防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年8月10日(水)20:50~21:18
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
浜田防衛大臣就任会見

1 発表事項

〇 遅くまで皆さんお待たせいたしまして、本当にご苦労様でございます。大臣に就任いたしました浜田靖一でございます。これから皆様方といろいろな形でお話をすることになると思いますが、皆さん方からの問にしっかり答えられるように今後対応していきたいというふうに思いますので、また、いろいろな点でご指摘の点などありましたらお教えいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

〇 大臣就任に当たっての抱負と今後の課題等について、防衛大臣を私自身が拝命をしたということは、国家の存立と国民の生存を守るという崇高かつ国家の根幹に関わる任務を担うこととなり、大変光栄に感じるとともに、自らの職責の重みを痛感をしてるところであります。今般の就任に当たり、岸田総理からご指示を頂いております。1つ目は、日本国及び日本国民の安全と繁栄を確保するため、国家安全保障会議の下、関係大臣と協力して、国家安全保障政策を一層戦略的かつ体系的なものとして実施する。その基盤となる国家安全保障戦略、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画について、わが国を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえ、関係大臣と協力して改定に取り組み、防衛力を5年以内に抜本的に強化する。その際、いわゆる「反撃能力」の保有も含め、あらゆる選択肢を検討する。年末に向けて、防衛力強化の内容、規模、財源をセットで検討し、結論を得る。2つ目は、国民の命や暮らしを断固として守り抜くため、弾薬の確保等による継戦能力の維持、AI、無人機、量子等の先端技術の研究開発、防衛生産・技術基盤の強化といった様々な課題に向き合い、防衛力の抜本的強化に取り組む。そして3つ目に、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米防衛協力ガイドラインの下、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していく。また、日米同盟の優位性を将来にわたって堅持するため、宇宙・サイバーの領域や先進技術の分野を含め、日米間の安全保障・防衛協力を拡大・深化させていく。4つ目に、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、日米同盟を基軸としつつ、豪、印、ASEAN、欧州、太平洋島しょ国等との共同訓練、装備・技術協力を含む二国間・多国間の防衛協力・交流を推進をする。5つ目に、沖縄基地負担軽減担当大臣と協力して、普天間飛行場移設を含む在日米軍再編を進める中で、抑止力の維持を図るとともに、沖縄を始めとする地元の負担軽減を実現をする。6つ目に、わが国の領土、領海、領空の警戒監視について、関係大臣と緊密に連携し、緊張感を持って、情報収集を行うとともに、事態に応じてわが国の法令に基づき適切に対処する。7つ目に、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、平和安全法制に基づく自衛隊の任務の着実な遂行に万全を期す。最後に、相次ぐ自然災害への対応のため、必要に応じて迅速に災害派遣を行う。その際、最優先で人命救助を行うとともに、積極的に被災者からのニーズを把握して支援を行う。また、自衛隊は、これまでも新型コロナウイルス感染症への対応に取り組んできたが、ワクチン接種の推進のため、大規模接種会場の設置など、感染状況に応じて柔軟に対応する。加えて、平和安全法制に関する事務を担当し、国民の皆様に対して丁寧かつ分かりやすい説明を尽くすよう、併せてご指示をいただいたところであります。以上、挙げたような総理のご指示に基づき、防衛大臣として、約25万人の自衛隊員とともに、国民の皆様方の負託に応えるため、わが国と世界の平和と安定のために全力を尽くしてまいります。なお、旧統一教会との関係について、岸田総理から、国民の皆様の懸念を払拭するため、個々の政治家としての責任において点検し、厳正に見直すよう、ご指示を頂きました。私について申し上げれば、知り得る限り、当該団体との関係はないということを、この際、明確に申し上げておきたいと思います。

2 質疑応答

Q:冒頭総理のご指示にもありました、5年以内の防衛力抜本的強化に関してなんですけども、その裏付けとなる防衛予算、防衛費についての大臣のお考えなどをお伺いしたいと思っております。自民党の国防部会、安保調査会で大臣議論されてきておりましたけども、GDP2%以上という目標を掲げるべきだという人もいれば、積み上げていくべきだという人もいまして、総理自身も相当な増額という一方で、数字ありきではないともおっしゃっています。大臣はどういったお考えで防衛費増額に臨んでいくおつもりでしょうか。

