防衛大臣記者会見

日時
令和4年12月20日(火)11:36~12:12
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし

2 質疑応答

Q:先週16日、「国家安全保障戦略」など安全保障関連の3文書が閣議決定されました。大臣の受け止めと、今後どのように防衛力強化を進めていく考えか、お考えをお聞かせください。

A:平成25年に我が国初の国家安全保障戦略が策定されてから約9年が経過をしたところであります。この間、我が国を取り巻く安全保障環境は一段と厳しさを増し、新たな危機の時代に突入していると言えます。私としては、こうした厳しい安全保障環境に対応していくために必要な防衛力の抜本的強化を実現し、真に国民を守り抜ける体制を作り上げる、戦後の防衛政策の大きな転換点となる戦略文書ができたと考えております。他方、防衛省・自衛隊の取組は、戦略文書を策定して終わりではなく、スタートラインに立ったところであります。自衛隊が国民を守る最後の砦としての責務を完遂できるよう、そして、国民の期待と信頼にしっかり応えられるよう、防衛力の抜本的強化を必ず実現していくとの決意をもって、取り組んでいく必要があると考えておるところであります。

Q:今般閣議決定された3文書では、同盟国である米国との協力を一層強化していくことが盛り込まれています。具体的にはどのような協力関係を構築していくお考えでしょうか。

A:戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、日米同盟は、引き続き我が国の安全保障政策の基軸であります。国家防衛戦略においてはですね、日米共同の抑止力・対処力を強化するため、我が国の防衛力の抜本的強化を踏まえた日米の役割・任務・能力に関する議論をより深化させることとしております。これに加え、日米間の調整機能の更なる強化、日米共同の実効的な対処を支えるための情報共有・情報保全及びサイバーセキュリティに係る取組や装備・技術協力の一層の強化、在日米軍の駐留を安定的に支えるための各種施策といった様々な取組を推進していくこととしているところであります。防衛省としては、我が国自身の防衛力を抜本的に強化するとともに、日米間で幅広く議論しながら、こうした様々な分野における日米防衛協力を一層拡大・深化させ、同盟の抑止力・対処力を更に強化してまいりたいと考えているところであります。

Q:この新しい国家安全保障戦略で、有事の際のですね住民の避難について、武力攻撃より十分先立ってですね、「南西地域を含む住民の迅速な避難を実現すべく円滑な避難に関する計画の速やかな策定を行う」などとしています。ところがですね、国民の安心・安全につながるこうした避難の重要な部分でですね、具体的な方法など突っ込んだ内容が明記されていない様子です。有事の際にですね、住民の避難を自衛隊が行うことは、非常に危険が伴うとも承知しておりますけども、有事の際の国民保護、国民避難の活動に自衛隊は今後どのように関与していくべきなのか、大臣のお考えをお聞かせください。

A:防衛省・自衛隊としては、武力攻撃事態等においては、国民保護措置として、警察、消防、海上保安庁等々、様々な関係省庁とも連携をしつつ、被害状況の確認、人命救助、住民避難の指示等の措置をしっかりと実施していく必要があると考えております。そのため、国民保護に対応するための部隊等の整備の具体的な内容については今後検討していくことになりますが、陸上自衛隊においては、第15旅団を強化し、南西方面の防衛体制を強化するとともに、国民保護の実効性向上を図ることとしております。また、民間船舶・航空機の利用や自衛隊の各種輸送アセットの利用、予備自衛官の活用などについても検討し、国民保護の実効性を高める取組を実施してまいりたいというふうに考えております。

Q:反撃能力についてお伺いします。浜田大臣、これまで反撃能力を保有するメリットを国会などでも強調されていましたが、反撃能力を保有することで生じ得るデメリット、リスクについてのお考えをお聞かせください。全くデメリットは生じないと考えるのか、安全保障のジレンマや、相手が脅威と感じるような抑止力はたり得るか、また日本が放つミサイルの誤射の可能性などをどう考えるか、見解をお願いします。

