まず1点、今年度も、防衛省・自衛隊は、FOIPの維持・強化を図るため、数多くの取組を行ってまいります。1つ目が、今回で6度目に当たります令和4年度の「インド太平洋方面派遣」(IPD22)です。6月13日から10月28日にかけて実施しますIPD22では、海上自衛隊の護衛艦「いずも」などが参加して、米・豪等、各国と共同訓練を行うほか、昨年に引き続き太平洋島嶼国地域を訪問し、ソロモン諸島、トンガ王国、フィジー共和国等に寄港する予定です。また、陸上自衛隊は、今般初めてIPD22として一部の訓練に参加します。また、陸上自衛隊は、6月6日から20日までの間、米・モンゴル共同主催の多国間訓練「カーン・クエスト22」に参加し、国連PKO等への派遣に係る能力の向上を図るとともに、参加国との相互理解の増進及び信頼関係の強化を図ります。安全保障環境が厳しい中、こうした取組を通じ、基本的価値を共有する多くの国々との関係を強化し、FOIPの維持・強化を図ってまいります。
Q:昨日、午後6時頃ですね、沖縄県東村の海岸で航空機の燃料タンクのようなものが見つかりました。今現在、沖縄防衛局が現場を確認中です。自衛隊や米軍機の軍用機のものなのかどうかなどを含めてですね、防衛省が把握している情報について、教えてください。
A:お尋ねの件については、昨日、沖縄の東村役場から、東村の海岸に燃料タンクと思わしきものが漂着したとの情報を受けたため、現地に職員を派遣するとともに、米側に対し、事実関係の確認を行いました。その上で、本日午後、米側より、東村の海岸で発見された燃料タンクは、米空母ロナルド・レーガンで運用されている米海軍第5空母航空団に所属するFA-18によるものであることが確認がされました。着陸の安全を確保するため、外部燃料タンクを沖縄県沖15海里の水域に投棄した、その航空機は5月29日に嘉手納基地に無事着陸し、隊員に負傷者はいなかった、在沖米海軍は、燃料タンクの安全な回収に努めます、との説明を受けてます。防衛省としては、引き続き、新たな情報が得られ次第、関係自治体に対し、お知らせをしたいと考えております。
Q:昨日、参議院の予算委員会で大臣に有田議員の質問に対して、「沖縄の基地の騒音について尋ねられた際に、沖縄ではそんなにひどい騒音というのはなかったんですが」と答弁されていらっしゃったのですけれども、どういう意味合いでおっしゃったのかお伺いしたいと思います。
A:有田委員からは、沖縄の基地周辺でという騒音についてのご質問があったので、お答えをしたんですけれども、まず、普天間飛行場や嘉手納飛行場周辺をはじめ、航空機の騒音に係る問題につきましては、周辺住民の方々にとって大変深刻な問題であると、その軽減を図ることは大変重要な課題であると考えています。そして、私自身は、就任直後に沖縄を訪問した際、普天間飛行場や嘉手納飛行場を視察し、地元の首長さんから、直接、現場の声をお伺いしました。私自身は、たまたまこの日は、天候の問題もあって、戦闘機があまり飛んでいない状況だったので、直接、そういう状況を肌で感じることはなかったんですが、地元の岩国飛行場周辺で、地元の方々と話しをしている時に、エンジン音に身近に感じたことがあります、この時は離陸をするところだったと思うんですけれども、そのことを申し上げた次第です。その時は、本当に何て言うんですか、室内でバラックみたいなとこの事務室の室内だったと思うんですけど、2mぐらいの距離でもまったく声が聞こえなくなっちゃうような状況でありました。そのことも委員会の場ではお話をしたということであります。
Q:北朝鮮の核実験等の軍事動向についてお尋ねします。「防衛省は今月中にも核実験の準備が整う可能性がある」とこれまで見解を示してきましたが、5月も最終日になりまして、北朝鮮の最新の動向などについて、最新の情報などがありましたらお願いします。
A:北朝鮮の核実験の準備状況についてですけれども、早ければ5月中にも核実験を実施するための準備が整う可能性があるということを申し上げてまいりました。実際に核実験を実施する時期等について予断を持って申し上げることは困難であることを御理解をいただきたいと思います。いずれにせよ、北朝鮮は累次にわたりまして、核の武力の強化に言及しており、核開発を継続していく意図を有していることは明らかです。今後、核実験の実施も含めて、更なる挑発行動に出る可能性もあることから、防衛省としては、引き続き、米側とも緊密に連携しつつ、必要な情報の収集、分析、警戒監視に全力を挙げていくとともに、北朝鮮の完全な非核化に向けて、日米、日米韓で緊密に連携してまいります。
Q:今月、沖縄南方で航行を行った中国海軍の空母「遼寧」に関してお伺いいたします。中国国防省の呉報道官が26日の記者会見で、日本側が遼寧を近距離で追跡し、訓練の邪魔をするのは非常に危険で、思いがけない事件を引き起こすという趣旨のことを主張しました。政府として遼寧の警戒監視は適切に行われたのか教えてください。また、呉報道官は、日本が遼寧の写真を公表したことに関し、「遼寧の御用撮影師は要らない」として一切の妨害活動をやめるよう要求しましたが、改めて政府として写真を公開した意義を教えてください。
A:5月2日から21日にかけて、中国海軍の空母「遼寧」が活動し、その中で300回を超える戦闘機及び艦載ヘリの発着艦を行ったことを確認しました。このような中国の活動に関し、防衛省・自衛隊は、護衛艦「いずも」等による情報収集・警戒監視を行いました。わが国周辺海域における警戒監視・情報収集活動は、防衛・警備の観点から当然の活動であります。国際法に則って、安全に配慮した上で行っています。今回の「いずも」等による活動も適切に行われています。写真は、よっぽど気に入らなかったんですかね。今回の空母「遼寧」等の活動は、空母等の運用能力や、より遠方の海空域における作戦遂行能力の向上を企図した活動である可能性があり、わが国南西諸島及び台湾に近接した海空域における活動であることを踏まえれば、懸念をもって注視せざるを得ないと考えております。こうしたことを踏まえて、国民の皆様に、こうした空母等の活動について、分かりやすくお伝えする観点から、今回、写真と併せて公表を行っているところであります。防衛省として、中国軍のわが国周辺海域における動向について、引き続き、強い緊張感を持って、国際法に則って適切な警戒監視を行っていく考えであります。
Q:冒頭にご発表いただいた共同訓練、インド太平洋地域の共同訓練についてお伺いしたいんですけれども、聞き取り違いだったら恐縮なんですけども、ソロモン諸島やフィジーなどに寄港する予定という話があったかと思うんですが、この地域、中国がソロモン諸島と安全保障協定を結んだりですね、非常に関与を強めている地域だと思うんですが、この地域への関与を自衛隊としても強めることの意義についてお伺いできればなと思います。
A:IPD部隊としては初めて、陸上自衛隊が一部の訓練に参加するほか、昨年に引き続き太平洋島嶼国を訪問する中で、ソロモン諸島、トンガ王国、フィジーに初めて寄港する予定であります。わが国として、太平洋島嶼国との関係、これは非常に大事な関係でありますから、そういう「FOIP」の維持・強化も含めて、こうした太平洋島嶼国との関係を今後も強めていきたいと考えております。
以上