防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年6月11日(土)17:57~18:06(日本時間)
場所
シャングリラホテル
備考
各国防衛相会談後の岸防衛大臣ぶら下がり会見

1 発表事項

 先ほど、シンガポールのウン・エンヘン国防大臣との間で、日シンガポール防衛交流覚書の改定及び署名式を実施しました。本改定は、両国間の交流の進展に伴い、防衛装備品及び技術の移転をはじめとする各種の協力の促進を覚書に新たに盛り込んだものであります。これを契機に、シンガポールとの防衛交流を今まで以上に推進してまいります。先ほど、オースティン米国防長官、イ・ジョンソプ韓国国防部の長官と日米韓防衛大臣会談を、オースティン国防長官及びマールズ豪州の国防大臣と日米豪の防衛大臣会談を実施をいたしました。日米韓防衛大臣会談では、北朝鮮情勢等について忌憚のない意見交換を行い、日米韓3か国の緊密な連携の重要性を確認し、具体的には、日米韓3か国によるミサイル警戒訓練、弾道ミサイル探知・追尾訓練の実施及び北朝鮮による弾道ミサイル発射に対処するため、さらなる活動を具体化することで一致をしました。日米豪防衛大臣会談では、地域の安全保障環境について意見を交わし、インド太平洋地域の平和と安定のため、日米豪3か国の防衛協力を引き続き強化することで確認をいたしました。具体的には、日米豪3か国による活動中のアセット防護の実施、3か国共同訓練の拡大、防衛装備・技術協力の強化などについて調整を進めていくことで一致をしました。また、日米豪3か国のみならず、インド、ヨーロッパ諸国、ASEAN諸国、太平洋島嶼国といった地域のパートナーとの協力を強化することが、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化のために極めて重要であるという認識で一致をしたところであります。ロシアのウクライナ侵略によって、国際秩序の根幹が揺さぶられる中で、基本的価値を共有する同盟国・同志国が連携することが大変重要です。今後とも、南シナ海や東シナ海における力を背景とした一方的な現状変更の試みに強く反対をし、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向けて、防衛協力・交流を強力に進めてまいります。

2 質疑応答

Q:大臣、この後から明日にかけて二国間会議が控えられていると思いますが、韓国との二国間会議が決定されていないことの理由についてお聞かせください。

A:日韓間での意思疎通の重要性については、認識しているところでございます。具体的に今後、日韓の会談等については適時適切に判断をしてまいります。

Q:日米韓の防衛相の共同声明では、今回初めて台湾の安定についての文言が入りました。それについての意義、受け止めをお願いします。

A:台湾海峡をめぐる平和と安定が重要であること、これは一致した状況であります。今、台湾をめぐる軍事的なバランスが非常に崩れつつある中で、しっかりとこの地域の平和と安定が地域のみならず、国際社会においても大変重要であるわけですからそういうことに関して、しっかり注視をしていく必要があると考えています。

Q:先ほど、韓国との関係で会談については、適時適切に判断してということすけれども、逆にいうと適切なタイミングでは今はないということなのか、何らか障害があるというふうにお考えなのか、お考えをお聞かせください。

A:特にそういうことではないですけれども、適時適切に判断をしてまいります。

Q:共同声明の中には、二国関係の重要性を確認したというふうにありますけれども、特に米国側から日韓関係についての言及などはあったのでしょうか。

A:米国の発言については、これは私からコメントすることは差し控えます。いずれにしても日韓関係の重要性については認識をしているところであります。

Q:日米韓防衛相会談の中で、2018年のレーダー照射の問題について、日韓双方から言及があったのかということと、共同訓練が日米韓共同訓練を再開することで方針を確認しましたけれども、このレーダー照射の扱いはどうなっているんでしょうか。

A: レーダー照射についての言及は、今日の時点では特にありませんでした。

Q:今日の日米韓の会談で、ミサイル対処の訓練再開について確認されましたけれども、18年のレーダー照射問題以降、ミサイル対処の共同訓練、日米韓の枠組みでは実施されていきませんでしたが、再開の意義についてどのようにお考えでしょうか。

A:日米韓、日韓、非常にこの交流の重要性については、認識をしているところであります。北朝鮮の状況を考えます時に、共同して対処してゆくということ、このことの重要性が今まで以上に増してきているということは言えると思います。

以上