防衛大臣記者会見

日時
令和4年5月24日(火)09:51~10:08
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 先週金曜日にJAXAからも発表がありました、7月23日に、JAXAの内之浦宇宙空間観測所で、国内初となりますスクラムジェットエンジンの燃焼試験が実施される予定であります。この試験は、防衛省の安全保障技術研究機構推進制度(※)により、JAXAに委託した研究の一環として行われるものであります。今回の試験は、わが国のスクラムジェットエンジン技術、極超音速技術が着実に高まっていること、安全保障技術研究推進制度を通じた防衛省による基礎研究への投資の成果が表れていることを示すものであります。今回の試験を通じ、本研究の成果が、極超音速誘導弾などの研究開発に活用できることを期待します。わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、将来にわたってわが国防衛を全うするためには、わが国の防衛力を抜本的に強化していくことが急務です。防衛省として、将来の脅威もしっかりと見据えて、必要な能力の獲得に向けた研究開発を着実に、速やかに推進してまいります。

2 質疑応答

Q:昨日の日米首脳会談後の共同会見で岸田総理が防衛費の相当な増額を確保することを表明して、バイデン大統領から支持を受けましたが、このことに関しての大臣の受け止めをお願いいたします。

A:昨日の首脳会談では、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中で、日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化していくことで一致をしたと承知をしております。また、会談の中で、岸田総理から、日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意が表明され、バイデン大統領から、これに対する強い支持を得た上で、日米同盟の安全保障・防衛協力を拡大・深化させていくことで一致したと承知をしております。防衛省としては、今回の首脳会談や先般の日米「2+2」、日米防衛相会談等の成果を、新たな国家安全保障戦略等の策定、わが国の防衛力の抜本的強化の議論に生かしていくとともに、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化に向けて、スピード感をもって取り組んでまいります。

Q:日米首脳会談について関連でお伺いします。バイデン大統領がですね、中国が武力で台湾統一を図ろうとした場合に、軍事的に関与する考えを示した発言についてですね、中国が強く反発しています。従来のアメリカの曖昧戦略から踏み込んだものだとの見方も出ていますが、受け止めがありましたらお願いします。

A:バイデン大統領の発言にコメントすることは差し控えますが、今般の日米首脳会談では、日米首脳は、台湾に関する両国の基本的な立場に変更はないということを確認し、国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸関係の平和的解決を促したものと承知をしております。台湾海峡の平和と安定は、日本の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要なことであります。今後とも、米国を始めとする同盟国・同志国と緊密に連携しながら、両岸関係の推移を注視してまいります。

Q:日米の共同声明について追加でお伺いします。日米同盟の文脈で、「日米は共に戦略を整合させ、目標を優先付けることなどにより、同盟を絶えず現代化させ、二国間の役割や任務を進化させる」という文言が入りました。これまで総理や大臣は二国間の役割分担を変えないということで答弁されていますけれども、二国間の役割や任務の進化という文言について大臣の今後のイメージと受け止めをお願いします。

A:日米の基本的な役割分担は変えないということについては、これは変わらないと、今後もそのまま引き継がれると考えております。日米で共に戦略を整合させ、目標を優先付けることなどによって、同盟を絶えず現代化させ、二国間の役割及び任務を進化させ、共同の能力を強化していくことを表明したものと承知をしております。今後とも、日米間で協議を行ってまいりますが、例えば、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、わが国が自らを守る体制を主体的・自主的な努力により抜本的に強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図っていくことが必要であります。同時に、これこそが、日米同盟の下でのわが国の役割を十分に果たし、その抑止力と対処力を一層強化していく道であると考えます。会談において、岸田総理から、日本の防衛力を抜本的に強化する決意が表明されたところであります。今回の首脳会談等の成果を、新たな国家安保戦略の策定、わが国の防衛力の抜本的強化の議論に生かしていくとともに、引き続き日米間で緊密に協議を重ねながら、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化に向けて、スピード感をもって取り組んでまいります。

Q:関連して、日米首脳会談後の記者会見の中でですね、岸田総理は「敵基地攻撃能力」に関して「反撃能力」という言葉を使って、バイデン大統領に説明した旨を紹介しておりました。これをもって、政府として「反撃能力」という言葉を使っていくのか、また、防衛省、大臣としてどういうふうに考えているのでしょうか。

