防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年4月12日(火)21:00~21:08
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
日伊防衛相会談後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、午後7時から約100分間にわたりまして、グエリーニ・イタリア国防大臣と会談を実施をいたしました。イタリアは、同国のインド太平洋地域における政策において、この地域の重要性を確認するとともに、日本との協力を重視しています。今回のグエリーニ大臣の訪日は、まさに、このイタリアの方針を目に見える形で示すものであり、わが国として歓迎いたします。わが国としては、「FOIP」の維持・強化のため、欧州諸国の関与を一層強固かつ不可逆的なものにしていきたいと考えており、本日のグエリーニ大臣との会談においても、日伊防衛協力・交流を更に進展させていくことを確認をいたしました。また、欧州及びインド太平洋地域における情勢についても意見交換を行い、特にウクライナ情勢に関し、今回のロシアによるウクライナの侵略は、国際法と国連憲章の深刻な違反であるとともに、このような力による一方的な現状変更は、欧州のみならずアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがすものであり、断じて認められず、日本やイタリアをはじめとする基本的価値を共有する国々が、一致団結して対応することが極めて重要であるとの認識で一致をいたしました。インド太平洋地域の情勢についても、力を背景とした一方的な現状変更の試みや、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対することで一致をいたしました。さらに、北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射は、国連安保理決議違反であり、国際社会全体にとって深刻な課題であるとの認識で一致をいたしました。日本とイタリアは、ともに国際社会に大きな責任を有するG7のメンバー国であり、引き続き緊密に連携をとってまいります。

2 質疑応答

Q:想定よりもちょっと時間が長かったようですけれども、今回対面でのですね、会談を終えて率直な御所感があればお願いします。

A:想定より相当長かったんですけれども、わざわざヨーロッパからきていただいて、対面で今日会談をすることができました。その中で、特にEUのメンバー国であるイタリア、このインド太平洋地域への関与というものを非常に重視をしています。そういう意味で、我々としても、そういうイタリアの政策について、歓迎を申し上げました。また、そのウクライナに関して言えば、ロシアのウクライナ侵略は、欧州のみならず、アジアを含む国際社会の根幹を揺るがすものであり、基本的価値観を共有する国々が一致団結して対応している。このことが極めて重要であるという認識について一致をしたところであります。非常にその点は、力強かったと思います。

Q:防衛協力を更に推進していくことを確認したということですけれども、具体的に共同訓練ですとか、装備品協力とか、なんらか何か念頭にあるものがありましたらお願いします。

A:共同訓練もその一つだと思いますけども、それとともに、装備品、これについての共同開発についても言及がありました。

Q:共同開発も、なんらかの装備品に関して進めていきたいということですかね。

A:具体的には、F-X次期戦闘機についての共同開発についての関心を示されたところであります。

Q:次期戦闘機は、すでにイギリスとも米国とも協力しておりますけども、何か念頭にある部位とかあるでしょうか。

A:具体的なことは、今、お話することは差し控えさせて頂きたいと思います。

Q:ロシアのプーチン大統領が、ルカシェンコ大統領と会談を行っているというふうに報じられていますけれども、最新のロシアの状況について何か意見交換というのはあったのでしょうか。

A:様々意見交換をいたしました。その詳細については、相手のあることですから、差し控えさせて頂きたいと思います。

Q:今、様々なウクライナ支援に関してですね、意見交換をなさったと仰ってたんですけれども、会談の中で、両国ともウクライナの方に装備品の供与をなさってらっしゃいまして、イタリアの方はもう少し強力な装備品を、兵器をですね、供与するとか、日本の方も攻撃的な装備品を供与を考えるとか、そういうようなことは会談に話題になりましたでしょうか。

A:今般のロシアによるウクライナ侵略は、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。国際社会が一致して団結する、毅然とした行動をとるとういうことが大変重要であります。わが国も、防弾チョッキやヘルメットなどの装備品等を提供したところであります。今後とも、困難に直面するウクライナの方々を支えるために、防衛省としてもできる限りの支援を行っていきたいと考えております。

Q:イタリア側の方は何か仰ってましたか。

A:イタリアはウクライナに対して、5000万ユーロ相当の装備品を提供し、また、1億1000万ユーロの財政支援を実施したものと承知をしております。

Q:ウクライナに関してですけども、ロシアがウクライナで化学兵器を使用したという情報があります。日本政府として、今、把握している状況と、今日のイタリアとの会談でお話になりましたでしょうか。2件お願いします。

A:その点については、まだ直接承知をしておりませんので、本日会談では述べておりません。

以上