防衛大臣記者会見

日時
令和4年5月17日(火)09:35~09:42
場所
参議院分館1階エントランス
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし

2 質疑応答

Q:航空自衛隊のF-2戦闘機の後継となる次期戦闘機についてですね、イギリスの「BAEシステムズ」が参画をして、日英で共同開発する方向で調整に入ったとの報道がありますが、事実関係をお願いいたします。

A:次期戦闘機の開発につきましては、日英防衛当局間で、エンジンを含むサブシステムの協力の拡大の可能性について判断するため、本年1月より、技術的検討など着実に進めているところでございます。これらの成果を踏まえて、本年末までに協力の全体像について合意することで、先般、日英首脳間で一致をしたところであります。引き続き、年末の合意に向けて、日英防衛当局間で協議を進めていることから、現時点で日英共同開発の可能性について予断するようなことを申し上げる段階ではありませんけれども、わが国と同じく、米国の同盟国である英国とは、様々な協力の可能性を追求してまいります。

Q:沖縄県内にある米軍の弾薬庫について、自衛隊と共有するという案が報道されたんですけれども、この協議の進展状況と今後、逆に自衛隊の施設を米軍が使うという方向で、考えていく可能性もあるのか、教えてください。

A:報道については承知をしているところでございます。在日米軍と自衛隊による施設・区域の共同使用は、運用に係る緊密な日米間の調整、相互運用性の拡大などの観点から、充実すべき日米協力分野の一つであります。これまでも様々な検討を行ってきており、具体的な取組も進展しておるところです。共同使用の検討にあたっては、特定の地域を排除することなく、沖縄を含む日本全国の施設・区域について、幅広く、様々な可能性を検討してまいりますが、日米間の具体的なやり取りや検討状況については、仮に対外的に明らかにした場合、米国政府との信頼関係が損なわれるおそれがあることや、また、地元に対し無用の懸念を生じさせる可能性があることなどから、お答えできないことを御理解いただきたいと思います。

Q:中国の空母「遼寧」が、太平洋の方に展開して随分経ちましたけれども、最新の情報と、あとこれまでの警戒監視で何か意図など見えてきているものがあれば、お教えください。

A:防衛省・自衛隊は、中国海軍空母の「遼寧」等8隻の中国海軍艦艇が、5月2日に沖縄本島と宮古島の間を太平洋に向けて南下した上で、3日から15日の間、沖縄県沖大東島の南西約160kmから、石垣島の南約150kmの、これまで確認された中で最もわが国に接近した海域において、空母「遼寧」の艦載戦闘機及び艦載ヘリが200回を超える発着艦を実施したことを確認しました。防衛省・自衛隊は、護衛艦「いずも」により情報収集、警戒監視を行うとともに、戦闘機を緊急発進させる等を行いました。今般の中国海軍の活動は、空母等の運用能力や、より遠方の海空域における作戦遂行能力の向上を企図した活動である可能性があり、わが国の南西諸島及び台湾に近接した海空域における活動であることを踏まえれば、このような活動は懸念をもって注視せざるを得ないと考えております。防衛省として、中国軍のわが国周辺海域における動向について、引き続き強い警戒感を持って、監視にあたっていく考えであります。

Q:米軍普天間飛行場の名護市辺野古の移設に関連でお伺いします。先日から出されていた埋め立て変更承認申請の関係なんですけれども、沖縄県が不承認処分として、その後国土交通大臣から取り消しの裁決とですね、是正指示というものが出されていますけれども、その取り消しの裁決については既に国地方係争処理委員会という、総務省の第三者機関に申し出てますが、新たにその後に出ている是正指示についても、沖縄県側が係争処理委員会に申し出るという方針を示しています。改めて大臣の受け止めをお願いします。

A:御指摘の件につきましては承知をしてるところでございますが、沖縄県と国交省とのやり取りにつきまして、防衛省としてお答えすべき立場にないことを御理解いただきたいと思います。防衛省として、引き続き、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の1日も早い早期返還の実現のために、辺野古の移設に向けた工事を着実に進めてまいりたいと考えております。

Q:「遼寧」に関してなんですけれども、防衛省からですね、中国側に対して懸念を伝えたり、あるいは、これから伝える意向があるかについて教えてください。

A:外交的には何をするかについては、確認して申し上げます。

Q:今のところは、やっていないという理解ですか。

A:緊張感をもって、警戒監視を行っております。

以上