防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年10月14日(金)03:08~03:16
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の浜田防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は本日1時47分頃、北朝鮮平壌近郊から、少なくとも1発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射いたしました。詳細については現在分析中ですが、最高高度約50km程度で、約650km程度飛翔し、落下したのは朝鮮半島東側の日本海の、わが国の排他的経済水域外と推定されます。また、当該弾道ミサイルは変則軌道で飛翔した可能性があり、引き続き分析中であります。今回の発射について防衛省から、政府内及び関係機関に対して、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されておりません。北朝鮮は特に今年に入ってから、かつてない高い頻度でかつ新たな態様でのミサイル発射を繰り返しております。ここ最近も立て続けに弾道ミサイルを発射しており、9月末からの短期間で8回目と挑発を執拗かつ一方的にエスカレートさせています。一連の北朝鮮の行動はわが国地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり断じて容認できません。関連する安保理決議を違反するものでもあり、わが国として北朝鮮に対し北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議をし、強く非難いたしました。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、2つ目、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、3つ目、不測の事態に備え、万全の態勢をとることの3点について指示がございました。これを受け、私からは1つ、米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、2つ目、不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すこと、について指示を出しました。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国・韓国をはじめとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。こうした状況を踏まえ、いわゆる「反撃能力」も含め、あらゆる選択肢を排除せず検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:2問お伺いします。1問目が以前も深夜に北朝鮮弾道ミサイル発射していますが、この意図をどう分析されてるか、2点目がですね、先日、北朝鮮から巡航ミサイルの報道もありました。防衛省として、それも含めた今年27回目なのか、それとも含まず26回目とされているのか確認させていただいてもよろしいでしょうか。

A:北朝鮮の意図について、わが方から断定的にお答えすることは困難であります。その上で申し上げれば、北朝鮮は累次にわたり米国の脅威に対抗して態勢を維持するため独自の核抑止力が必要であると主張しており、そうした観点から、核兵器の運搬手段である弾道ミサイルの開発・運用能力向上に注力しているものと考えられます。どういった狙いがあるにせよ、北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射は断じて許されず、ミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできません。防衛省としては、北朝鮮の軍事動向について、米国等とともに緊密に連携をしつつ、引き続き、情報収集・分析及び警戒監視に全力をあげてまいります。そして、今ご質問にあった件でありますけれども、今年に入って先日の巡航ミサイルを含めて27回目ということであります。

Q:少なくとも1発という表現がありましたけれども、2発以上、複数発射された可能性もあると見て分析をされているということでしょうか。

A:それも含めて、現在分析中であります。

Q:もう1点お願いします。北朝鮮がですね、発射直後に韓国の軍事行動を強くけん制するような内容の声明を発表したと報じられていますけれども、その内容について承知されているかと、あとはどういった分析をされているかお願いします。

A:今、お話しにあった報道についてはですね、確認をしております。これは、皆さんご存じだと思いますけども、これはNHKの10月14日のまさに2時36分でありますけれども、「北朝鮮の朝鮮人民軍参謀部は、国営の朝鮮中央通信を通じて14日午前2時すぎ、報道官の声明を発表し「13日前方地域で、南の軍は10時間にわたり、砲射撃を強行した。われわれは南の軍部が前線地域で強行した挑発的行動を厳重に見て、強力な軍事行動措置を講じた」として、韓国を非難した上で対抗措置として弾道ミサイルを発射したことを示唆しました。その上で声明は「わが軍隊は前線地域で軍事的緊張を誘発させる南の軍部の無分別な軍事行動に厳重な警告を送る」として、韓国を強くけん制をした」、ということであります。

Q:少なくとも1発のミサイルは、同時刻に同じ場所という可能性と考えてよろしいんでしょうか。

A:その件についても、現在調査中ということでお願いをいたします。

Q:弾種について、現状分かっていることがあればお願いします。ミサイルの種類。

A:それも、現在調査中であります。

Q:9月の末から、北朝鮮、非常に発射の頻度が上がっているだけでなくて、こうした2日連続の発射であったり、深夜の発射があったり、かなり発射の頻度も上がっているほか、多様化していると思いますけれども、大臣の率直な受け止めをお願いします。

A:今の北朝鮮の意図は全くわかりませんので、それだけ北朝鮮がこのミサイル撃っているということは、能力向上のためなのかということも推測されますが、確定的なことは申し上げられないということであります。

以上