防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年5月24日(火)19:25~19:32
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
中国及びロシア軍用機共同飛行実施後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 5月24日(火)、午前から午後にかけて、東シナ海から日本海に進出した中国の爆撃機の(H-6)2機が、日本海においてロシアの爆撃機(TU-95)2機と合流し、東シナ海まで共同飛行を行いました。その後、当該中国の爆撃機2機と入れ替わり、新たに飛来した推定中国の爆撃機(H-6)2機が当該ロシア爆撃機2機の合計4機が東シナ海から太平洋にかけての長距離にわたる共同飛行を実施したことを確認しました。また、同日、午前から午後にかけて、ロシアの情報収集機(IL-20)1機が北海道礼文島沖から能登半島沖までの公海上空を飛行していることが確認されました。これらに対して、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させるなど、継続的に監視を行いました。わが国周辺における中露両国によるこのような長距離にわたる共同飛行は令和3年11月以来4度目となります。日米豪印首脳会合が開催されている中での、このような両国の戦略爆撃機によるわが国近傍での軍事演習は、開催国たるわが国に対する示威(しい)行動を意図したものであります。また、このような行動が、QUAD首脳会合が開催されている最中に行われたことについては、これまでと比べ挑発度を増すものと考えています。また、国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中で、中国が侵略国であるロシアと共同する形でこのような行動に出ることは、懸念を抱かざるを得ず、看過することはできません。そして、それぞれ強力な軍事力を保有する中露両国の共同による軍事活動は各国の懸念を高めるものであり、何より、わが国を取り巻く安全保障環境が一層の厳しさを増していることを如実に示すものにほかならず、わが国として、安全保障上の観点から重大な懸念を有さざるを得ません。 中露両国に対して、外交ルートを通じて、このわが国の認識を述べつつ、中露両国の軍がわが国周辺で共同行動を継続していることに対して、わが国と地域の安全保障上の観点から重大な懸念を伝達いたしました。さらに、ロシア側に対しては、これらと併せて、ロシアによるウクライナ侵略に対する日本の立場を改めて述べつつ、このようにロシアがウクライナを巡る状況を緊迫化させている中で、さらに、東アジア地域の緊張を高めるような行動をとることは看過できない旨申し入れ、この観点からも重大な懸念を伝達しました。また、中国側に対して、ロシアによるウクライナ侵略に言及の上、中国が国際社会の平和と安全の維持に責任ある役割を果たすよう、改めて強く求めました。防衛省・自衛隊としては、引き続き、わが国の領土・領海・領空を断固として守るため、警戒監視に万全を期すとともに、国際法及び自衛隊法に従い、対領空侵犯措置に万全を期してまいります。

2 質疑応答

Q:東シナ海から4機が合流して太平洋に抜けたという御説明がありましたけども、日本の具体的にどの辺りを通過したというふうに見られているんでしょうか。

A:地図がないとちょっと示しにくいので、後程ピンナップをいたします。

Q:先ほどQUAD首脳会合につきまして言及がありましたけれども、昨日は日米首脳会談も行われまして、その中で中国を念頭に置いた日米同盟の強化ですとか、またバイデン大統領からも台湾に関与していく姿勢を表明されたりしておりました。そうしたこととの関係性についてはどのように御覧になっておりますでしょうか。

A:ちょうどそういう会合が行われている最中でございました。先ほどQUADのことについても申し上げたわけですけれども、まさに今回の件は、QUADが行われている中での共同行動であるということから、示威(しい)行動の意図は間違いないというふうに思いますけども、さらにその挑発の度合いをこれまでよりも増しているというふうに考えているところです。

Q:中露の関係については、ロシアのウクライナ侵略が長引くにつれて、中国のロシアよりの姿勢から、国際世論に配慮したような姿勢に変わったようにも見えたんですが、そういった中で、こういったウクライナ侵略後に中露で共同するというのは、どういった意図があるというふうに考えてらっしゃるでしょうか。

A:国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中で、中国が侵略国であるロシアに協調する形でこのようなものが行われました。そのこと自体は懸念を抱かざるを得ず、看過することはできないと考えております。

Q:今回は領空侵犯は無かったということでよろしいでしょうか。

A:領空侵犯は無かったです。

以上