防衛大臣記者会見

日時
令和4年10月11日(火)10:50~11:03
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし

2 質疑応答

Q:まず1点目、昨日、北朝鮮はメディアを通じ、これまでの弾道ミサイルの発射について、戦術核運用部隊の訓練と発表しました。一連の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について、弾種など新たに分かった分析状況があればお聞かせください。2点目、特に9日の未明の発射について、副大臣はSLBMの可能性に言及されましたが、韓国側はKN25と類似した短距離弾道ミサイルとの見方を示しております。大臣の見解をお聞かせください。

A:9月25日以降に発射された一連の弾道ミサイルにつきましては、地上発射型の短距離弾道ミサイルを含んでいた可能性を含めて、今回の北朝鮮の発表を含む諸情報をもとに、総合的な分析を行っているところであります。9日未明に発射された弾道ミサイルの種類については、発射直後の会見において、SLBMの可能性についてご質問いただいたところであります。副大臣からは、発射地点が東岸付近と推定されることから、発射場所が海上であった可能性を含め分析中であり、SLBMの可能性を含め分析中である旨申し上げたところですが、当該弾道ミサイルについては、その後分析を進めた結果、港湾部から発射された可能性が高く、地上発射型の短距離弾道ミサイルであった可能性を含め、引き続き分析中であります。
防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国をはじめとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。

Q:先週、危機管理産業展という見本市がビッグサイトであったんですけれども、その際、防衛省がブッシュマスター、対地雷装甲車を展示していたんですね。その際にですね、ガラスとかを全部裏から覆って内部が見えないようにしていたんですよ。ところが、これ公開情報で僕も何度も取材してますけれども、内部の写真を自由にメーカーの方でも撮らせてくれているんですよね。ていうことは、当然ながら公開情報をあたかも軍事機密のように隠すというのは、防衛省・自衛隊が何が重要な情報か認識していない、そのように見本市で宣伝しているのに等しいかと思うんですけれども、これ大臣どう思われますか。これがまず第1点と、第2点はこれが象徴的なんですけども、非常に防衛省、本来公開すべき情報をすべて隠したがるという傾向があると思うんですね。特に装備関係なんかそうなんですけれども、装備に関してほとんど納税者が知らない、それでいろんなものが決まっていく、それで今の稼働率が低いとかっていう話になっているんですけれども、もっと情報を公開しようという意図はございませんでしょうか。

A:まず1番目のご質問でありますが、私それはちょっと確認してございませんので、また、各課にですねまたご質問いただいてですね、聞いていただければと、今私手元にございませんので、申し訳ございません。そして2点目、公開についてのところ、いろんな議論があると思いますので、我々としてまたそういったご指摘があればこれに対してどのように対応するか、考えさていただきたいと思います。

Q:いろんなその隠ぺいする体質が自衛隊非常に強い、防衛省含めてそうなんですけれども、それが装備に限らず、例えばこの間の女性自衛官のセクハラ問題も非常に紛糾したと、あと過去においては陸幕の日報があるないと言って、それで大臣が辞任するまでになってしまったと、これは世間の常識が通用しない、組織自体のこう理屈に引きずられて、動いているんじゃないかという気がするんですが、大臣そういう懸念、認識ございますでしょうか。

A:いろいろなご指摘があるかと思いますけれども、私とすれば、その組織というものに対する信頼は失っておりません。そういう意味では、そのように理解をされてしまうような状況であるならば、これは当然のごとく、改善していかなければならないというふうに思っております。

Q:話題ミサイルに戻りまして、北朝鮮が今回久しぶりにミサイルの発射について報道しました。この辺り大臣としてどう評価されてるでしょうか。

A:我々とすればですね、今回、北朝鮮の意図についてはわが方から断定的にお答えすることは困難でありますが、どういった狙いであるにせよですね、北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射は断じて許すことはできません。ミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできません。防衛省としては、北朝鮮の軍事動向について米国等とも緊密に連携しつつ、引き続き情報収集・分析及び警戒監視に全力をあげてまいりたいと思います。

Q:北朝鮮のミサイルの関係で関連してお伺いします。今回、北朝鮮のメディアの報道によるとですね、かなりシナリオを立てて発射をやってたというふうに言われているんですけれども、ここで練度の向上とかがですね指摘もされていますけれども、大臣、今回の一連の発射を見てどのように感じているかということとですね、あと、年末の3文書改定に向けてですね、今、反撃能力の保有というのを検討していると思うんですけれども、北朝鮮の抑止という観点からですね、反撃能力の保有をどのように考えているかを教えてください。