A:今、お話にありました2%の基準というようなことに関してはですね、NATOの加盟国は対GDP比2%以上を達成することで合意をしているところであります。NATOという民主主義国家の集まりが、安全保障環境を維持するために各国の経済力に応じた相応の国防費を支出しているという点で、対GDP比は指標として一定の意味があるというふうには考えております。防衛省としては、現下の安全保障環境に対応できるように、必要な事業をしっかりと積み上げ、防衛力を5年以内に抜本的に強化していく考えであります。防衛費の内容や規模等については、新たな国家安全保障戦略等の策定や今後の予算編成過程において検討してまいりたいとういうふうに思っています。

Q:今の防衛費の関係なんですけども、NATO基準について、NATOの基準だと軍人の恩給費だったり、海上保安庁予算などが含まれていて、日本のように防衛省単独の予算ではありません。昨年度をみても防衛白書では日本の当初予算の対GDP比で0.95%と説明していますが、NATO基準で試算すると日本は1.24%となり、かなり開きがありますが、防衛費の増額の議論を進めていく上で、土台となるのはこれまで通り当初予算をベースにした対GDP比なのか、NATO基準なのか、どちらが適切だと考えますか。

A:NATO加盟国は対GDP比2%以上を達成することで合意をしているところでありますが、NATOという民主主義国家の集まりが、安全保障環境を維持するために各国の経済力に応じた相応の国防費を支出しているという点で、対GDP比は指標として一定の意味があると考えております。他方、わが国はNATO加盟国ではなく、NATO定義に基づいて所要の経費を整理しておりません。また、その運用は各国で一律ではなく、防衛当局以外の省庁が所管する予算などをどこまで防衛費に含めるかについては様々な議論があると承知しており、その範囲を確定することは困難であります。いずれにせよ、防衛省としては、現下の安全保障環境に対応できるよう、必要な事業をしっかりと積み上げ、防衛力を5年以内に抜本的に強化していきたいというふうに考えております。

Q:今の2問と関連するですけども、防衛費について伺います。今、総理指示でもありましたように内容、規模、財源セットで検討して結論を得るということですけども、防衛費の急激な増額に対してはですね、現場からはですね、対応しきれないとの声とか、あと、呉地方総監もおっしゃてたようにですね、社会保障費など他の予算との財源の兼ね合いについて懸念する声も聞かれます。財源については、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:今の安全保障環境というのは大変厳しいのは事実でありますので、防衛力の抜本的な強化は不可欠であります。防衛費についてはですね、新たな国家安全保障戦略を策定する中で、あらゆる選択肢を排除せず、具体的な、かつ、現実的にですね、議論をして防衛力の抜本的強化に必要となるものの裏付けとなる予算をしっかり確保していきたいということで、今後の議論においてですね、国民の皆様が混乱するような発言がないようなことについてですね、考えていきたいというふうに思いますし、また、財源のあり方について、政府として検討してまいりたいというふうに思っているところであります。

Q:足元の話についてお伺いしたいんですけども、ペロシ米下院議長の台湾訪問についてですね、中国と台湾との間の軍事的緊張が増しています。弾道ミサイルの発射で日本のEEZ内にも5発落下するという事案が起こりましたけども、大臣、ちょうど議員活動としてですね、台湾に訪問されたばかりだと思いますが、現下の台湾情勢というのはどう認識されていてですね、今後、防衛省としてですね、防衛力強化とあわせてどう対処していくのかという話、お考えについてお聞かせいただければと思います。

A:我々の台湾を巡る問題についてですね、わが国としては台湾海峡の平和と安定が大変重要であるというふうに考えております。対話により平和的に解決されることを期待するとの立場には変わりはございません。近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中、中台間の軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化し、その差は年々拡大する傾向がみられております。今般の中国軍の活動を含め、中国の軍事動向等はですね、国防政策や軍事力に関する透明性の不足と相まって、わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、防衛省としては今後も警戒監視に万全を期してまいるところであります。台湾を巡る情勢の安定はわが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要であると考えており、引き続き動向を注視していきたいというふうに思います。その上で、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、政府としていかなる事態に対しても対応できるよう、平素から態勢の整備を含め、万全を期していくことは当然であります。我々とすれば、こういった姿勢で取り組んでいきたいというふうに思っております。

