防衛大臣記者会見

日時
令和4年9月30日(金)11:03~11:16
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 〇 本日から10月2日までの間、米国を訪問し、現地時間の10月1日にオースティン米国防長官及びマールズオーストラリア防衛大臣と日米豪防衛相会談を行います。会談では、地域の安全保障環境について意見交換を行います。また、インド太平洋地域の平和と安定のために日米豪3カ国の防衛協力の強化に向けた具体的な取組について、率直な議論を行う予定です。同盟国である米国オースティン長官に加え、わが国にとって「特別な戦略的パートナー」であるオーストラリアのマールズ大臣と対面で議論し、人間関係を構築することは大変重要であると考えております。今回の会談を通じ、インド太平洋地域の平和と安定のために日米豪3カ国の防衛協力を引き続き強化することを確認してまいりたいと思っております。

 〇 次に、9月3日から昨日までの約1カ月間、中国とロシアの海軍艦艇が、北海道西方の海域で機関銃射撃を共同で実施したのち、わが国周辺で共同航行したことを確認をいたしました。このような中露両国による共同航行は、極めて異例のものであります。これは、わが国に対する示威活動を明確に意図したものであり、わが国の安全保障上、重大な懸念と考えております。さらには、北朝鮮が、今週だけで3度にわたり弾道ミサイルを発射するなど、厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、引き続き厳重な警戒監視等を実施し、わが国防衛に万全を期してまいります。その上で、本日、日米韓の艦艇による3カ国共同訓練を実施し、共通の安全保障及び繁栄を保護するというコミットメントを示しています。これらの活動とともに、防衛力を抜本的に強化し、わが国の平和と独立を守り、地域の平和と安定にしっかりと貢献してまいります。

2 質疑応答

Q:まず、昨日、29日に発射された北朝鮮のミサイルについて、その後の分析状況についてお聞かせください。

A:北朝鮮が昨日発射した弾道ミサイルについては、昨日発表したとおりであり、これ以上の発表事項はありません。北朝鮮は、特に今年に入ってから、かつてない高い頻度で、かつ新たな態様でのミサイル発射を繰り返しています。一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国を始めとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。

Q:2問目、お伺いします。昨日、元陸上自衛官のセクハラ事案に関し、現時点での確認結果が公表されました。複数のセクハラ事案が確認されたとのことですが、大臣の受け止めをお聞かせください。また、当時、本人からの被害の訴えを上級部隊に報告せず、事実関係の調査も行っていなかったとのことですが、こうした対応をどのようにお考えでしょうか。また、更に詳細な調査を進め懲戒処分を行うとのことですが、見通しについて伺います。

A:昨日公表し、陸上幕僚長からご説明をいたしました陸上自衛隊におけるセクシュアル・ハラスメントは、上官の対応、複数の事案の存在も含め、極めて深刻な事案であり、誠に遺憾であります。私としては、被害者の方の置かれている状況を踏まえ、入念な調査を行うよう指示し、このたび事実関係が確認されたため、これを速やかに明らかにすることが重要との認識のもと、今般、公表したものであります。今後、速やかに懲戒処分を実施するとともに、陸上自衛隊のみならず、防衛省全体として、このような事案が生起しないよう、なお一層しっかりと、ハラスメント防止対策に取り組んでまいります。

Q:普天間飛行場に海兵隊のオスプレイが配備されて、明日で10年となります。これまで、墜落や低周波音の健康への懸念なども指摘されているんですけれども、改めて海兵隊のオスプレイの安全性に対する懸念や配備の必要性についてどうお考えかお聞かせください。