A:反撃能力は、我が国への武力攻撃を抑止するためのものであります。すなわち、相手からミサイルによる攻撃がなされた場合に、ミサイル防衛網により飛来するミサイルを防ぎつつ、我が国から有効な反撃を加える能力を保有する、この2つの能力により、現状に比して、相手国の戦略・戦術的な計算を複雑化させ、日本にミサイルを撃ち込もうとしている相手に、目的を達成することは容易ではない、攻撃はやめた方がいいと思わせる、そのような抑止効果を得られるものと考えております。その上で、いわゆる安全保障のジレンマへの懸念については、諸外国に対して、防衛政策の具体的な考え方を明確にするなど、自国の安全保障政策の透明性を確保することを通じて、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。また、自衛隊が運用するあらゆる装備品について、誤射等が発生しないよう万全を期していくことは当然のことであります。これは反撃能力であるか否かに関わらず同様であると考えております。

Q:関連なんですけども、反撃能力に関して、防衛力整備計画で盛り込まれた、スタンド・オフ・ミサイル弾種のうち、相手国領域の対地攻撃を想定したものはどれが該当するか教えてください。また、標的となる相手の軍事拠点に届くまでに、日本が発射したミサイルが、迎撃されずに打撃を確実に与えられる性能を持つかどうか、どう検討したのか、その実効性について、政府や省内でどのように検討したのか教えてください。

A:今般の防衛力強化の検討に当たっては、相手の能力や新しい戦い方を踏まえた現実的なシミュレーションを含め、我が国の防衛力の実効性について検討を重ねてまいりました。反撃能力についても、ミサイル防衛の実効性とともに検討し、相手からミサイルによる攻撃がなされた場合に、ミサイル防衛網により飛来するミサイルを防ぎつつ、我が国から有効な反撃を加える能力を保有することとしました。この2つの能力により、現在に比して、相手国の戦略的・戦術的な計算を複雑化させ、日本にミサイルを撃ち込もうとしている相手に、目的を達成することは容易ではない、攻撃はやめた方がいいと思わせる、そのような抑止効果を得られるものと考えております。その上で、反撃能力の行使に当たっては、スタンド・オフ防衛能力等を活用することとしておりますが、具体的に使用する装備品については、実際に発生した武力攻撃の規模、態様等に即して判断されるべきものであり、あらかじめお答えすることが困難であり、また、装備品の性能の細部についても、我が方の手の内を明らかにするおそれがあることから、お答えできないことを御理解いただきたいと思います。

Q:反撃能力について、潜在的な敵対国、行使が想定される対象がある国をある程度絞らないと日本が保有すべき長射程のミサイルの射程の、例えば5,500km以上の射程が必要になると論理的には考えられますが、その射程も性能もそれぞれ違ったスタンド・オフ・ミサイルの弾種の導入を盛り込んだこの防衛力整備計画を作成するに当たって、反撃能力の行使を想定する対象国、相手を選定したのかどうか、それらは国家安保戦略で、安全保障上の懸念として名指ししている中国、北朝鮮、ロシア、この3カ国が対象なのか、それとも全く対象国を想定せずに防衛計画を作ったのか、教えてください。

A:新たな国家防衛戦略では、東西南北、それぞれ約3,000km に及ぶ我が国領域を守り抜くため、島嶼部を含む我が国に侵攻してくる艦艇や上陸部隊等に対して脅威圏の外から対処するスタンド・オフ防衛能力を抜本的に強化するとしております。具体的には、我が国への侵攻がどの地域で生起しても、我が国の様々な地点から、重層的にこれらの艦艇や上陸部隊等を阻止・排除できる必要かつ十分な能力を保有、各種プラットフォームから発射でき、また、高速滑空飛翔や極超音速飛翔といった多様かつ迎撃困難な能力を強化することとしております。今般、スタンド・オフ防衛能力を、反撃能力に活用することとしたところではありますが、その整備方針自体は、今、申し上げた観点から策定しているところであります。また、反撃能力を含め、特定国や地域を念頭に置いたものではありません。

Q:16日に閣議決定された3文書に関連してお伺いします。沖縄をはじめ南西諸島での自衛隊の体制が大きく変わることが示され、日頃、自衛隊の活動に協力的な先島の首長や議会からも困惑や説明を求める声が上がっております。地元の理解がない段階では3文書に掲げた計画であっても実行に移すべきではないと考えますが、大臣の御認識を教えてください。また、これだけ地域への影響が大きい記載を盛り込むのであれば、決定前に地元への説明をしておくべきだったのではないでしょうか。

