防衛大臣記者会見

日時
令和5年3月3日(金)10:12~10:29
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣閣議後会見
動画版

1 発表事項

 なし

2 質疑応答

Q:大臣、昨日の参院予算委員会でですね、陸上自衛隊石垣駐屯地へのスタンド・オフ・ミサイルの配備に関して、国内での配備場所現時点で決まっていないとした上で「いろいろな能力を考えれば、今後どのようになるかはわからない」というふうな答弁されてます。将来的な配備の可能性が示唆されているというふうに捉えていますけれども、改めて、御見解をお伺いできればと思います。

A:各種スタンド・オフ・ミサイルの具体的な配備先は決定していないため、今後の配備場所について確定的に申し上げることは困難であることを御理解いただきたいと思います。御指摘の答弁はこのような趣旨を述べたものであります。なお、石垣市に対しても、本年1月10日に、国家安全保障戦略等の戦略3文書について、沖縄防衛局長より石垣市長に御説明した際に、スタンド・オフ・ミサイルの具体的な配備先は現時点では決まっていないことを説明しておるところであります。

Q:反撃能力の答弁についてお伺いします。岸田総理はですね1日の参議院予算委員会で、いわゆる「盾と矛」の問題に言及した際に、確立した定義があるわけではないものの、あえて言えば、「盾」のための能力と認識している旨答弁されました。今後ですね、防衛省としても、こうした御説明をされていくお考えか、大臣の見解をお願いします。

A:御指摘のですね総理答弁は、いわゆる「盾と矛の役割」について、確立した定義があるわけではないと述べられた上で、反撃能力は、あくまでも国民の命や平和な暮らしを守るためのものとの趣旨を御理解いただくために、敢えて述べられたものと承知をしております。防衛省としても、反撃能力を統合防空ミサイル防衛能力の一環と位置付けているとおり、ミサイル防衛も反撃能力も、いずれもミサイル攻撃から国民の命や暮らしを守り抜くためのものと認識は同じであります。こういった反撃能力の趣旨を御理解いただけるよう、防衛省としても説明に努めてまいりたいと考えております。

Q:石垣駐屯地の開設に向けての準備について伺います。石垣駐屯地の開設に向けては、5日に市民団体の反対集会が開かれるなど、反対の声があがっているんですけれども、開設の直前まで地元の理解という点でいうと、反対の声があるということについて、大臣どうお考えになっているかお聞かせください。

A:防衛省においては、令和5年3月中旬に、石垣駐屯地を開設する予定としております。石垣島への陸上部隊の配備については、これまで地元住民の方々等を対象にしてですね、7回に渡って説明を実施してきており、また、沖縄県や石垣市、石垣市民からの御質問や様々な要請など、機会あるごとに丁寧に御説明をさせていただいております。また2月17日、石垣市長から口頭で、石垣市への自衛隊配備に関する市民への説明会の開催要望があったところであります。引き続き、石垣市とも調整しつつ、引き続き、丁寧な対応に努めていくこととしておるところであります。

Q:石垣市からの要望に応じて説明会は開催する方向で調整という理解でよろしいでしょうか。

A:現在、引き続きですね、調整を今しておるところであります。

Q:大臣、今年もそろそろ防衛大学の卒業があるかと思うんですけれども、その卒業式に際して任官拒否者を卒業式に出さないというのが恒例になっていますが、これ今年もそうなんでしょうか。

A:その点についてはですね、このところ、コロナの影響もあったりとかいろいろあったわけでありまして、その意味では、私のところにまだ詳しく説明は受けておりませんので、事務方の方に問い合わせていただければと思います。

Q:ただずっと慣例でですね、任官拒否者を排除してきたという過去の経緯があるわけですね。それは、世間でいうところのいじめとかですね、排除というとあれですけれども、いじめに当たるんではないかと思うんですが、そいうことをしているからこそ逆に任官拒否者が増えているんではないかと思うんですけれども、大臣そういう御認識ございませんか。

