防衛大臣臨時記者会見

日時
令和5年2月18日(土)19:58~20:05
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の浜田防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は本日17時21分頃、平壌近郊から、1発のICBM級弾道ミサイルを、東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中ですが、発射された弾道ミサイルは約66分飛翔し、18時27分頃、北海道の渡島大島の西方約200kmの日本海、我が国の排他的経済水域内に落下したものと推定されます。飛翔距離は約900km、また最高高度は約5,700km程度と推定されます。今回の発射について、防衛省から政府内および関係機関に対し、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されていません。北朝鮮は昨年から立て続けにミサイル発射を繰り返し、朝鮮半島そして地域の緊張を著しく高めています。今回発射されたICBM級弾道ミサイルは今回の飛翔軌道に基づいて計算すると弾頭重量等によっては、14,000kmを超える射程となり得るとみられ、その場合、米国全土が射程に含まれることになります。国際社会全体への挑発をエスカレートさせる暴挙であり、こうした一連の行動は、我が国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすもので、断じて容認できるものではありません。関連する安保理決議に違反するものでもあり、我が国として北朝鮮に対し、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議し、強く非難しました。本件について総理には直ちに報告を行い、国民への迅速・的確な情報提供等の指示がありました。これを受け、私も指示を出し、関連情報の収集と分析に努め、緊張感を持って、警戒監視等の対応に万全を期しているところであります。引き続き米国・韓国等の関係国と緊密に連携して対応してまいります。

2 質疑応答

Q:今回、弾種について分かっていることがあれば教えてください。また、軌道はロフテッド軌道ということでよろしいんでしょうか。

A:今回発射された弾道ミサイルの飛翔距離や最高飛翔高度などを踏まえればですね、今回発射されたものはICBM級弾道ミサイルであると考えられますが、これ以上の詳細については引き続き、分析中であります。そしてまた、ロフテッド軌道でというお話がございましたが、今回の弾道ミサイルは最高高度が約5,700km程度で約900kmの距離を飛翔したことを踏まえれば、ロフテッド軌道で発射されたものと考えております。

Q:北朝鮮が先日、パレードを行ってですね、その中で新型の固体燃料とみられるICBMも登場していたんですけれども、今回はそれの可能性というのはどう分析しますか。

A:今回の発射された弾道ミサイルのですね、飛翔距離や最高飛翔高度などを踏まえればですね、今回発射されたものはICBM級弾道ミサイルと考えられますが、これ以上の詳細については引き続き分析中であります。

Q:北海道上空などでですね、ミサイルの落下推定時間とほぼ同時刻に火の玉のような光が落下するようなものが見られたという情報が相次いでいますけれども、今回のミサイルとの関連について分析状況あればお願いいたします。

A:目撃情報のですね、逐一についてはコメントは差し控えます。いずれにせよ、今回発射された弾道ミサイルは66分間飛翔し、18時27分頃、北海道渡島大島の西方200kmの日本海に落下したものと推定されております。そこまででございます。すいません。

Q:2点あるんですけれども、1点がこのタイミングでの発射の意図というのはどのように分析されていますか。

A:北朝鮮による個々の弾道ミサイルの発射の意図についてはですね、なかなか我が方から断定的にお答えすることは困難でありますが、その上で申し上げれば、北朝鮮は累次にわたってですね、米国の脅威に対抗して体制を維持するため、独自の核抑止力が必要であると主張しております。そうした観点から、核兵器の運搬手段である弾道ミサイルの開発・運用能力向上にですね、注力しているものと考えられます。

Q:もう一点、Jアラートの実施の有無とその理由について教えてください。

A:弾道ミサイルが我が国領域に落下する可能性、または上空を通過する可能性がある場合にはですね、Jアラートが送信されることになっておるわけでありますが、今回の事案においてはですね、こうした可能性がなかったことからですね、Jアラートの発出はありませんでした。一方で、防衛省から必要なお知らせを行うとともにですね、国交省、海上保安庁、水産庁からはですね、航空機、船舶、漁船等に対する警報等を行うなど、安全確保の観点から必要な情報提供が適切になされていたものと承知をしております。

Q:昨年末の安保3文書の改定後、初めてのICBMの発射となりましたけれども、反撃能力の保有などに対しての北朝鮮は何か挑発というような意図というのはあるとお考えでしょうか。

A:今、先ほど申し上げたとおり、北朝鮮の意図についてはですね、なかなかこれは判断しきれないものがあるわけでありますので、その点については今ここで、お話することはなかなか難しいというふうに思います。

以上