防衛大臣記者会見

日時
令和4年4月8日(金)09:41~09:58
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし

2 質疑応答

Q:アメリカのソン・キム北朝鮮担当特別代表が一昨日、北朝鮮が15日の故金日成主席生誕110周年の記念日に合わせて、ミサイル発射や核実験をするかもしれない、更なる挑発行為を懸念していると述べています。また、アメリカは近く実施予定の米韓合同軍事演習が北朝鮮が口実にされる可能性もあるとみて警戒を強めていますが、防衛省・自衛隊としての警戒態勢など、お聞かせください。

A:米高官の発言については承知しておりますけれども、一つ一つにコメントすることは差し控えさせていただきます。その上で、北朝鮮は、国際社会に背を向けて核や弾道ミサイル開発のための活動を継続する姿勢を依然として崩していないことから、さらなる挑発活動に出る可能性もあると考えられます。防衛省として、北朝鮮の軍事動向について、引き続き必要な情報の収集・分析及び警戒監視に全力を挙げていくとともに、北朝鮮の完全な非核化に向けて、米国等とも緊密に連携してまいります。

Q:昨日も官房長官の会見で話していたと思うんですけれども、陸幕が作成したグレーゾーン事態に関してのですね、資料の中で、「反戦デモ」を脅威の対象として挙げたことが不適切だというふうに長官も批判しておいでなんですけども、これ「報道」に関しては、全くスルーなんですよね。陸幕の方で資料直したという時に「反戦デモ」はこれ修正したんですけれども、「報道」は「報道」でそのまま残っているんですけれども、これ日本政府及び防衛省としては、「報道」というのは敵なんでしょうか。敵もしくは脅威というふうに考えてらっしゃるんでしょうか。

A:ご指摘の資料について、現時点で確認出来ておらず、お答えすることは困難でありますが、いずれにしても、令和2年2月の陸幕による勉強会において使用された資料に記載された、「反戦デモ」について、合法的に行われている場合も含めて、一様にグレーゾーンの事態の例として記述されたことは誤解を招く表現であって、その意味において不適切であったと考えています。防衛省としては、対外説明の際に、このような誤解を招く表現を使用しないことが重要であると考えており、正確でわかりやすい情報提供に努めてまいります。

Q:大臣、お尋ねしているのは、「反戦デモ」の暴動でなくて、「報道」なんですよ。「報道」に関しては、官房長官も無視をしているというのは、問題ないというふうに考えてらっしゃるじゃないですか。それから、そもそも、記者クラブ向けの勉強会だと思うんですけれども、「報道」の中に記者クラブは入っているんですか。陸幕としては悪気が無かったんじゃないでしょうかね。記者クラブは身内で、ある意味、行政の広報担当している機関であって、「報道」ではないという認識ではなかったんじゃないでしょうか。違うんでしょうか。

A:これは勉強会であったと思います。そういう意味で、気持ちの上で、緩みがあった部分というのはあったと思いますけれども、いずれにしても、表現が適切ではなかったということだと思います。

Q:松野長官の、この発言に関しては対象としているのは反戦デモだけというふうに言っているというのは、閣僚の一人として問題ないというふうにお考えですか。

A:その点については、お答えを差し控えさせていただきます。

Q:林外務大臣が6日から7日にかけてベルギーで行われているNATO外相会合にNATOメンバーではありませんが、パートナー国として韓国、ニュージーランド、オーストラリアとともに参加しています。日本を含め、アジアの国が参加するのは、中国に対してロシアへの支援を行わないように牽制する意図があるのではないかと報じられていますが、大臣の御自身の認識、今回のNATO外相会合参加の意図をお聞かせください。

A:その問題につきましては、わが国の外交上の問題ですので外務省にお尋ねいただいた方がいいと思います。

Q:昨日の自民党の安全保障調査会で、防衛計画の大綱の改訂、米国のような国家防衛戦略の策定をするよう求めるという方向性が示されました。これについて、政府として検討するお考えはあるか、お聞かせください。

A:ご存じの通り、政府でですね、国家安保戦略、防衛大綱、中期防の3文書について検討中でございます。これをしっかりまず、一年かけて検討をしていくということでございます。

Q:1日に新設した「グローバル戦略情報官」についてお尋ねします。以前の説明で国際情勢を多面的・横断的に収集・分析するという説明がありましたけども、具体的にどんなことを行っていくとを想定してるんでしょうか。今、ウクライナ侵攻を巡るフェイクニュースも溢れている中で、どのような役割を担っていくことを期待しているのか。改めて位置づけを教えてください。

A:「グローバル戦略情報官」につきましては、4月1日に御指摘の通りですね、国際情勢を多面的・横断的に収集・分析するためのポストとして、防政局調査課に新設しました。ロシアによるウクライナ侵攻については、ロシアがいわゆる「偽旗作戦」と呼ばれるような行為を行っているとの指摘があるほか、様々な非軍事的手段を軍事的手段と組み合わせた、いわゆる「ハイブリッド戦」の様相を呈しています。具体的な分析手法についてはお答えを差し控えますが、防衛省としては平素から電波情報、画像情報、公刊情報などのさまざまな情報を収集し、オールソースで軍事情勢の分析を行ってきているところ、フェイクニュースについてもこのような防衛省の強みを生かして分析を行っていきたいと考えています。

Q:防衛省が申請をした、アメリカ軍普天間基地の移設計画の設計変更を沖縄県が不承認としたことについて、埋め立ての法律を所管する国土交通省が、今日にも県の不承認を取り消す方針を固めました。移設を進めるため軟弱基盤の改良が必要とする防衛省の主張を認める判断となるかと思うんですがこの受け止めと、沖縄県が対抗措置に出る可能性があることについての見解をお願いします。

