防衛大臣記者会見

日時
令和4年12月16日(金)13:56~14:08
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし

2 質疑応答

Q:元陸上自衛官のセクハラ事案に関し、昨日、懲戒処分が公表されました。大臣の受け止めと、ハラスメント再発防止に向けた決意をお聞かせください。

A:元自衛官に対する、性暴力を含むセクシュアル・ハラスメントについては、昨日、陸上自衛隊において懲戒処分を実施し、その結果を公表いたしました。本事案は、従来行ってきた、防衛省のハラスメント防止対策の効果が、組織全体まで行き届いていなかったことの表れであり、極めて深刻で、誠に遺憾であります。ハラスメントは、隊員相互の信頼関係を失墜させ、自衛隊の精強性を揺るがす決してあってはならないものであるとの認識の下、特別防衛監察を着実に実施するとともに、昨日、第1回目の開催をした、有識者会議における検討結果を踏まえて抜本的な対策を確立し、なお一層しっかりと防止対策に取り組んでまいりたいと考えております。

Q:関連しましてですね、昨日、特別防衛監察の中間発表というのがありまして、パワハラ・セクハラなどについての被害申告が、1,414件寄せられたということですが、これに対しての大臣の受け止めをお願いします。

A:ハラスメント根絶のためにはですね、徹底した調査を行うことが不可欠であるとの考えの下、防衛監察本部において、全自衛隊を対象とした特別防衛監察を実施し、ハラスメント被害の申出を依頼した結果、今、お話にありましたように、11月末までに合計1,414件の申出があったところであります。ハラスメント被害の申出件数の中には、調査を求めないものや、申出者と連絡がとれないものなども含まれているため、件数のみで評価はできませんが、これまでの申出があったことについては、現在、防衛省・自衛隊のハラスメント被害の実態を反映しているものであると重く受け止めております。引き続き、申出のあった被害状況等を確認するとともに、徹底的なハラスメントの実態把握と事実究明に努めてまいりたいと考えております。

Q:陸上自衛隊の装備に関してお尋ねします。空自・海自は別なんですけど、陸自だけですね、装備を入れる時に定数しか入れてない。例えば、その部隊で100両必要だったら100両しか装備入れないわけです。そうしますと、特に航空機の場合ですと、IRAN(アイラン)という定期整備ありますよね。そうしますと、その間、当然ながら100機の飛行機があるなかで、IRAN(アイラン)になっちゃうと、当然なくなるわけですから、構造的に稼働率が低くなるわけです。こういうことを説明しないで、単に金がないから稼働率が上がらないんだみたいな話をされると、納税者が実際のところ理解できないんじゃないですか。それからまた、実戦になった場合に、かなり数が足りない形で、部隊が戦わなきゃいけないということになるかと思うんですけれども、その辺、どうお考えでしょうか。

A:今、この場でですね、お話しする資料、私自身も持っておりませんので、また、現場の方からですね、御説明させていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

Q:防衛装備移転三原則について伺います。現在の国家安全保障戦略の下で作られた現行の防衛装備移転三原則について、実際に運用する中で見えてきた課題や教訓があるとすればどのようなことがあるとお考えか、大臣の考えをお願いいたします。

A:防衛装備移転は、インド太平洋地域の平和と安定を確保し、望ましい安全保障環境を創出するための重要な政策ツールであり、また、防衛力そのものである防衛産業の基盤の維持・強化にも効果的であると認識しております。他方、これまで、防衛装備移転三原則の下で、政府一体となって推進してきたところでありますが、完成した防衛装備品の移転としては、フィリピンへの警戒管制レーダーの移転1件にとどまっております。御指摘の防衛装備移転三原則等の制度も含め、防衛装備移転推進に関する検討の具体的な内容について、現時点でお答えすることはできませんことを御理解いただきたいと思いますが、防衛省としては、与党との調整を丁寧に進めながら、関係省庁とともにしっかりと検討してまいりたいと考えております。

Q:石垣島での駐屯地整備に関して、地元の市民団体や沖縄県選出の国会議員から、改めて住民説明会を開くようにという要望する声が上がっているんですけれども、その説明会に関する検討状況を教えてください。

A:石垣島への陸自部隊配備については、これまで地元住民の方々等を対象として、7回に渡って説明会を実施してきております。また、沖縄県や石垣市、石垣市民からの御質問や、様々な御要請など、機会のあるごとに丁寧に御説明させていただいております。現時点において、説明会を開催する予定はありませんけれども、引き続き、石垣市などとも調整しつつ、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えます。