Q:今の台湾情勢にも絡むんですけども、防衛省は近年、鹿児島県の奄美大島始め、南西諸島に陸自部隊を配備したり、馬毛島で新基地整備計画を進めるなど南西防衛の強化を進めていますが、大臣この地域の重要性についてどのようにお考えか。それから、この南西地域の防衛力強化を今後どのように進めていかれるかということをまずお聞かせください。

A:わが国周辺にはですね、強大な軍事力を有する国家などが集中し、軍事力を強化し、軍事活動を活発化させるなど、わが国が直面する安全保障上の課題が深刻化する中、南西地域の防衛体制の強化はわが国の防衛にとって喫緊の課題であります。また、直近では、中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を行い、わが国のEEZ内に着弾したと推定される弾道ミサイル5発を含め、わが国の近海に設定された訓練海域に弾道ミサイルを発射したことは、わが国の安全保障及び国民の安全に関わる重要な問題であります。平素から安全保障環境に即した部隊配置を行うため、防衛省としては、これまで、与那国島、奄美大島及び宮古島への部隊配備を行ってきたほか、本年度中に、石垣島へも部隊配備を行う予定であります。また、南西地域における航空自衛隊の編成を強化したほか、弾道ミサイルを含む各種経空脅威への対応として、那覇を中心に、ペトリオット・システムを運用する4個高射隊を配備しております。このような部隊配置は、わが国への攻撃を抑止する効果を高めるものであり、引き続き警戒監視活動等に万全を期すとともに、南西諸島における防衛体制を目に見える形で強化してまいりたいというふうに思います。

Q:重ねてもう一点お願いします。防衛省は昨年、地元対応を強化するために地方協力局の改編を行ったんですけれども、基地負担を担わされる地元には賛否様々な声があり、馬毛島計画では地域の分断など新たな課題も見えています。地元対応や地方との向き合い方について、大臣のお考えをお願いいたします。

A:これは、私は特に沖縄を始めとする地域の皆様方の声をできるだけしっかりと把握することによって、その深掘りをしながら、これからもですね、対話を続け、そしてまた、それを真摯に捉えてですね、対応をしていく、その姿勢が極めて重要だと思います。その意味で、その編成の意味というのは大きなものがあるというふうに思いますし、これからもしっかりと進めてまいりたいというふうに思います。

Q:佐賀空港への自衛隊オスプレイの配備計画なんですけども、現在、大臣のご地元の木更津に暫定配備されている状況です。佐賀空港への配備についての大臣の考え方と今後どうやってこの計画進めていかれるお考えかをお聞かせください。

A:その意味ではいろいろな形で、佐賀の皆様への説明含め、丁寧にですね、対応させていただいてきているのも事実でありますし、多くの佐賀の漁師の皆様方を始め、いろいろなお考えをもっている方がいるわけでありますので、そういった意味では、それに対して、未だ一生懸命、各担当がですね、働きかけをしておるところでもありますし、今、お話にありました、わが地元の木更津のオスプレイの部隊、5年以内という約束の中でですね、これを今、進めてきたところでありますけども、佐賀の方は、まだ明確に進んでおらないわけでありますけども、しかしその中で、約束は約束としてこれをどのように守るかというのは、我々に課せられた、お互いの信頼関係を崩すことのないように、今後とも議論を重ねている、そしてまた、今、この時点ですね、どうなるかというのは今、努力をしている最中でありますので、そのことに関してはまだ、私の方から今すぐどうこうという話ができない、お答えができないというのは正直なところでありますので、今はひたすら努力をさせていただきたいということであります。

Q:その努力をするというのは、5年の約束を守るための努力をするという意味合いでしょうか。

A:そうです。

Q:大臣、13年ぶりくらいですかね戻られて、また戻ってこられたことの率直なご感想と、あと2回目ということで、過去の経験、以前の経験を生かしてこういうことに是非やってみたいというのがあればお話ししてもらえたらと思います。