A:昨年12月に沖縄防衛局が国土交通省に行いました審査請求については、現在、審査の手続き中であると承知をしております。公有水面埋立法の所管大臣である国交大臣において、法律に従って手続きが行われているものと承知をしております。

Q:前述以来、自民党の方に防衛費をGDP比2%に上げるというお話が盛り上がってるかと思うんですが、これ以前もお尋ねしたんですけども、2%の算定基準というのはNATOの基準なのか、それとも従来のわが国の算定基準なのか。それから概算要求における事項要求を含めるのか。あと本予算とは別に補正予算でかなりの物を買ってらっしゃいますけども、これは含めるんでしょうか。この辺は防衛省の意向としてはどういう形で考えてらっしゃるんでしょうか。

A:まず2%の基準については、NATOにおいてはですね、それぞれの国の経済規模に応じて負担をしていると俯瞰しますと、合理性というものはあるんだと思います。党の言っております2%についても、このNATO基準だという意味でお話になってるんだと思います。

Q:ということはNATOの基準での、今の日本の防衛費の比率でいうと1.3%くらいになりますよね。この基準で考えてらっしゃるというふうに了解していいんでしょうか。

A:党で話していることですから、党の方にお尋ねいただきたいと思いますが、いずれにしても予算のあり方については、現在、鋭意検討中でございます。

Q:補正予算今年で、昨年度の補正予算の場合だと7,000億円以上装備を買っているんですけども、これ従来の統計なんかで見ていると防衛費に入ってないんですよね。これを含めるか含めないかでかなり数字が上下するかと思うんですけども、防衛省としてこれ含めるべきか、含めないべきか、どちらの方で御判断されるんでしょうか。

A:今年度は補正予算の話にまだなっておりませんので。

Q:昨年度の補正予算です。7,000億円以上装備を買っていますよね、P-1とかC-2とか。

A:説明の仕方についてはですね、透明性をもって行ってまいりたいと考えております。

Q:今のGDP比の関係なんですけども、防衛力の抜本的強化に向けた検討を進められているということなんですが、その目標値としてGDP比を掲げることの是非について大臣自身のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

A:これまでも防衛省としてGDP比という考え方はとっておりませんけども、わが国としても、わが国を守り抜くために必要な防衛費をしっかりと手当てしてまりたいと思います。

Q:4日付の産経新聞が、防衛省が民間企業が持つ先端技術の装備品への活用を進めるため認証制度などを創設することが4日分かったと報じています。民間側から最先端技術を使用したシステムや防衛装備品に特化した技術について提案を受け付ける、防衛省は緊急性や重要性の高い案件を特区対象事業として認証、新設する省内横断型の特区推進支援として政策としてまとめ、研究開発と試作品を経て可能な限り早期の装備化に漕ぎつけるとのことで、ドローンやスタンドオフミサイル、電磁波やAIを想定しているそうですが、まずこの産経の報道は事実でしょうか。次に、もし事実であれば昨日衆院を通過した経済安保法案を先取りしたような中身だと思えるのですが、この特区対象事業の認証とは経済安保法案の協議会を設置した上での、伴走支援と同じものだと考えてよいでしょうか。また、3月31日の衆院内閣委の参考質疑では、井原聡東北大学名誉教授が軍民両用にあたる場合、科学研究者が良心に従って当該企業から身を引く権利があることを指摘しましたが、この特区対象事業の場合、防衛省の研究者や従業員に離脱の自由はあるのでしょうか。

A:防衛省においてはですね、装備の高度化に対応するために、様々な施策を実施をしております。詳細については、事務方からお答えをいたします。

Q:ウクライナ情勢に関して質問します。防衛省の方からウクライナの方に対する供与協力として、防弾チョッキ及びヘルメットを出したかと思うんですけども、これらに関してですね、使用された後のですね、例えば防弾の効果であるとか、そういうリサーチというのはされる意図はあるんでしょうか。

A:特にそのようなことを考えておりません。

Q:わが国の装備、非常に実戦に即してないという批判が過去多いです。つまり、もちろん米軍のように、実戦をしてませんから。今回、そのようなデータが取れる絶好のチャンス、言い方悪いと思いますけれども、人体実験ですよね。それを全く調査をしないというのは、非常にもったいないし、将来の装備開発に問題が出てくるんではないでしょうか。

A:人体実験というのは、過ぎるんじゃないでしょうか。

Q:ただ、実際問題として、実戦してませんから、ですからそれは言い方に問題あるかもという意味で私も前置きしてますけれども、実際、打たれた時っているのは、実際、日本ではあり得ない話じゃないですか。そういうデータを取れる機会をこれを無視していいんですか、という話なんですけれども。

A:装備品につきましては、わが国でしっかり試験をした上で、わが国の基準に合わせております。

Q:実際問題として、今のヘルメット、自衛隊の88式ですけれども、小銃で打たれると5センチへこみます。完全に脳挫傷起こします。そして、今、普通の国では、小銃弾の衝撃に対して、パッドを入れてこう対応するんですが、自衛隊は旧来式のハンモック式です。非常に遅れております。こういうところを見て、リサーチしなくても問題ないというふうに認識されているというのは、非常に私は問題かと思うんですが、いかがでしょうか。

A:装備品の詳細については、事務方からお答えいたしますので、お問い合わせ下さい。

 

以上