A:南西地域の防衛体制の強化は喫緊の課題であります。力による現状変更を許容しないとの我が国の意思を示し、島嶼部を含む南西地域への攻撃に対する抑止力・対処力を高めることで、我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、沖縄県民ひいては我が国国民の安全・安心につながるものであります。防衛省としては、厳しい安全保障環境や3文書の考え方について、地元自治体にも丁寧に説明しながら、地元の皆様からの御理解・御協力を頂けるよう引き続き丁寧な対応に努めてまいりたいと考えているとこであります。

Q:理解が得られない段階では、実行に移さないという理解でよろしいでしょうか。

A:我々とすれば、しっかりとですね、説明すること、まずそれが第一だというふうに考えておりますので、我々とすれば、その努力を今後も引き続きしていきたいというふうに思っているところであります。

Q:事前に説明があってもよかったんじゃないかという指摘についてはいかがでしょうか。

A:我々とすれば必要なこの安全保障戦略を自分たちでこの国を守るために最善の方法を考えて、この戦略を作り上げたということでありますんで、我々の考え方として、戦略を示したわけでありますので、あとは御地元の方々にしっかりと説明し、御理解を得られるように努力してまいりたいというふうに思います。

Q:先程、国民保護について、実効性を高めるとおっしゃっていたことに関して関連でお伺いしたいんですけども、自衛隊としての主たる任務である武力攻撃の排除に支障のない範囲で国民保護措置を実施することになってると思うんですけども、実効性高めるに当たって、この辺りの規定を見直す可能性はあるんでしょうか。

A:それらも含めてこれから検討していくことになろうかと思います。いずれにしても、我々の思いというのは、どれだけ国民の皆様方に安心・安全を届けられるかということが大変重要だというふうに考えておりますので、あらゆる部分において検討を進めてまいりたいというふうに考えます。

Q:法規制に関してお伺いします。3文書を読む限りでは、自衛隊を縛る法規制、これ軍隊としては異常な規制が自衛隊に課せられていることも多いかと思うんですけども、それに対して全く言及がないように思います。特に問題なのは、現場が軍用に向かない周波数帯を自衛隊は使わされているということです。東日本大震災でもそれが理由で無線が通じなかったということが多々あったわけですね。しかも、無人機に関しても、5ギガヘルツの周波数帯が通じなくて2.4ギガしか使えない。ですから今、自衛隊が使っているスキャンイーグルも、本来5ギガのものを2.4に落として日本仕様にして使っていまして、それが落ちるという話も伺っております。こういう自衛隊を縛る法規制、また火薬法なんかもそうなんでしょうけども、その縛りを何とかしようという取組はまったく感じられないんですけども、大臣、これ問題だとはお考えになりませんでしょうか。

A:今の御指摘については、今手元に色々と資料もないわけでありますが、その点についてはまた、現場の方にですね、聞いていただきたいというふうに思いますが、我々とすれば、持っておる法律というものをですね、やはり常にいつも意識の中に入れつつ、活動しているわけでありますので、今後どういったことが、これが改正する方がいいのかそうでないのかも含めてですね、どこかで検証する場は作らなければならないのかなというふうには思いますけども、今現時点でそのようなことは考えておりませんので、今後も注意深く見守っていきたいというふうに考えております。

Q:過去何代も防衛大臣にこの質問をしてますし、現場の人たちも聞いてますけども、むしろこれは政治の方の判断の問題ではないかという気がいたします。それにプラスして、イージス艦に関して言うと、電波法の問題で50海里外洋に出ないと、イージスのレーダーを使用できない、つまり、50海里以内とかで停泊している時に攻撃された場合、攻撃を許容するのか、もしくは違法を承知でミサイルを撃たせるのか、これどうなんでしょう。

A:それはちょっと今、私がここでお答えすることが困難でありますので、また改めてということにしていただけばというふうに思います。

Q:中国海軍の動向についてお尋ねいたします。16日以降ですね、空母「遼寧」の沖宮間の通過や戦闘機の発着艦、昨日、測量艦の領海侵入など、動きが活発化していますが、大臣として航行の目的や意図をどのように分析されていますでしょうか。