A:一つ一つそういったことに対してですね、今、防衛省の方としてもいろいろなところに気配りをしながら検討しているところでもありますので、今の御指摘については、私が今ここで、コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしても我々とすれば、防衛大学校の更なるですね、多くの方々から理解をされ、そしてまた自覚を持った防衛大学生が今後も自分の技術等も含めてですね、研鑽をしながら努めていく、これが極めて重要だと思っておりますので、そういう意味では、いろいろな御指摘があることを認識しつつ、またいろいろと検討させていただきたいというふうに思っているところであります。

Q:ウクライナ問題について1点質問差し上げます。岸田総理は、2月24日の会見で、ロシアによる核の威嚇ましてや使用はあってはならない、ロシアによる核の使用をちらつかせる威嚇を断固として拒否する強いメッセージを発していくなど、ロシアの核の脅威について3回言及されました。あってはならないこととはいえ、ロシアが追い詰められれば、戦術核を使用するかもしれません。その場合、米国およびNATOが核兵器で報復する事態も想定されます。核攻撃への相互のエスカレーションのリスクを考えれば、ウクライナへの武器支援よりも停戦に向けた働きかけの方がより重要になるかと思いますが、そうした考えは岸田政権にはないのでしょうか。浜田大臣のお考えをお聞かせください。

A:仮定の質問にはコメント差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしても、我々とすれば、あらゆる努力をするということが重要だと思っておりますので、その点についてもいろいろな情報収集を基にですね、政府として検討していくことになろうかと思いますので、今ここでのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:民主主義や法の支配などの価値観を共有する同志国との連携について伺います。政府は、2月28日にイギリス、オーストラリアとの間で円滑化協定の関連条約と法案を閣議決定しました。オーストラリアなどを含む同志国との連携を拡大する狙いについて、お考えをお聞かせください。

A:2月28日に日豪円滑化協定及び日英円滑化協定の実施に関する法律案がそれぞれ閣議決定をされました。これらの協定の実施によって、我が国と豪州及び英国それぞれの部隊との間の協力活動が円滑化され、両国との防衛協力がさらに促進されることが期待をされます。我が国の安全保障を確保するためには、同盟国のみならず、一か国でも多くの国々と連携を強化することが極めて重要であると考えます。今後とも、地域の特性や相手国の実情を考慮しつつ、円滑化協定等の制度的枠組みの整備を含め、多角的・多層的な防衛協力・交流を積極的に推進してまいりたいと考えております。

Q:先ほど、反撃能力の保有を踏まえて日米の役割分担に関して、日本が「盾」だというお話でしたけれども、浜田大臣、防衛省としては、この「盾と矛」の定義付け、「盾」というものはどういうもので、「矛」はどういうものだというふうに、定義されてるんでしょうか。

A:2015年に策定された日米ガイドラインに明記されておるわけでありますが、日本は、日本の防衛を主体的に実施をする、米国は、自衛隊を支援し補完するとともにですね、拡大抑止を提供する、といった日米の基本的な役割分担には変更はございません。いわゆる「盾と矛の役割」についてはですね、政府として確立した定義があるわけではありません。その上で、近年、我が国周辺ではミサイル関連技術や運用能力が飛躍的に向上し、質・量ともミサイル戦力が著しく増強されてる中で、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあるという現実があります。このため、我が国としても反撃能力を保有し、自らの国は自らで守る努力が必要であります。これにより日米同盟の抑止力・対処力を一層向上させて、我が国に対する弾道ミサイル攻撃等に対応してまいりたいと考えるところであります。

Q:関連で、いわゆる「盾と矛」というのは、「盾」に関しては、日本周辺を含めて国土防衛に日本が徹して、相手国の領域攻撃に対しては、アメリカに「矛」を委ねるという理解だったと思うんですけれども、その今僕が説明した定義付けは、防衛省の見解とは違うという理解でいいんですか。

