防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年11月2日(水)09:50~09:55
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の浜田防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は本日8時50分頃、北朝鮮東岸付近から、少なくとも2発の弾道ミサイルを、東及び南東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中ですが、落下したのはいずれも朝鮮半島東岸付近であり、わが国の排他的経済水域外と推定されます。また、当該弾道ミサイルは変則軌道で飛翔した可能性があり、飛翔距離等については以下のとおりと推定されますが、引き続き分析中であります。1発目が、北朝鮮東岸付近から東方向に向けて発射し、最高高度約150km程度で、約150km程度飛翔しました。2発目が、北朝鮮東岸付近から南東方向に向けて発射し、最高高度約100km程度で、約200km程度飛翔したということであります。防衛省としては、平素から、弾道ミサイル発射を含む各種事態に適時・適切に対応するため、常時継続的な情報収集及び警戒監視を行っております。今回の発射に際しても、あらゆる事態に備え、情報収集・警戒監視に全力を挙げるとともに、速やかに関係幹部会議を開催して情報の集約を行うなど、対応に万全を期していたところであります。また、今回の発射について、防衛省から、政府内及び関係機関に対し、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶から被害報告等の情報は確認されておりません。北朝鮮は、特に今年に入ってから、かつてない高い頻度で、かつ新たな態様でのミサイル発射を繰り返しております。ここ最近も立て続けに弾道ミサイルを発射しており、挑発を執拗かつ一方的にエスカレートしております。一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。関連する安保理決議に違反するものであり、わが国として、北朝鮮に対し、北京の「大使館」ルートを通じて厳重に抗議、強く非難いたしました。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとること、の3点について指示がありました。これを受け、私からは、米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すこと、について指示を出しました。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国を始めとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。こうした状況を踏まえ、いわゆる「反撃能力」も含めあらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:北朝鮮はですね、米韓合同軍事演習の中止を求めた上で、追加措置を講じるというような声明を出しているんですが、今回のミサイル発射、その追加措置の発射ということで見られるということでしょうか。

A:今回の発射についてはですね、我々のこの分析というかですね、意図というのはなかなかこれ分からないわけでありますが、この今、お話しましたように、この発射の意図についてはですね、わが方から断定的にお答えすることは困難であると考えております。どういった狙いがあるにせよ、北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射は断じて許されず、ミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできないと考えます。防衛省としては、引き続き、情報収集・分析及び警戒監視に全力を挙げてまいりたいと考えております。

Q:変則軌道である可能性なんですが、2発ともという理解でよろしいでしょうか。

A:今のところですね、まだ分析中でありますので、今確たるコメントは控えさせていただきたいと思います。

Q:韓国側では空襲警報が出ているようなんですけれども、韓国の領海へ落下したかどうか、そのあたりの情報はありますでしょうか。

A:それについては、今、落下地点については、お話したとおりであって、私どもその他の情報は確認しておりません。

Q:当該ミサイルが変則軌道の可能性があるとおっしゃったんですけれども、当該というのは、2発ともその可能性があるとみて分析を進めるということなんでしょうか。

A:両方とも分析をさせていただきたいと思います。

以上