防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年5月12日(木)19:38~19:42
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の岸防衛大臣臨時会見(1回目)

1 質疑応答

Q:北朝鮮が、弾道ミサイルを発射したと見られていますが、ミサイルの情報と被害の状況など、現在分かっているものがあれば教えてください。

A:北朝鮮は、本日18時28分頃、北朝鮮の西岸付近から、3発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射をいたしました。詳細については現在分析中であります。最高高度約100km程度、距離は通常の弾道軌道だとすれば、約350km程度飛翔し、落下したのは、北朝鮮の東岸の日本海であり、わが国の排他的経済水域外と推定されます。また、防衛省から、政府内及び関係機関に対して、速やかに情報の共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されていません。北朝鮮は、今年に入ってから、巡航ミサイルの発射の発表も含めれば15回に及ぶ、極めて高い頻度で、かつ新たな態様での発射を繰り返しています。昨今の北朝鮮による核・ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できないばかりではなく、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域及び国際社会の平和と安定を脅かすものであり、断じて容認できません。また、ウクライナへの侵略が発生している中で、立て続けにミサイルを発射していることは許されることではありません。関連する安保理決議に違反するものであり、強く非難をいたします。北朝鮮に対して、北京の「大使館」ルートを通じて抗議を行いました。総理には、本件について直ちに報告を行い、総理からは、①情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、②航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、③不測の事態に備え、万全の態勢をとること、この3点について指示がありました。これを受けて、私からは、①米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、②不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すこと、について指示を出しました。防衛省としては、引き続き関連情報の収集・分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国を始め、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意であります。こうした状況を踏まえ、いわゆる敵基地攻撃能力も含めて、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

以上