防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年5月25日(水)07:45~07:50
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は、本日5時59分頃、北朝鮮西岸付近から、1発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射しました。詳細は現在分析中であります。最高高度約550km程度、約300km程度飛翔し、落下したのは、北朝鮮東岸の日本海であり、わが国のEEZ外と推定されます。また、北朝鮮は、6時42分頃、西岸付近から、1発の弾道ミサイルを東方向に向けて発射しました。詳細については現在分析中ですが、最高高度約50km程度で、約750km程度を変則軌道で飛翔し、落下したのは、北朝鮮東側の日本海側であり、わが国のEEZ外と推定されます。以上の弾道ミサイル2発以外に、ミサイルを発射した可能性もあり、現在分析中であります。情報収集をし、分析しているところであります。今回の発射については、防衛省から、政府内、関係機関に対して、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されておりません。北朝鮮は、今年に入ってから、巡航ミサイルの発射を含めれば16回に及ぶ、極めて高い頻度で、かつ新たな態様で発射を繰り返しています。昨今の北朝鮮による核・ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できないだけでなく、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含めて、一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域の国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて許容できるものではありません。また、日米・米韓首脳会談や日米豪印首脳会合が開催された直後におけるこのようなミサイルの発射は、明らかに挑発行動であり、断じて許されません。さらに、新型コロナ感染症が拡大している状況にあっても、市民の命や暮らしを顧みることなく、核・ミサイル開発に注力し続けています。関連する安保理決議に違反するものであり、強く非難いたします。北朝鮮に対しては、大使館ルートを通じて抗議を行いました。総理には、本件について直ちに報告を行い、①情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、②航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、③不測の事態に備え、万全の態勢をとること、この3点についてご指示をいただきました。これを受け、私からは、①米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、②不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すこと、について指示を出しました。 防衛省として、引き続き関連情報の収集・分析に努めるとともに、警戒監視に全力を期してまいります。米国、韓国を始め、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命と平和な暮らしを断固として守り抜く決意であります。こうした状況を踏まえ、いわゆる敵基地攻撃能力も含めて、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:防衛省は近日中に長射程の弾道ミサイルを含む発射の可能性があると、以前から分析されていましたけれども、今回のミサイルの中にICBMが発射された可能性については、どのように今見ていらっしゃいますでしょうか。

A:ICBMの可能性についても今分析中であります。

Q:1発目と2発目に関しては、EEZの外ということですけれども、その2発目以外のその可能性というところに関しても、これはEEZの外、EEZ内に飛んできていることはないというふうに考えていてよろしいでしょうか。

A:これも今、状況について情報収集・分析中であります。

以上