防衛大臣記者会見

日時
令和4年4月12日(火)09:34~09:42
場所
参議院分館1階エントランス
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 日伊防衛相会談の実施についてであります。本日の午後7時から、訪日中のグエリーニ・イタリア国防大臣と会談を実施する予定です。イタリアは近年、同国の政策において、インド太平洋地域及び日本との協力を重視しています。ともに国際社会に大きな責任を有するG7のメンバー国として、イタリアとの間で、安全保障・防衛協力や、ウクライナ情勢を含む地域情勢等について幅広く議論をし、両国の連携を一層強化したいと考えています。

2 質疑応答

Q:昨日ですね自民党本部の方で、安保の調査会がございまして、いわゆる「敵基地攻撃能力」について議論を進めていると思います。政府として、今後防衛大臣としてですね、どうようにこの議論見守っていって、期待したいこと、またどう受け止めていきたいかよろしくお願いいたします。

A:自民党内の国家安全保障戦略等の策定に向けた議論を行っていることは承知をしておりますが、その中身について私の方からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、政府としては、急速なスピードで進化しているミサイルなどの技術に対して、国民の暮らしや命を守るために十分な備えができているのか、新たな国家安全保障戦略等の策定をする中で、いわゆる「敵基地攻撃能力」を含め、あらゆる選択肢を排除せずに、現実的に検討しているところであります。今後とも与党からの御意見は受け止めながら、引き続きしっかり議論をしてまいりたいと思います。

Q:辺野古の新基地建設についてお伺いします。辺野古の新基地建設の最新の埋め立ての進捗状況を教えてください。計画上の土砂必要量全体に対する区域②-1と区域②の土砂投入量も教えてください。合わせて先週末に国交省が、埋立変更承認申請を不承認とした沖縄県の処分を取り消す裁決を下しましたが、防衛省としての辺野古新基地建設の今後の方針について改めて教えてください。

A:まず、キャンプ・シュワブの南側の埋立工事については、着実に進めてきているところです。令和4年の3月末時点で、キャンプ・シュワブ北側を含める全体の土砂量である約2,018万立米に対しまして、埋立地域の②-1及び②-2の合計として203万立米の土砂を投入したところであります。キャンプ・シュワブの地盤改良については、沖縄防衛局が行っていた変更承認申請につき、4月8日に沖縄県の不承認処分を取り消すとの裁決が行われたところです。今後、沖縄県において適切な対応をしていただけるものと思います。防衛省としては、引き続き、地元の皆様のご理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の1日も早い返還を実現すべく、工事を着実に進めていきたいと考えています。

Q:昨日の自民党の安全保障調査会の関係なんですけれども、「敵基地攻撃」とも関連して、「専守防衛」について言葉を変えるべきだとか、解釈を変えるべきだといった意見も出たようですけれども、大臣の考え方をお願いいたします。

A:そうしたことも、これ党の議論でもございます。今後ともですね、与党の御意見も受け止めながら、引き続きしっかり議論してまいりたいと考えております。

Q:先ほどの質問にちょっと戻るんですけれども、今日で米軍普天間飛行場のですね、沖縄県の、返還の合意から26年になります。四半世紀以上たっても今も返還が実現されていないわけですけれども、返還が実現していない、最初5年から7年以内という期限が明示されていましたけれども、それをとうに過ぎている最大の原因みたいなものはどこにあるというふうに大臣お考えでしょうか。

A:まず、返還につきましては、平成8年の橋本総理とモンデール大使との間の会談で合意したものであります。この時期から26年経過をしていると、現在に至るまで政府としては地元の要望を伺いながら、早期の返還に向けて努力を続けているところでございます。普天間飛行場の固定化は絶対にあってはならない、避けなければならないとの認識のもとで、引き続き辺野古への移設工事を進め、1日も早い返還を実現させていきたいと考えているところであります。

Q:鹿児島県の馬毛島基地整備計画をめぐって昨日と今日、防衛省と地元の西之表市が、米軍岩国基地の視察と協議を行っていますけれども、過去3回の協議と同様、今回も非公開です。地元住民への透明性確保が協議の大きな目的だったと思いますけれども、なぜ非公開協議が続いているのか、国としてこの馬毛島計画の透明性の確保ができているか、どのようにお考えかお聞かせください。

A:昨日と本日、岩国飛行場周辺で第4回の協議の場を行っています。今回の協議の場では、岩国飛行場周辺の様々な場所を視察予定であります。地元の方々の御迷惑をおかけすることのないように、予め訪問先をお答えすることは差し控えさせていただいております。一方で、本日午後の協議終了後には、現地においてマスコミ各社からの取材を受ける旨、御案内しているとの報告を受けています。どのような施設を視察したのかといった協議の概要はその際に、しっかりと御説明させていただくと思います。

Q:ぶら下がりの対応で透明性の確保が図れるというお考えということですか。

A:皆様に十分御説明できると思います。

Q:普天間飛行場の関連でお伺いするんですけれども、辺野古移設については、政府の試算でも最大12年かかるということで、2030年代半ば以降の完成となる、早くてもその見通しなんですけれども、沖縄県は辺野古移設では早期の返還にはつながらないというふうにいって、辺野古以外での解決を検討して欲しいと求めているんですけれども、これについて検討するお考えはないのか教えていただけますか。

A:これまでも政府としてですね、沖縄県との話し合いも含めて、辺野古移設が唯一の手段であるということを申し上げてきましたし、そういう考えに変わりはございません。

以上