防衛大臣記者会見

日時
令和4年8月2日(火)11:09~11:21
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 〇 7月29日11時半から約40分間、フアカヴァメイリク・トンガ王国首相兼国防大臣との間でテレビ会談を実施いたしました。私から冒頭、本年1月トンガにおいて発生した火山噴火及び津波による被害が発生したことについて、改めてお見舞いを申し述べました。また、トンガにおける自衛隊の国際緊急援助活動について、今後も太平洋地域の平和と安定のために貢献していく考えを伝えました。また、二国間の防衛協力・交流や地域情勢等に関する意見交換も行いました。その上で、今後も両国間の防衛協力・交流を一層推進していくこと、緊密に連携していくことで一致をしたところです。

2 質疑応答

Q:日米韓の弾道ミサイルの共同訓練についてです。複数の韓国メディアがですね、現在開催中の「リムパック」において日米韓の弾道ミサイルの探知・追尾訓練「パシフィックドラゴン」を行うと報じています。6月、大臣がシンガポールを訪問された時の日米韓の防衛相会談で一致事項かと思いますが、事実関係と改めてこの訓練の意義についてお聞かせください。

A:日米韓の3か国の間では、6月11日の日米韓防衛相会談において、ミサイル警戒及び弾道ミサイル探知・追尾訓練を実施するところで一致をいたしました。同盟国の米国を含む、各国との共同訓練の実施については、平素から様々な調整を行っております。その詳細について、相手国との関係もあることから、お答えできないことをご理解いただきたいと思います。

Q:韓国に関連して1問お伺いします。韓国は先月29日に、竹島の周辺で軍事訓練を行ったことがわかりました。(ユン) 大統領の就任以来、初めての訓練でしたけれども、大臣の受け止めと防衛省として何らかの対応を取ったのかどうかをお伺いします。

A:竹島が、歴史的あるいは国際法上も明らかに日本固有の領土であることは明らかでありますが、その竹島において、そのようなことが行われたこと、わが国として到底受け入れることはできなく、極めて遺憾であります。防衛省として、7月29日、国際政策課長から在京韓国武官に対して、強く抗議をいたしました。その上で、今後、類似の訓練を一切行わないよう強く求めたところであります。

Q:先日の金曜日の会見以降に、岸田総理が統一教会のことについて、「社会的な問題である団体との関係については丁寧に説明をすべきだ」ということをおっしゃいました。それで大臣、先日の会見の中で、統一教会の中に、「旧知である方がいる」というふうにおっしゃったんですけど、この旧知の方というのは、教団関係者幹部含んでいるのか、それと、社会的問題があるということを今、政府幹部の方が結構おっしゃてきてるんで、社会的問題あるならば、なんできっぱり決別して、選挙ではボランティアでもなんでも、もうお世話にならないということを言えないのか、この点について所見をお願いします。

A:まず、旧統一教会としてですね、組織としてのお付き合いがあったわけではないということは、先週もお伝えしたとおりであります。選挙区において、長年のお付き合いをしている中で、そういうバックグラウンドをお持ちの方がおられる、そういう方から支援を、支援というのは応援をいただいているのも事実であります。一方で、統一教会という組織として何か支援を受けているかというと、そういうわけではないと思いますけれども、その中で、そういう方がおられる、後で様々な問題が浮上してきている、社会的問題ですね、という状況において、これまでのそういう関係について、しっかり見直していかなければいけないと思ってます。

Q:見直していくということで。

A:はい。

Q:それとですね、先日の会見の後、もう一つ重要なニュースがありまして、伊達忠一前参議院議長が安倍元首相にお願いして、統一教会票の差配を2016年の参議院選挙でお願いして安倍元首相に了解されたということを北海道のテレビの取材に対して答えたんですが、安倍元首相と大臣、兄弟でよくSNSとかで会食されたりする場面見てますけど、そういった安倍元首相の統一教会票の差配について、聞いたことはありますか。

A:特にそういうことを聞いたことはありません。

Q:NPT再検討会議に関連してお伺いします。岸田首相は演説で、核兵器のない世界に向けて日本の行動計画を表明しましたが、どう思われたのか、受け止めをお願いします。一方で、日米では米側の核兵器などの戦力で日本を防衛する拡大抑止を強化するお考えですが、その意義や整合性についても、ご見解をお願いします。

A:「核兵器のない世界」への道のりは、更に厳しくなっておりますが、NPTの下で現実的な取組を進めていくことが重要であります。総理の演説は、NPTに対します日本の強いコミットメントを、また、「核兵器のない世界」に向けた日本の決意と具体的な取組を国際社会に示したものであると考えています。その上で、わが国の周辺には、質・量ともに優れた軍事力を持った国家が集中しています。軍事力の更なる強化や軍事活動の活発化の傾向が顕著となっておると思います。現実に核兵器などわが国に対する安全保障上の脅威が存在する以上、日米安全保障体制の下で、核抑止力を含む米国の拡大抑止が不可欠であります。防衛省として、わが国自らの防衛力を整備しつつ、日米安保体制の下で米軍のプレゼンスを確保することを防衛の大きな柱として、米国の核抑止力や通常戦力を含めた抑止力をもってわが国の安全を確保していくことが重要であると認識をしております。

Q:アメリカのペロシ下院議長が間もなく台湾を訪問すると様々なメディアで報道されてまして、中国がそれに対して強い措置を取るというようなことを言ってまして、何かしらこの台湾周辺で不測の事態ですとか、そういったことが起きるようなこと、可能性があるのかどうか、防衛省としてどのように見ているかお聞かせください。

A:ペロシ氏の台湾訪問についての報道は存じ上げてますが、我々はその台湾海峡の平和と安定が重要であるという日米間の認識は共有しておるところでございます。そういう観点に立って注視していきたいと思っています。

Q:米中の緊張が高まる中での訪台となりますが、ペロシ氏の訪台について大臣の受け止めをお願いいたします。

A:まだペロシ氏の訪台が決まったとは聞いておりませんので、お答えすることは控えたいと思います。

Q:先日、片岡晴彦空幕長にインタビューさせてもらいまして、片岡さんが言っていたのが、日本には宇宙基本計画があるけれども、宇宙の安全保障に係る宇宙安全保障戦略とか国家戦略がないと、なので宇宙でどれだけどのように自衛するとか、これからどうやって宇宙での安全保障を進めていくかとか全然戦略がないと、この大臣は宇宙安全保障戦略、これから制定するべきかどうか、他国並みに。宇宙安全保障についての所見をお願いします。

A:わが国には、宇宙の平和利用という考え方がもともとありますよね。その中で安全保障の状況が大きく変化をしてきて、宇宙も巻き込むようになってきているというのが現実です。それに対して、わが国もこれから年末にかけて国家安保戦略を策定していくわけなんですけれど、その中で宇宙も含めた議論をしていく必要があるのではないかというふうに考えております。

以上