A:オスプレイについては、米国政府自身が開発段階で安全性・信頼性を確認していることに加え、米軍オスプレイの日本配備に先立ち、日本政府としても独自に安全性を確認しております。また、自衛隊へのオスプレイ導入の検討過程のみならず、導入が決定された後においても、各種技術情報を収集・分析し、安全な機体であることを確認しております。更に、陸自要員が、実際の機体を用いて操縦・整備を行い、オスプレイが安定した操縦・整備が可能であり信頼できる機体であることを改めて確認をしております。これらを踏まえて、政府としては、オスプレイの安全性に問題はないと考えております。その上で、普天間飛行場に配備されているMV-22を含め、わが国における米軍オスプレイの配備は、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、災害救援や離島防衛を含む、わが国の安全保障にとって重要な意義を有しており、日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、インド太平洋地域の安定にも資するものと考えております。

Q:関連してなんですけれども、陸上自衛隊のオスプレイについても昨日、吉田陸上幕僚長が南西諸島での訓練も地元の了解が得られた場合、実施する可能性を言及されたんですけれども、大臣としては南西諸島での陸自オスプレイの訓練についてどう考えていらっしゃるか、お聞かせください。

A:陸自オスプレイに関する訓練についてはですね、様々な検討を行っておりますけれども、現時点において、沖縄において陸自オスプレイを使用する訓練を実施する具体的な計画はございません。

Q:冒頭にもあった日米韓の訓練について改めてお伺いします。北朝鮮のミサイルを発射を繰り返す中で、その3カ国が連携して訓練する狙いですとか意義について改めてお聞かせください。

A:無論、これは日米韓、今の訓練の内容に関してはですね、先ほどお話をさせていただきましたが、この今回の日米韓の間で平素からですね、日米韓共同訓練についての様々な検討を行っております。時期や実施内容等については調整が整った場合に、訓練を実施してきているところであります。今回の日米韓共同訓練も、そのような調整を行った上で、海上自衛隊の戦術技量の向上、並びに日米海軍及び韓国海軍との連携強化を目的として実施するものでありますが、計画にあたり現下の厳しい安全保障環境を踏まえたものであることは言うまでもありません。

Q:北朝鮮はSLBMの発射兆候が見られるなどという報道もありますけれども、今回、対艦訓練というのが入ってますが、そういったことも念頭においてこの3カ国の連携を示すということなんでしょうか。

A:基本的に特別、詳細にその内容についてはですね、今ここでお話しすることが適切かどうかわかりませんが、あくまでも、この日米韓の中で、想定し得るものを今後も対応していくことになろうかと思いますので、その点については、今ここでお話しすることはできませんので、ご理解願いたいと思います。

Q:先ほどのセクハラ関係についてお伺いいたします。五ノ井さんはですね、去年から訴えていて、一度調査の中で認められずに、結局退職して名前公表して、顔も出して被害を訴えられて、やっと防衛省が認めた形になっております。当初から認めていれば、そのまま自衛隊員として活躍できたかもしれませんし、改めて大臣として五ノ井さんに対してどう思うか、お願いいたします。

A:今回のこの事案に関しましてはですね、防衛省自体としてこの問題を重く受け止めているわけでもありますし、その意味では当然のごとく、やはり今のこの時代の中で、このセクハラに対する厳しい社会の目というものもあるわけでありますので、そういったことを考えれば今回の措置をするのが当然のことでもあったと思いますし、おっしゃられるように早くに対応すべきではなかったのかということをご指摘されているわけでありますけれども、我々とすれば、今後そういったことがないようにですね、今回徹底的なこのセクハラに対する案件をですね、今後起こすことのないように、特別監査を今やっている最中でもありますし、私自身の思いからすれば、これをなくすための努力を精一杯やっていきたいというふうに思っているところであります。

Q:北朝鮮のミサイル発射が相次ぐ中、今日の夕方、国防に関する有識者会議の初会合が行われます。改めて大臣の国防に関するお考えをお聞かせください。

A:本日、第1回のですね、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が開催され、「安全保障環境の変化と防衛力強化の必要性について」議題を行う予定であります。私も関係閣僚として参加をさせていただきます。防衛省としては、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化していく考えであるところ、私としても、積極的に議論に参加してまいりたいと考えております。

以上

下線部:修正事項(特別監査→特別監察)