A:今般の中国海軍艦艇等の活動の意図や目的について、確たることはお答えできないということを御理解いただきたいと思います。その上で申し上げれば、近年、中国による我が国周辺における軍事活動は、益々拡大・活発化の傾向にあり、今般の中国空母「遼寧」等の活動やシュパン級測量艦の領海内航行についても、その一環とみられます。特に、空母「遼寧」については、本年5月にも、太平洋において300回を超える艦載戦闘機・艦載ヘリの発着艦を行っていることを確認しており、今回も、同様の活動を通じて、空母等の運用能力の向上や、より遠方の海空域における作戦遂行能力の向上を企図している可能性が考えられます。こうした点を踏まえて、防衛省・自衛隊としては、引き続き高い緊張感を持って警戒監視などの対応に万全を期していきたいと考えております。

Q:質問戻るんですけれども、安保3文書の関連で、先ほど浜田大臣の会見の中でもございましたけれども、岸田総理も会見で極めて現実的なシミュレーションを行った結果、自衛隊の現在の能力についても率直に言って十分ではないというふうに総理も説明をしています。御紹介可能な範囲でですね、これどのようなシミュレーションを行われたのか、いわゆるウォーゲームのようなものなのか、また、あのどういった点が不十分だったのかというのを御説明いただけますでしょうか。

A:詳細についてはですね、私の方から御説明することは控えさせていただきたいと思います。このシミュレーション等については、我々とすれば、あらゆる場面を想定しながら、シミュレーションをしておるわけでございますけれども、今、この時点でそのシミュレーションについて、私の方からコメントするのは控えさせていただきたいと思います。

Q:反撃能力に関して、何点か改めて確認をしておきたいんですけれども、まず、行使できるタイミングについてお伺いいたします。防衛省から定義だというふうに説明を受けたところでは、「我が国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合」というふうにしておりますけれども、これは従来の御説明どおり、武力攻撃が発生した時点での相手の着手の時点を指すのか、それとも、その前の文書にあるように、相手からの更なる武力攻撃を防ぐためにという意味では、1発目を受けるということを想定しているのか、大臣のお考えをお願いします。

A:一般論として申し上げれば、政府は従来から、我が国に対する武力攻撃が発生した場合とは、攻撃のおそれがあるにとどまるときではなく、また我が国が現実に被害を受けたときでもなく、他国で我が国に対して武力攻撃に着手したときであると解してきております。反撃能力の保有後も、この考え方に変更はございません。いずれにせよ、反撃能力の行使は、武力の行使の三要件を満たして初めて行使され、武力攻撃が発生していない段階でも自ら先に攻撃する先制攻撃は許されないということはいうまでもありません。また、従来から一貫して説明しているとおり、他国が我が国に対して武力攻撃に着手したときが、武力攻撃が発生したときである以上、現実に被害を受けることを待たず、我が国が自衛権を行使し得るものであります。これは反撃能力であるか否かにかかわらず同様でございます。

Q:関連でですね、対象範囲なんですけれども、元々の1956年から踏襲してきている政府見解では、誘導弾等の基地をたたくことは、自衛の範囲に含まれ可能であるというふうにしておりましたけれども、今回の定義では、「相手の領域」とだけ記しております。これは攻撃対象が拡大しているということなのか、考え方は変わっていないということなのか、お願いします。

A:まず、国家防衛戦略において「相手の領域」と記載しているのは、弾道ミサイル等による攻撃を防ぐためにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置としての反撃は、相手の領域において加えられるものという事実を記載したまでであります。その上で申し上げれば、1956年の政府見解に言う「誘導弾等の基地」とは、必要最小限度の措置の例示の中で述べられたものであります。政府は、従来から、何が対象となり得るかについては、法理上は、誘導弾等による攻撃を防ぐのに「万やむを得ない必要最小限度の措置」か否かとの観点から、個別具体的に判断されるものと説明してきているところであります。この考え方は、反撃能力においても同様であります。その上で、どこでも攻撃してよいというものではなく、攻撃を厳格に軍事目標に対するものに限定するといった国際法の遵守を当然の前提とした上で、ミサイル攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置の対象を個別具体的な状況に照らして判断していくものであります。

