向上しています。このことは、地域の平和と安定にも寄与していると考えております。また、国際社会の平和と安定により積極的に貢献できるようになりました。法律施行後、平和安全法制に基づく任務の実績は一つ一つ積み重なっております。政府としては、引き続き、平和安全法制を効果的に運用し、いかなる事態にも、国民の命と平和な暮らしを守るべく、緊張感を持って、対応に万全を期してまいりたいと思います。御質問にありましたけれども、成果というかですね、今までの実績というのは、実際の運用にですね、具体的な取組として、2016年11月に南スーダン派遣施設隊第11次要員に対して、いわゆる「駆け付け警護」や宿営地の共同防護といった新たな任務の付与を行いました。2つ目は、自衛隊法95条の2の規定に基づく米軍等の武器等防護について、2021年は、米軍に対して21件の警護を実施するとともに、オーストラリア軍に対して、初めて1件の警護を実施をいたしました。日米ACSAの下、自衛隊法第100条の6に基づき米軍に対する物品・役務の提供を実施をしております。そしてまた、2019年4月から、国際平和協力法に基づく国際連携平和安全活動として、多国籍部隊・監視団に司令部要員を派遣しております。

Q:関連で、存立危機事態における反撃能力行使の具体例について、これまでの国会審議で、立憲民主党などから分かりやすい例示っていうのは求められましたが、政府は断ったっていう経緯がありますが、改めてその国民への説明責任を果たすという観点から、具体例を示す考えはないのか、お考えをお聞かせください。

A:そもそも反撃能力は、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力となるものである上、防衛出動時に無条件で行使されるものでもありません。その上で、存立危機事態とは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態であり、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がなく、必要最小限度の実力行使にとどまる場合において、自衛の措置として武力を行使することが許容されるものであります。存立危機事態は、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したからといって、無条件で認定されるものではなく、個別具体的な状況に即して、主に、攻撃国の意思、能力、事態の規模、対応などの要素を総合的に考慮し、客観的、合理的に判断するものであります。存立危機事態における対応は、他国の防衛ではなく、あくまで我が国の防衛のために行うものであり、個別具体的な状況に照らして、我が国の国民の命と平和な暮らしを守り抜くための措置を判断し、対応していくことが必要であります。存立危機事態における反撃能力の行使について、具体的にいかなるケースで、いかなる対応をとるかを明らかにすることは、安全保障上控えるべきであり、お示しすることは困難であります。

Q:大臣の基本的な考え方を教えていただきたいんですが、次期統合幕僚長になる吉田陸将は、2004年、2等陸佐の時に中谷元衆議院議員の要請に基づいて、国防軍設置などを含めた憲法改正案を作成しました。それによって口頭注意を受けていますが、その吉田陸将が2等陸佐の時にやった行為について、大臣は今どのように評価されるか、判断されるかを教えて下さい。

A:その時点で注意を受けているわけでありますので、我々とすれば、それをクリアして本人自身が努力をした結果が、今につながっているというふうに考えております。

Q:吉田陸将が2等陸佐の時に行った、その憲法改正案を書いたことが憲法の憲法尊重擁護義務、公務員のですね、それとかシビリアンコントロールとかですね、あるいは自衛隊法にいう自衛官の政治的行為の制限などについて、照らし合わせてどのような評価を下されるか教えて下さい。

A:その時の注意の仕方というのは、これは口頭注意ということですから、その時点でそのように判断されているわけですから、それ以上でもそれ以下でもないというふうに考えます。

Q:その時点の判断ではなくて、現職の防衛大臣として、そういった行為を自衛官が行うことについて、今の現職の防衛大臣として、どのように考えられるか聞かせてください。

A:一般論としてであれば、仮定の話であり、今のこの時点でそういったことは事実起きてないことでありますので、その時の注意というのは、大変そういう意味では、しっかりとした結論を出して、口頭注意という形でしたわけでありますので、そのことに対しての私が、今時点でそういうことが起きてないわけでありますので、もしも起きたということであるならば、これ重大な問題だと思いますが、今現在、そういった事象起きておりませんので、私とすれば、そのシビリアンコントロールというか、そういった憲法に対する考え方というのは、今しっかりと自衛隊員の中には、根付いているものと思っております。

Q:今、大臣は、もし起きたとすると重大な問題というふうにおっしゃいましたけれども、そういう認識でよろしいですか。

A:今時点で起きておりませんので判断のしようがありません。

Q:先ほど大臣は、もし起きたとすると重大な問題というふうにおっしゃられましたけど、そのとおりでよろしいですね。

A:それは、起きた時に色々なその状態を判断しないと結論が出せませんので、その時にしっかりと考えたいと思います。

Q:先ほど、もし起きたとすれば重大な問題だというふうに言明されましたけど、そのとおりでよろしいですね。

A:それは、基本的に我々憲法を遵守しながら活動していくということがあるわけでありますので、私自身が、もしもそういうことが起きたならば、私もそれは、その時の判断をしっかりするということが前提であると思っております。

Q:先ほどおっしゃった、もし起きたとすれば重大な問題だというのを取り消されるんですか。

A:取り消してはおりません。重大な問題だと思いますよ。思いますけれども、しかしながら、その時の状況によって、我々は判断するということでありますので、それが故意に行われたのか、偶然なのか、色々な場合が考えられますので、その時その時によって、我々がしっかりと判断をして、それが問題になる、我々の制定している色々な懲罰に行くのか、どうなるのかというのを、その時に判断させていただこうというふうに思って、申し上げたところでありますので、その点については、それはもう、今の自衛官は、憲法遵守というのはしっかりしているものというふうに私は思っております。

以上