A:13年前は、それこそ北朝鮮からのミサイルが日本の本土を越えて飛んでいった時代でありましたし、しかし今の状態とは全く違った時代でしたし、今回この防衛大臣の職を受ける際にはですね、かなり厳しい環境の中で、この任を果たさなければならないということに対してはですね、大変緊張感をもって、今回この職に就かせていただいたというところであります。そして、今、そろそろ我々も変わらなければならないと思っているのは、あらゆる地域に目を向けて、そして邦人の皆様方の安心・安全というものを考えた時に、いったい我々はどのようなことができるのか、改めてそれをチェックしてですね、そして、それに対する実際の行動がどういうふうなものができるのかというのを、やはり突き詰めて考えていかなければならないと思いますし、そして、島しょ部の皆様方、そして沖縄を中心とする南西地域の皆様方に対してですね、どれだけの安心感を与えられるかというものを目指してですね、努力ができればというふうに思っているところであります。特に、存在する自衛隊から行動する自衛隊と呼ばれて久しいわけでありますが、まさにそれが、この地域の安定性というものを考えた時にはですね、やはりもっと踏み込んで考えなければいけないのかなというふうな思いでありますので、更に議論を進めていきたいというふうに思っているところであります。

Q:オスプレイの木更津駐屯地への暫定配備でお伺いしたいのですけれども、大臣のご地元の木更津からは暫定配備の5年間の期間の厳守を求める声もあがっております。場合によっては、期限の5年を超える期間延長という可能性も考えられるのでしょうか。大臣のご見解をお伺いしたいと思います。

A:今の時点で我々は一所懸命、佐賀で努力をしているわけでありますので、我々とすれば、この5年の期限というのは重く考えておりますので、その件に関しては、いま努力中ということでございますし、我々としては、その約束を守るために一所懸命やらせていただきたいと、今こういう答えだけで申し訳ないですが、それに目指して努力をしたいと思います。

Q:沖縄県の米軍の普天間飛行場についてお伺いします。名護市の辺野古移設について、沖縄県と政府で対立が続いていますが、辺野古移設についてどう進めていくのかお考えを伺いたいと思います。

A:普天間の飛行場をめぐる問題の原点というのは、大変その意味では市街地に位置をし、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の危険性を一日も早く除去することだということであります。普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければならない。これは、政府と地元の皆様との共通の認識であると思います。日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせた時、辺野古移設が唯一の解決策であり、この方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながります。防衛省としては、引き続き、地元の皆様方のご理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現して、その基地負担の軽減を図るため、全力で取り組んでまいります。

Q:9月11日に沖縄県知事選挙がありますけれども、辺野古移設の大きな争点となっております。選挙結果が移設にどう影響するのか、どうお考えなのか教えてください。

A:いま、ちょうどその戦いが始まろうとしているところでありますけれども、防衛省としては、いまこの時点でお答えすべき立場にはないというふうに思っているところであります。

Q:旧統一教会について伺います。大臣は冒頭、「知り得る限り関係はない」というふうにおっしゃられましたけれども、保留条件をつけられましたが、保留条件をつけられた理由を教えてください。

A:基本的にですね、統一教会さんの方との関係というのは、私自身まったくお付き合いがないというふうに思っていますが、今、どこかで違った名前のところにですね、どこからかまた出てくる可能性があるかもしれないということの中での話だと思いますが、私が知っている限りにおいては、調査した中ではですね、そういった団体との付き合いは関係がないということを申し上げました。

Q:旧統一教会の関連団体すべてについては調べ切れてないという意味と、あるいは、秘書の方が勝手に祝電を集会に送ったというようなことまですべて含めて、把握しきれていないと、未だにということですか。

A:いや、そういうことではありません。特に私自身がですね、そういった団体との関係というのは昔からありませんので、そういった記憶もなければ、秘書の方からもその報告は受けておりませんので、その点については、私とすれば、団体と関係がなかったというふうに思っているところであります。

Q:各大臣にお伺いしているのですけれども、来週、終戦の日を迎えますけれども、参拝のご予定があるかどうかお聞かせお願いします。

A:国の内外問わずですね、国のために貴い命を犠牲にされた皆様方に対して、哀悼の誠を捧げ、尊崇の念を表すことは当然のことだと考えております。今後の参拝については、個人として適切に考えてまいりたいというふうに思います。

以上