Q:最後に存立危機事態での考え方についてお伺いいたします。定義のところでは、「我が国に対する」というふうにはっきり書いておりますけれども、一方で、後段の方では「新しい三要件に基づいて判断する」というふうに書いておりまして、これは、あくまで新しい三要件というものが、「我が国に対する」という表現を上回って反撃能力の行使に関しても、存立危機事態に基づく集団的自衛権で行使できるという考えでよろしいでしょうか。

A:国家防衛戦略において記載しているとおり、反撃能力については、1956年2月29日に政府見解として、憲法上、法理的には自衛の範囲に含まれ可能としたものの、これまで政策判断として保有することとしてこなかった能力に当たるものであります。この政府見解は、2015年の平和安全法制に際して示された武力行使の三要件の下で行われる自衛の措置にもそのまま当てはまるものであり、今般保有することとする能力は、この考え方の下で今申し上げた三要件を満たす場合に行使し得るものであります。その上で、3要件を満たす場合における、いかなる対応が「必要最小限度の自衛の措置」に該当するかについては、個別具体的な状況に即して判断するべきものであり、お尋ねの点については、一概にお答えすることは困難だというふうに考えております。

Q:衛生関連に関してお尋ねします。防衛力整備計画では、かなりの字数に関して衛生に書かれておるんですけど、あまり具体的なところが書かれてないかと思います。現実的には今、医官が部隊では2割強しかいない、護衛艦とか潜水艦とか本来定数に入っている医官が乗っていない、かなり極端に医官が不足をしている。これ看護官も不足してるかと思うんですけども、こういう医療関係の人材をどう確保していくのかということが、大臣どうお考えでしょうか。これがまず第1点。第2点が、防衛医大の能力の低下が今、著しいんではないかと。防衛医大の教授には、ポスドク程度の、つまり専門知識、経験なく論文もほとんど書いていない人を今、教授にしようだとか、あと自分のところでやっている人工血液の研究やってますと言ってるんですけども、これ実はよその大学が研究して、防衛医大、単に動物実験しかやっていない。こういうものを自分のところの手柄のように言っていたりするんですけれども、こういう形で非常に今の自衛隊の衛生、かなりこう能力が、諸外国の衛生に比べて低いんではないか、また、質もそうですけども、さっきお話したように数も足りない、これを具体的にどう防衛省としては、是正していくおつもりでしょうか。

A:今、御指摘の点についてはですね、確かに我々現状としてそのような状況もあることは、承知をしているところであります。今後、この衛生というものに対する検討というのを我々早急にやらなければならないというふうにも考えておりますので、今、御指摘いただいた点についてもですね、しっかりと対応できるように、今現在、検討中ということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。

Q:関連してもう一つすみません。今、かなり戦場から迅速に負傷者を移送するという話が書かれているかと思うんですけども、諸外国では、メディカルというのはヘリコプター、医療用のヘリコプターというのが入れた方がいいと思うんですけども、こういったものを導入する、あるいは拡充していくというようなお考えはございますでしょうか。

A:今、御指摘された点についても今後の検討だというふうに考えておりますんで、当然その衛生、考えた時には、自衛隊の特殊性というのもあると思いますので、そういったことも全て含めてですね、検討させていただければというふうに思っています。

Q:先ほどの南西地域の防衛体制強化の絡みなんですけども、第15旅団の師団化についても明記されているかと。改めてその必要性についてですね、大臣どのようにお考えになっているかお伺いします。