Q:先日、採用が決まった次期装輪装甲車に関してお尋ねします。PatriaのAMVに採用が決まったわけですが、先日のレクチャーにおいてですね、ライセンス生産するパートナーの日本企業がまだ決まっていないと、Patriaが決めるんだというふうにおっしゃっていたんですが、予算もうすぐ出ますし、それから執行になるのは4月、もう間際なんですけれども、この時点で生産者が決まっていない、それで、何でその生産のコストであるとか、兵站上問題がないとか、そういうことを言えるのか全く不思議なんですけれども、大臣、これはおかしいと思われませんか。

A:現場でいろいろと、判断しているものと思いますけれども、今、御指摘の点についても、また、現場の方でですね、丁寧に説明させたいと思いますんで、よろしくお願いします。

Q:丁寧に説明されていないから、こうして大臣に伺うしかないんですけれども、そのAMVを採用したに関しても、そのAPC型、兵員輸送車型を調達すると。それ以外のものはあるんですかと質問したら、いやそれ以外にも、いろんなバリエーションを調達しますと、数も分かりませんと、普通、防衛装備って他の国では、どういうバリエーション作って、それぞれ何台作って、いつまでに装備化するんだと、総額いくらだという話をされるわけですね。ところが、一つのバリエーションの初年度の予算だけ出して、これで認めてくださいっていうのは、これ文民統制上、問題あると思いませんか。丁寧な説明になっていると思われますか。

A:その点についてもですね、私の方でまた受け止めさせていただいて、しっかり説明させるようにいたします。

Q:偵察航空隊が発足しましたが、使用機材がこれグローバルホークのブロック30で、米軍は既に廃止をすると。米空軍は、更に先のブロック40もこれ廃止する方向だというふうになっているんですけれども、これ果たして日本で必要なんでしょうか。以前、河野大臣に「これどういうふうに運用するんですか」とお尋ねしたら、「いや、運用のことは答えられません。」とおっしゃってたんですが、基本的にグローバルホーク、陸上の上をサーベランスするものですから、海上のサーベランスには向いてないわけですね。ですから、オーストラリアもトライトン型というタイプを導入したんですけれども、これ本当に必要なんですかね。

A:当然のごとく、今まで必要としてですね、検討してきたわけでありますが、今後の対応についても、これまだはっきりと決めていないと思いますので、それも含めて私の方で、確認をさせていただきたいと思います。

Q:現在、いわゆる3文書がもう策定されていると思うんですけれども、自民党の中では、借金して、国債で軍拡をしろという声が非常に強いかと思うんですけれども、以前、冷戦時代にですね、アメリカが軍拡競争をソ連に仕掛けて、それにソ連が乗ってしまって、無碍な軍拡をして、結果ソ連が崩壊したというふうな歴史的事実があるんですけれども、これを皆さん、自民党の中であんまり共有されていないんでしょうかね。それからあと、戦時になった場合、ぜい弱な財政状態で、例えば、採用して、例えば諸外国からミサイルなり航空機を買うということはできるんでしょうか。

A:今、お話しになった件、いろいろな議論があることは私も承知をしておりますし、また、今、御指摘のいただいた点も含めてですね、我々とすれば、いろんな意見を聞いて、その中で間違いのない選択をしていくことが重要だと思っておりますので、今の御指摘に関してはですね、私の方で受け止めさせていただきたいと思います。

Q:もう一つだけ最後に。いろいろその国債ではいかんという話で、いろいろたばこ税であるとか、法人税であるとか、増税を今、検討されているというふうに伺っておりますけれども、不思議なんですけれど、何故、ふるさと納税をやめようという話は出ないんでしょうかね。ふるさと納税で昨年度、大体4,000億円くらい返礼品とか、事務費で消えている。つまり、税金がそのまま漏れていて、今年は多分5,000億円くらいかと思うんですけれども、これを防衛費に転用しようというような、そういうまあ、お金に色ついてませんから、実際のシステムはよく分かりませんけれども、そういう発想というのは、議論は出てないものなんでしょうか。

A:今までの議論についてはですね、そういうお話は出てきておりませんし、また私の立場でですね、財源についてですね、発言するのは控えさせていただきたいと思いますので、その今、おっしゃったお話は、自民党の議論の中では出ていないというふうに思います。

以上