防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年11月18日(金)12:20~12:30
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の浜田防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は、本日10時14分頃、北朝鮮の平壌近郊から、1発のICBM級弾道ミサイルを、東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中でありますが、発射された弾道ミサイルは約69分飛翔し、11時23分頃、北海道の渡島大島の西方約200kmの日本海、わが国の排他的経済水域内に落下したものと推定されます。飛翔距離は約1,000km、また最高高度は約6,000km程度と推定されます。今回の発射について、防衛省から、政府内及び関係機関に対し、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶から被害報告等の情報は確認されておりません。北朝鮮は今年に入ってから、かつてない高い頻度でのミサイル発射を繰り返し、朝鮮半島、そして地域の緊張を著しく高めています。今回発射されたICBM級弾道ミサイルは、今回の飛翔軌道に基づいて計算すると、弾頭重量等によっては、15,000kmを超える射程となり得ると見られ、その場合、米国本土が射程に含まれることになります。国際社会全体への挑発をエスカレートさせる暴挙であり、こうした一連の行動は、わが国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすもので、断じて容認できるものではありません。関連する安保理決議に違反するものでもあり、わが国として、北朝鮮に対し、北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議、強く非難しました。本件について、総理には直ちに報告を行い、国民への迅速・的確な情報提供等の指示がありました。これを受け、私からも指示を出し、関連情報の収集と分析に努め、緊張感をもって警戒監視等の対応に万全を期しているところであります。引き続き米国・韓国等の関係国と緊密に連携して対応していくとともに、わが国の防衛力の抜本的強化について、いわゆる反撃能力も含めあらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を加速してまいりたいと考えているところであります。

2 質疑応答

Q:こうした長距離のですねICBM、長時間、1時間を超える飛行のICBMの発射は今年の3月24日以来かと思われますけども、こうした発射が再び行われたことの受け止めと、あと、このミサイルが火星17であるか、そのあたりの分析について教えてください。

A:今回発射された弾道ミサイルの最高飛翔高度が、2017年の11月のICBM級弾道ミサイル、火星15型の発射時の最高飛翔高度4,000km超を大きく超え、今年3月のICBM級弾道ミサイルの発射時の飛翔高度6,000km超に匹敵する高度であったことを踏まえれば、今回発射されたものは、ICBM級弾道ミサイルであると考えられますが、これ以上の詳細については、引き続き分析中であります。

Q:飛翔距離なんですけども、弾頭によっては15,000kmということでしたけども、米国本土というのは米国の東海岸を含めた全域にも入り得るというそういうご認識でしょうか。

A:今、米国全土というふうにご説明しましたので、その範囲内だというふうに思っております。

Q:北海道渡島沖200kmということですけども、付近に漁船などいたと思うんですが、どのように警戒情報を出していったのか、あと、Jアラートを出さなかった理由についてもお願いします。

A:これは海上保安庁からの情報、連絡等々が動いていると思っております。そしてJアラートに関しては、わが国本土を基本に考えておりますので、海上の場合にはそのJアラートを出さないということで、我々とするとその発射時点から、計算して大体この辺ということを常に考えておりますので、そういう意味では海上についてはですね、海上保安庁等が連絡をしている可能性があるということであります。

Q:警戒情報というのは適切に出されたというふうにお考えでしょうか。

A:それも今含めてですね、私の方でというよりは、もう1回確認をさせていただきたいというふうに思います。

Q:先ほど飛翔時間69分ということでしたけども、これ3月に発射している71分に次いで2番目の飛翔時間、過去2番目という理解でよろしいでしょうか。

A:今年の3月のICBM級弾道ミサイル発射時の飛翔高度6,000km超に匹敵するということでありますので、高さ的には同じくらい飛んでいる、上がっているということですね。飛翔時間は2番目だそうでございます。

Q:日米韓の首脳会談についてですね、昨日の北朝鮮側のチェ外相が非難する談話を出していたりしますけども、そうしたことへの関連性であったり、今月に入ってICBMの可能性があるものは2発目ということですけども、ICBM級が繰り返されていることについての受け止めをお願いします。

A:北朝鮮の方からのいわゆるこういった弾道ミサイル発射の意図についてはですね、我が方から断定的にお答えすることは困難でありますし、中国との関係ということになりますと、これまたようやく総理とですね、習首席が会ってですね、お話をしたということでありますので、まだ細かなことに関してはですね、またこれからのいろいろな場面での議論ということになるというふうに思います。

Q:9月から発射繰り返されていますけども、対応がエスカレートしている中で、核実験の可能性というのは、今どういうご見解なのかお願いします。

A:以前から申し上げているように、その可能性がないとは言えない状態にありますので、我々とすれば今そういったものも含めて注視していくということだというふうに思っています。

Q:今回のICBMの発射でそれが近づいたとかという認識はないでしょうか。

A:これはそこだけではですね、我々としては判断できないと思いますのでいずれにしても注視していきたいというふうに思っております。

Q:今回のミサイルは、確認ですが、ロフテッド軌道でいいのかというところと、発射確認されているのは1発だけでいいのかというところを確認させてください。

A:ロフテッド軌道であるのかと言われれば、これ6,000km上がっているわけでありますので、これはロフテッド軌道だというふうに考えています。

Q:今、確認されているのは、1発のみということでよろしいでしょうか。今日発射されているミサイルの発数なんですけれども、1発のみということで。

A:ICBM級は1発ということです。

Q:それ以外にも短いものも撃たれているということなんでしょうか。

A:それは確認中です。

Q:2発撃たれた可能性があるということですか。

A:それも含めて今、確認中ということです。

以上