防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年9月25日(日)08:20~08:25
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の浜田防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日6時52分頃、北朝鮮内陸部から、少なくとも1発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射いたしました。詳細については現在分析中でありますが、最高高度約50km程度で、距離は、通常の弾道軌道だとすれば、約400km程度飛翔し、落下したのは、北朝鮮東側の沿岸付近であり、わが国の排他的経済水域外と推定されます。また、当該弾道ミサイルは変則軌道で飛翔した可能性があります。関連する情報を収集し、分析しているところであります。今回の発射について、防衛省から、政府内及び関係機関に対して、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機、船舶からの被害報告等の情報は確認されておりません。北朝鮮は、特に今年に入ってから、巡航ミサイルの発射発表も含めれば19回に及ぶ、かつてない高い頻度で、かつ新たな態様での発射を繰り返しております。昨今の北朝鮮による核・ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できないだけではなく、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであります。また、ウクライナへの侵略が発生している中で、立て続けにミサイルを発射していることは許されません。関連する安保理決議に違反するものであり、強く非難します。北朝鮮に対して、北京の「大使館」ルートを通じて抗議を行いました。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、2つ目、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、3番目に、不測の事態に備え、万全の態勢をとることの3点について指示がありました。これを受け、私からは、米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すこと、について指示を出させていただきました。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国を始めとして、関係国と緊密に連携をしながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。こうした状況も踏まえ、いわゆる「反撃能力」も含めあらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的強化に取り組んでまいります。

 

2 質疑応答

Q:今回のミサイルについて、SLBMですとか、弾種などもし把握していれば教えてください。

A:今回発射された弾道ミサイルの弾種については、所要の情報を基に総合的、専門的な分析を行う必要があり、現時点で確たることをお答えすることは困難であります。

Q:韓国からはですね、米韓の合同演習に向けた反発として、近く弾道ミサイル発射が行われるんじゃないかという観測も出ておりましたけども、その3か月ぶりに発射された理由はどういうふうに分析されているでしょうか。

A:北朝鮮の意図については、わが方から断定的にお答えすることは困難であると思います。どういった狙いがあるにせよ、北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射は、断じて許されず、ミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできません。防衛省としては、北朝鮮の軍事動向について、米国等とともに緊密に連携しつつ、引き続き、情報収集・分析及び警戒監視に全力を挙げてまいりたいと思っております。

Q:先ほどの質問とも関係するんですけれども、SLBM発射するんじゃないかと言われてましたけども、内陸部からということで、SLBMの可能性はないということでしょうか。

A:今、我々の分析している部分についてはですね、今回発射された弾道ミサイルの弾道についてはですね、所要の情報を基に総合的・専門的な分析を行う必要があり、現時点で確たることをお答えすることは困難だと思っております。

Q:関連しますが、先ほど大臣おっしゃった、「変則軌道だった可能性がある」というお言葉ありましたけれども、これは例えば、極超音速ミサイルとかそういうことを意味するんでしょうか。

A:それも含めて、我々今、分析をしているところでありますんで、今この時点で、申し上げるのは難しいというふうに思っております。

以上

下線部:修正事項(弾道→弾種)