A:北朝鮮の弾道ミサイル運用に係る練度などですね、個々の具体的な情報の内容については、事柄の性質上、お答えが困難であることをご理解いただきたいと思います。その上で北朝鮮は9月下旬以降の弾道ミサイル発射について各種の訓練であったと主張しているほか、また、過去複数発の同時発射を行っています。こうしたことを踏まえれば、北朝鮮が弾道ミサイルの研究開発だけではなく、実戦的な運用能力の向上を企図している可能性は考えられます。北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射は断じて許されず、ミサイル技術及び運用能力の向上は見過ごすことはできません。こうした状況を踏まえ政府としてはわが国の抑止力を高め、ミサイルなどによる攻撃の可能性を一層低下させるため、いわゆる反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的な検討を加速させていきたいと思います。

Q:話題変わりまして、先日のセクハラ案件の調査に関連してお伺いいたします。五ノ井さんに対してですね、陸幕長など謝罪の言葉をおっしゃられましたけれども、五ノ井さんご本人からは、加害者、当事者による直接の謝罪というのを求められております。大臣としてこの件に関してはどういうふうにお考えでしょうか。

A:現在、懲戒処分に向けた調査を行っているところであり、誰にどのような責任があるか予断をもってお答えすることは適当ではないと考えますが、自衛隊員に対してはですね、服務教育の一環として結節を捉え、自律心や責任感、公徳心などについて、指導を行っているところであります。我々とすれば、このことに関しての対応については今現在、本人の意向というのは重要なのかなというふうには考えております。

Q:中央病院のですね、医官が今年かなり辞めたんですけれども、眼科に関していうと4名全員が辞めてしまったという事態がこれ発生しているんですけれども、一つの科の先生がみんな辞めてしまうというのは非常に異常じゃないかと思うんですけれども、これ衛生の方に何か組織的もしくは人事的な問題があると大臣お考えになりませんでしょうか。

A:その点に関して、私が今、お答えできるものはないわけでありますが、今、調査をさせてですね、我々とすれば、それに関してのお答えはできることと思いますので、もうしばらくお時間いただければというふうに思います。

Q:関連してなんですけれども、僕取材する限りにおいては、昨年の大規模接種センターの在り方が非常に問題だったというふうに、非常に嫌気をさして辞めたというふうに聞いております。それから、それに関連してなんですけれども、よく災害派遣なり、結局今年もその大規模接種センター縮める、小さくするという話があったのに、政治家の方からもっと大きくしろと言われて、大きくなってしまったと、そういうことも原因というふうに聞いております。それから、災害派遣などもそうなんですけれども、政治家の方から、実際に必要な人員よりもっと大きいものを、大きい人員を出せと、結局自分のその地元にアピールするために、そういうことをおっしゃる政治家がいるという、これが非常にやっぱりその自衛官の心を折るというか、本来必要のない、その出動を強いられているというのは非常に苦痛であるという話も聞くんですけれども、大臣こういうご認識ございますでしょうか。

A:いずれにせよ、我々とすれば、今まだ接種会場についてもですね継続中でありますし、その結果の総括はまた改めてですね、我々としてはしていきたいというふうに思っています。そして、要請のないものに対して、どうこうという話はですね、我々とすればそれに対して対応するかどうかというのは、一応はですね、地方自治体からの意向というものが先に我々のところに来ますので、それ以上のことをどうこうするということは、参考にはすれど、それを聞いて、動くというようなことはないというふうに思っておりますので、そういう意味ではあくまでも、地方自治体からの要請というのが重要だというふうに思っております。

Q:冒頭発言の確認なんですけれども、 9日未明の発射について東岸部からの発射がその後分析した結果高いということは、裏を返せば当初SLBMの可能性も含めてと発言されたんですけれども、今はその可能性が低いとみていらっしゃるという理解でよろしいでしょうか。

A:基本的には両方とも水の中ということではなくて、要するに地上発射型の弾道ミサイルであった可能性も含めて検討しているということであって、我々とすれば、もう少し時間をかけてこれは分析が必要だというふうに考えているところであります。

Q:先ほど、セクハラ問題に関しての関連なんですけれども、よく取材をする限りにおいては、辞めたいという隊員に対して、全部自己都合で辞めろというふうに言うということがよくあると聞いています。つまり、そのセクハラで辞めますとかパワハラで辞めますと言うと、それを理由にするなと、というふうな形、じゃないとその調査が終わるまで辞めさせないぞというようなですね、そういう言い方をされることが非常に多いと、これ非常にそうすると、全部その辞めたい理由が一身上の都合になって、本当にどういう理由で辞めるのかということが防衛省の方で把握できないということになるんじゃないでしょうか。それはこういう問題は財務省の方でも指摘して資料でも問題だというふうに書いているんですけれども、防衛省の方で辞めた理由を本当にどういう理由で辞めたのか、家業を継ぐから辞めたのか、セクハラで辞めたのかということを把握するようなシステムというのをきっちり作るという意識はございますでしょうか。

A:今、ちょうど私の方で特別監察を行っている最中でもありますし、いろいろな問題点があれば、これに対処するのは当然のことでありますので、我々とすればこの監察の結果を待って総合的に判断してやっていきたいというふうに思っております。

以上