A: 国際社会は、戦後最大の試練の時を迎え、既存の秩序はですね、深刻な挑戦を受け、新たな危機の時代に突入しています。インド太平洋地域において、国際秩序の根幹を揺るがしかねない深刻な事態が発生する可能性があり、我が国はこうした動きの最前線に位置しておるわけであります。この厳しい現実を踏まえれば、南西地域の防衛体制の強化は喫緊の課題であると考えます。第15旅団の師団への改編に当たっては、現在の1個普通科連隊を2個普通科連隊に増強すること等を検討しておりますが、これに より、事態生起時における対処や国民保護の実効性の向上が図られると考えております。このような部隊配備等は、力による現状変更を許容しないとの我が国の意思を示し、島嶼部を含む南西地域への攻撃に対する抑止力・対処力を高めることで、我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、沖縄県民ひいては我が国国民の安心・安全につながるものであると考えます。防衛省としては、厳しい安全保障環境や3文書の考え方について、地元自治体にも丁寧に説明しながら、地元の皆様からの御理解・御協力をいただけるように引き続き丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。

Q:12月6日の大臣会見で、弊社から次のような質問をしました。「自衛隊が反撃能力を持ち、米軍と一体となって統合防空ミサイル防衛、IAMDの構築を進めれば、米軍の指示で即座に自衛隊が、敵のミサイル基地を一方的に攻撃するケースも考えられます。その場合、日本自体が敵の報復対象に入ってくることとなることになりますが、これは日本の主権の放棄ではないでしょうか。」 この質問に対し、浜田大臣から「現在検討中であり、現時点で具体的な内容などをお答えできる段階にございません。」と答弁いただきました。統合防空ミサイル防衛は、統合司令部と合わせて16日に閣議決定された国家防衛戦略に明記されました。改めて、米軍の指揮系統下に自衛隊が組み込まれるのは、日本の主権の放棄ではないのかについてお考えをお聞かせください。また、国家主権を譲り渡すような事項を、閣議決定だけで決めることが許されていいのでしょうか。日本が、米国の指揮どおりに発射ボタンを押したミサイルのその責任と、敵国からの報復攻撃は米国本土に向かうのではなく、日本に向かうことになるのではないかと考えます。そうした米国の代理戦争の駒として日本が使われることも受け入れるのでしょうか。その点も大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

A:前回もお答えしたとおりでありますけれども、 我々とすれば常にこの日本が主体的に判断をして、あらゆる行動をしていくためにも、今回の3文書等々我々は作らせていただいたわけでありますので、あくまでも我が国にとって、何が重要で、どのように対処したらいいかということを明確にするための、この3文書を今回、皆様方に御提示したわけでありますので、その筋に沿って、しっかりと対応していきたいというふうに考えているところであります。

Q:弾薬庫に関することでお尋ねします。3文書で弾薬庫を増やすというようなことを書かれているんですけども、陸上自衛隊ではですね、74式戦車用の粘着りゅう弾であるとか退役した203mmりゅう弾、107mm、106mmの無反動砲の砲弾など、大量に残っていると思うんですけども、これ、どのくらいの弾薬庫のスペースを占めているんでしょうか。

A:すみません。今、手元に資料がございませんし、できれば現業の方に聞いていただければというふうに思います。

Q:関連してなのですけども、これ大量にあるということは取材で分かってはいるんですけども、それに対する廃棄をする予算を過去つけてこなかったということと、処理をできる業者が日本に2社しかいないということなんですけども、例えば処理をするとして、海外にやるとか、予算を増やすとかというようなことなんかは今後、あり得るんでしょうか。

A:それも私の方からお答えするのが適当かどうか分かりませんけども、しっかりとその辺についてもですね、検討して今後考えていかなければならない問題であるというふうに認識はしております。

Q:統合防空ミサイル防衛能力に関連するんですけども、国家防衛戦略の中にでも、反撃能力に関して、米国との関連で情報収集を含めて日米共同でその能力をより効果的に発揮する協力体制を構築するという一文が入っております。これからの議論になってくると思いますけども大臣として、反撃能力に関して日米でどういうふうにこれから議論を進めていって、どういうふうな共同運用体制を作りたいのか、御見解をお願いします。

A:反撃能力に関する日米の防衛協力の詳細はですね、今後、日米間で議論していくこととなると思っておりますが、弾道ミサイル等の対処と同様に日米が協力して対処する考えでおります。なお、御指摘の共同計画について、その策定状況や具体的な内容の詳細についてはですね、緊急事態における日米両国の対応に関わるものであることから、事柄の性質上お答えできないことを御理解いただければと思います。

下線部:大臣発言中、指示(誤)を支援(正)に修正

以上