A:いわゆる「敵基地攻撃能力」という名称は、広くこれまで一般的に用いられてきたものであります。その上で、自民党において、「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」において、「反撃能力」の保有について提言しております。総理は、こうした提言も踏まえて、「いわゆる「反撃能力」を含めて、あらゆる選択肢を排除しない」と述べたられたものと承知をしております。いずれにしても、あらゆる選択肢について、名称も含めて検討していくことに変わりはございません。引き続き、新たな国家安全保障戦略の策定にあたり、その過程で議論をしてまいります。

Q:日米首脳会談の関連なんですけれども、共同声明の方で、米軍普天間飛行場の移設をですね、唯一の解決策ということで、米軍の海兵隊のグアム移転を含む在日米軍再編を着実に進めるということも盛り込まれています。こういう内容が盛り込まれたことについての大臣のコメントをいただけますでしょうか。

A:沖縄における基地負担の軽減ということは、政府の最優先の課題の一つであります。今後ともそういったことをしっかりと引き継いでまいりたいと考えておるところであります。

Q:防衛省は、昨日、海自鹿屋航空基地に米無人機MQ-9の一時展開させる意向を地元に伝えられました。7月頃から一年間ということで、日米で合意しているということですけれども、長期駐留や常駐化の懸念もありますが、この一年限りと説明される根拠をお示しください。また、地元に正式に説明されて、わずか、2か月後には配備をされたいという考えを示されたわけですが、地元首長や議会、鹿児島県知事の同意は一時展開のための必須条件というふうに考えてらっしゃるのかどうか、お聞かせください。

A:1年間の一時展開ということでございますが、基本的に本年7月頃から一年間でありまして、日本における運用が一時的なものであることを日米間で確認をしております。日米間で運用に必要な準備が整い次第、速やかに展開を開始したいと考えているところであります。それから、地元の方々への説明でありますけれども、米軍の活動について、地元自治体のご理解をいただきながら行っていくべきものであることは当然のことであります。防衛省として、地元の皆様からのご意見を伺いながら、引き続き、MQ-9の鹿屋基地への一時展開について、地元の皆様の一層のご理解を得るべく、一層丁寧に説明をし、ご理解をいただけるように努めてまいりたいと考えております。

Q:先程の「反撃能力」の件について、お尋ねします。昨日、岸田総理があえて「敵基地攻撃能力」ではなくて「反撃能力」という言葉を使ったことに対して、大臣のお考えとしては、今後の議論への期待も含めて、総理が昨日「反撃能力」という言葉を使った意義についてお考えを教えていただけないでしょうか。

A:一つは自民党からの提言を真摯に受け止めておられるということだと思いますが、言葉の使い方でありますから、その時々に最も適切な言葉を選んで使われていると、そういうことで理解をしております。

Q:先週末に弊社とフジニュースネットワークが行った合同世論調査についてお伺いいたします。政府が検討するいわゆる「敵基地攻撃能力」の保有の是非を尋ねたところ、必要とする回答が64.7%に上りました。1月の調査では、「敵基地攻撃能力を持つべきだ」と答えた人は43.5%であったため2割以上増えたことになります。この間にはロシアによるウクライナ侵攻もありその影響もあると思われますけれども、「敵基地攻撃能力」の保有について世論の理解が広がっていると思われることについて見解をお願いいたします。

A:世論調査の結果についてコメントすることは差し控えますが、政府としては、急速なスピードで変化しているミサイルなどの技術に対しても、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討しているところであり、新たな国家安全保障戦略等の策定をしていく過程の中で、国民の皆様にしっかりと説明をしてまいります。

Q:バイデン大統領は昨日の共同記者会見で、台湾有事が起きた際には、米国が軍事的に関与するかを問われ、「イエス、それが我々の約束だ」と発言し、岸田総理は「日本としても拡大抑止を始めとするアメリカの対応を信頼している」と述べました。これは米国が中国に対して軍事行動を起こすならば自衛隊も参戦せざるを得ないということでしょうか。バイデン大統領の発言と岸田総理の発言をどのように捉えられるか、岸大臣のご説明をお聞かせください。

A:拡大抑止の重要性については、既に両首脳間でも一致をされているところであります。そうした立場を岸田総理からはですね、特に台湾問題については、台湾海峡の平和と安定の重要性について、改めて認識を一致させておられるところでございますが、そういったことを述べられているというふうに承知をしております。

※下線部:修正事項(安全保障技術研究機構推進制度→安全保障技術研究推進制度)

以上