A:基本的に今御説明したようにですね、我々とすれば、あくまでもこれは「盾と矛」の役割というふうに言われますけれども、我々とすれば、あくまでも我々のですね抑止力を強化するためという目的が一番であって、これが即、反撃能力というもので「矛」の部分に当たるというふうには考えておりません。ですから今、この「盾と矛」という言い方がですね、今後、正しいかどうか分かりませんけれども、あくまでも我々は抑止力を重視するという意味合いで、この考え方を持っているわけでありますので、今後ともその考え方でやっていきたいというふうに思っております。

Q:来年度の装備についてお尋ねしたいんですけれども、先日、機関銃とですね狙撃銃、新しいものに関して記事を書いて編集部の方に送ったらですね、お前、これ金額間違えていないか、と言われたんです。何故かというと、こんなに高い訳がないだろうというふうに言われたんですね、つまりその、狙撃銃に関して言うと1丁約700万円ぐらい、機関銃は190万円ぐらいなんですけど、これ普通から比べたら1桁高いというふうな感じの認識なんです、諸外国において。こういう高コストの調達という、何か調達のシステムに欠陥があるんじゃないかと大臣お考えになりませんか。

A:私はその点についてはですね、今確たるもの持っておりませんので、できれば現場の方に聞いていただければというふうに思います。

Q:関連してなんですけれども、新型の装甲ドーザについてお尋ねしたんですね、装備庁と陸幕に。そうすると装備庁は概要に関して一切言えないと、そういう回答がきました。対して、陸幕の方にお尋ねするとですね、一応概要は教えてくれた訳です。そうすると、同じ組織の中で情報の管理が、方法が違うと。普通、世間的に言うと、そんぐらいの概要というのを公開して然るべきだと思うんですけれども、それ公開しないのを個々のその担当者の裁量でやっているということになりますし、非常にその、単なるそれは、責任逃れなんじゃないかというふうにも捉えられても仕方がないかと思うんですけれども、大臣こういう情報開示を民主国家の自衛隊、軍隊ではありませんが、他国の軍隊であれば当然、公開して然るべき情報を個々のその担当者の裁量で隠ぺいするというのは非常に問題があるのではないかと思うんですけれども、大臣そのようにお考えになりませんでしょうか。

A:今おっしゃったことに対しての私の理解力が足りないのかもしれませんけれども、まだそういった情報、私の手元にきておりませんので、今ここでですね、どうこうということは言えない訳でありますけれども、少し情報を私の方でも取ってみて、またチャンスがあればお答えしたいというふうに思います。

Q:あくまで、これは例でしかない訳ですけれども、例えば同盟国のアメリカであるとか、同志国のオーストラリア、英国、フランスなんかと比べるとですね、非常に日本の防衛省・自衛隊の情報開示、低いんではないかというふうに大臣、認識はございませんでしょうか。

A:我々とすれば、できる限りの情報開示に努めておるというふうには思っております。

Q:先日、工科学校の方で、評論家の竹田さんが講演なさったというお話をツイッターで学校の方が流していたんですけれども、以前も、陸自の他の学校でも竹田さん講演されてるんですけれども、一般的にいうと差別主義的な発言が目立つ方で思想的にも偏っているんではないかと。大臣が以前、防衛大臣だった時に田母神さんが解任されましたが、彼と割と近いような考え方をされてる方と思うんですね。非常にそういう自衛隊の学校とかですね、教育機関、若しくは部隊の方で外部の講演者を選ぶ時に、何かこう配慮をするというか、自分達に都合の良いことばかり言ってくれる人達ではなくて、批判的なことを言う人をむしろ呼ぶべきではないかと、そういうふうには大臣思われませんか。

A:御指摘の点、あらゆることを、状況を勘案しながら、講師の方をお招きをしていると思いますので、そいった御指摘があったことは、私の方で受けさせていただきたいと思います。

以上

下線部は仮称