防衛大臣記者会見

日時
令和4年6月7日(火)09:46~09:56
場所
参議院分館1階エントランス
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 わが国は、海上自衛隊創設70周年の節目として、本年、西太平洋地域における多国間海軍協力の枠組みであります西太平洋海軍シンポジウム、WPNSを主催をいたします。また、これと同時期に国際観艦式も開催する予定であります。ロシアはWPNSのメンバー国ですが、今般のウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。また、国連憲章を始め国際法の明確な違反であり、また、各国海軍間の信頼醸成といったWPNSにおける取組みの前提を覆すものでもあります。わが国は、本年のWPNS議長国、また、国際観艦式の主催国として、ロシアによるウクライナ侵略が起こる前にロシアを両行事に招待していたところですが、今般の侵略を受け、WPNS関連会合及び国際観艦式へのロシアの招待を取り消すことといたしました。防衛省・自衛隊においては、本年予定しているWPNS及び国際観艦式に向けて、引き続き必要な調整を進めてまいります。

2 質疑応答

Q:今月5日、一昨日ですね、北朝鮮が発射したミサイルについて、アメリカや韓国側は、発数について8発といったような分析であったり、SRBMという分析を出していますが、防衛省が新たにその後の情報で分かったことがありましたらお願いいたします。

A:北朝鮮は一昨日、弾道ミサイルを少なくとも6発発射をいたしました。発射をされたミサイルが、2019年5月4日などに発射をされた、変則軌道で飛翔することが可能な短距離弾道ミサイルAや、同様に変則軌道での飛翔が可能で今年1月17日にも発射されました短距離弾道ミサイルB、それか、2020年3月29日などに発射をされました、北朝鮮が「超大型放射砲」と称する短距離弾道ミサイルCである可能性を含め、引き続き関連情報を収集して、分析しているところであります。北朝鮮は、特に今年に入ってから、かつてない頻度で、かつ新たな態様での発射を繰り返しております。今年1月以降発射された弾道ミサイル等の数は少なくとも26発に及び、1年間で発射した発数としては既に過去最高になっております。また、今回のような、少なくとも3か所からの、短時間での極めて多い発数の発射は前例がなく、断固許容できません。防衛省としては、引き続き関連情報の収集・分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。また、こうした状況を踏まえ、いわゆる「反撃能力」も含めて、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

Q:所掌外で大変恐縮なんですけれども、読売新聞の取材で経産省がスポーツ賭博を、解禁を検討しているということが明らかになりましたけれども、スポーツの活性化が意図される一方で、八百長やギャンブル依存の懸念もありますけども、大臣の御見解をお願いいたします。

A:その記事は読みましたけども、今、おっしゃられたように所掌外でありますので、私として今、コメントすることは控えます。

Q:今ほど変則軌道のミサイルについて御説明がありましたけども、防衛省少なくとも1本が変則軌道というふうにこれまでお伝えしてましたが、その1本についてA、B、Cの可能性があるということなんでしょうか。

A:一昨日発射をされた少なくとも6発について、これらの可能性があるということで、引き続き分析をするということであります。

Q:もう1点なんですが、日米の共同訓練が当日中に公表されましたけども、当日中に公表された狙いと、あと意義についてお願いします。

A:安全保障環境が一層厳しさを増す中で、例えば6月5日にも弾道ミサイル6発が発射されました。このようなより厳しさを増す安全保障環境の中で、5日、自衛隊は米軍と共同弾道ミサイル対処訓練を実施をいたしました。防衛省・自衛隊としては、今回の訓練の実施を通じて、日米同盟の即応態勢の緊密な連携を内外に示すことができたと考えております。先般の日米首脳会談において岸田総理とバイデン大統領は、日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化していくことで一致したところであります。今後ともこのような訓練を通じて、日米同盟を更に強化するとともに、日米がともに行動している姿を示してまいりたいと思います。

Q:昨日、沖縄県の那覇港湾施設にオスプレイが3機着陸しました。これについて事前に日本側には連絡なかったと思うんですけど、こういった米軍の対応に問題はなかったかということと、浦添市への移設計画に対する影響についてご見解を教えてください。

A:昨日、普天間飛行場のMV-22オスプレイが3機、沖縄港湾施設への着陸をしました。米側からは、船舶に積載し、輸送するための準備として飛来したと説明を受けてます。本件についても事前の通知はありませんでしたが、防衛省としてこれらの問い合わせに応じて、米側から速やかな情報提供があり、これを関係自治体にお知らせしているところであります。港湾施設への輸送対象の搬入の一環であることから、那覇港湾施設の使用主目的として形態に合致するものと考えております。現有の那覇港湾施設の機能維持を目的とするものであり、その前提に何ら変更はございません。

Q:事前に連絡なくても特に問題はなかったということでしょうか。

A:はい。

Q:アメリカの国務省がですね、北朝鮮が数日中にも核実験を行う可能性があると懸念しているというふうに述べているんですが、この点について防衛省として何か把握している件があれば教えてください。

A:米軍とは様々な情報交換を平素から行っているところでございますが、内容については機微なものもありますので、お答えは差し控えたいと思います。

Q:先ほどの冒頭の発言の中で、「反撃能力」というふうにご説明ありましたけれども一昨日は「敵基地攻撃」「反撃能力」というふうに併用されておりましたけれども、この「反撃能力」という名称で、いわゆるですけれども、使っていくということでよろしいでしょうか。

A:特にそういうふうに決めたということではございません。その時の状況に応じて使ってまいりたいと思います。

Q:一部報道で今年の夏にもですね、防衛省の現役職員を日本台湾交流協会の台北事務所に派遣する方向で調整に入ったとありますが、事実関係ともし検討されているようでしたら、詳細をお願いいたします。

A:まずそうした事実はございません。中台の軍事動向につきましては、引き続き、高い関心をもって、情報収集・分析を行ってまいります。台湾との、中国との関係については1972年の日中共同声明を踏まえて、非政府間の実務関係として維持をしていくという立場に変わりはございません。引き続きこうした立場に基づき適切に対処してまいります。

以上