○ 本日、11時10分から12時45分までの約95分間、オースティン国防長官と日米防衛相会談を実施いたしました。会談では、わが国近海への着弾を含む中国による弾道ミサイルの発射、ロシアによるウクライナ侵略など、日米同盟を取り巻く安全保障情勢について議論をいたしました。その上で、力による一方的な現状変更を許容しないこと、そのために緊密かつ隙のない連携を図っていくことを確認したところであります。また、戦略文書の策定に関し、私から、いわゆる「反撃能力」を含めたあらゆる選択肢を検討し、わが国の防衛力を抜本的に強化する決意と、その裏付けとなる防衛予算の相当な増額に向けた取組を述べました。これに対し、オースティン長官からは強い支持が示されたところであります。今回の会談を通じ、私自身、日米双方の戦略の方向性が一致していることを確認しましたが、年末に向け、さらに緊密に擦り合わせていくことで一致をいたしました。さらに、日米同盟の強化に向けた具体的取組を、できることから進めていくことで一致をいたしました。まず、核を含めた拡大抑止について、それが信頼でき、強靭なものであり続けるための取組を、閣僚レベルでも議論していくことを確認をいたしました。また、共同ISR活動の強化を図る取組として、米軍無人機MQ-9のわが国への一時展開に向けた進捗を歓迎するとともに、MQ-9を含む日米アセットが取得した情報を日米共同で分析することで一致をいたしました。そして、総合ミサイル防空能力の強化のための取組として、極超音速技術に対抗するための技術について、要素技術・構成品レベルでの日米共同研究の検討を開始することに合意をいたしました。本日は、昼食を挟みつつ、対面で率直な議論を行い、オースティン長官との信頼関係を築くことができた手ごたえを感じております。本会談の成果も踏まえ、オースティン長官とともに、日米同盟の更なる強化に取り組んでまいりたいと思っているところであります。
Q:今、大臣から言及ありました「反撃能力」に関してオースティン長官から強い支持が得られたということですけれども、今後、装備の導入も含めて具体的な取組をどう進めるお考えでしょうか、お聞かせください。
A:いわゆる「反撃能力」について本日の会談ではですね、新たな国家安全保障戦略等の策定において、いわゆる「反撃能力」も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実に検討していることを今、お話をしたわけでありますが、これ以上のやり取りの詳細については、まさにわが国の安全保障に関わるものであり、また、米側との関係もあるためお答えできないことをご理解いただければというふうに思います。
Q:大臣ご指摘の核の拡大抑止のことですけれども、今、審議官級で日米の協議がありますが、これからはですね、閣僚級で格上げするということなのでしょうか。それともそういった日米の閣僚級の協議の際に定期的にその意見交換するとかその辺の趣旨をお願いします。
A:閣僚レベルでも議論を深めていくことで確認をさせていただきました。
Q:中国に関してお伺いしたいんですけれども、大臣の方からも中国のミサイルに関して言及がありましたし、オースティン国防長官からも冒頭、言及がありました。台湾情勢の緊迫化も指摘されておりますれども、今回の議論でどういったことを議論されて、今後どういった取組をしていくか、もしありましたらお願いします。
A:会談では、わが国のEEZを含むですね、わが国近海への着弾を含む、先月の中国による弾道ミサイルの発射について日本の安全保障及び国民の安全に関わる重大な問題として非難をいたしましたが、また、台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認するとともに両岸問題の平和的な解決を促すことで一致をいたしました。その上で、インド太平洋地域における力による一方的な現状変更を許容しないこと、そしてそのため緊密かつ隙のない連携を図っていくことを確認をいたしました。
Q:今日、初めてオースティン長官と対面で会談した率直な受け止めとですね、今日の議論、今後の年末の文書策定にどのように活かしていきたいか、意気込みのようなものがあればお願いします。
A:今回、オースティン長官に初めてですね、お目にかかりまして、その実直な人柄にも触れながら安全保障情勢や日米同盟の強化についてですね、率直な議論ができたことを大変意義深く感じております。また、会談において、オースティン長官からわが国の防衛力の抜本的強化に向けた取組に対して強い支持が示されたほか、改めてですね、米国の拡大抑止のコミットメントが揺るぎない旨の発言があったことは、非常に心強いものでありました。本日の会談の成果を新たな国家安全保障戦略等の策定、防衛力の抜本的強化の議論に活かしていくとともに、引き続き、オースティン長官と緊密に連携して日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化に取り組んでいきたいと思います。
Q:今回の会談でですね、大臣、戦略の方向性であるとかですね、日本の取組というのを説明して支持を得たということなんですけれども、今後持ち帰って検討されるということだと思いますが、国内での今後の与党協議など様々あると思うんですけども、課題意識は今どこにありますでしょうか。
A:まだ、我々の方でも、今、政府でも議論しているところでもありますし、まだ、各党また色々な話をお聞きしなければならないところでありますので、今ここでどういったことということはなかなか言えないわけありますが、いずれにしても丁寧に説明していくことがですね重要だというふうに思っております。
Q:FMSについては以前から日本側からアメリカ側にですね、円滑な装備品の引き渡しであるとか、代金の精算であるとかそういうことを求めてきたわけですが、今日の会談では、大臣から何か働きかけはなさったんでしょうか。
A:特にその点には言及はいたしませんでした。この後、細かいことについてはブリーフィングで聞いていただければというふうに思います。
Q:オースティン長官から、冒頭「2+2」のご発言があったと思うんですが、開催のその時期などについて、その後意見交換は行われたのでしょうか。
A:「2+2」については、来年ということで予定をされているわけでありますが、まだ、具体的に日程については詳しく出ておりませんので、今後事務レベルですね、詰めていくことになろうと思います。
以上