防衛大臣記者会見

日時
令和4年4月5日(火)09:26~09:35
場所
参議院分館1階エントランス
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 今月9日(土)、フィリピンとの間で「2+2」を行います。また、これに先立ち、7日に、ロレンザーナ国防大臣と対面で日比防衛相会談を実施をいたします。会談では、地域情勢や二国間防衛協力・交流について議論をしたいと考えています。また、「2+2」の実施は、フィリピンとの間では初めて、東南アジア諸国の中では、インドネシアに次いで2か国目となります。今回の一連の会談を機に、安全保障上、大きな意義を有する同国との協力関係を更に発展させていきたいと考えています。

2 質疑応答

Q:今日、ウクライナの避難民の方が政府専用機で日本に到着されますが、改めて人数等の詳細と法的枠組みについて教えていただけますか。

A:本日、総理特使としての外務大臣のポーランド訪問に当たりまして、令和4年4月1日から4月5日までの間、政府専用機の運用を実施をしているところでございます。ポーランドからの復路の運航に当たり、日本への避難を切に希望しているものの、現在自力で渡航手段を確保することが困難な20名の避難民の方々に、政府専用機に乗っていただくことになりました。わが国としては、ウクライナ及び避難民を受け入れる近隣諸国に寄り添った支援を引き続き実施していく考えであり、防衛省・自衛隊としてもできる限りの支援を行っていく考えです。

Q:先日、現職の防衛大臣として初めて、FCLP移転の整備地と決定しました馬毛島に上陸されたと思うんですけれども、種子島1市2町の首長とも協議をされたと思うんですけれども、今回の出張の所感と意義、感想などお伺いできますでしょうか。

A:今回の訪問において、種子島を代表する皆様とお会いすることができました。市長や町長の考えを聞くことができ、また、種子島の方々の思いを直接伺うことができたと思っています。わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、馬毛島の自衛隊施設は、わが国の防衛や日米同盟の抑止力・対処力の維持・強化のために一刻も早い整備が極めて重要であるという旨をお伝えさせて頂いたところです。航空自衛隊基地を整備する馬毛島の全体像を上空から概観し、防衛大臣として初めて馬毛島に上陸し、地上において滑走路や駐機場施設等が建設される場所を、自らの目で確認をしてまいりました。今回の訪問は、防衛大臣として国民の付託に応え、馬毛島の施設整備を進める上で、大変有意義なものだったと感じています。お会いした市長、町長、議長からお伺いした地元の皆様の声をしっかりと受け止めて、西之表市、中種子町、南種子町、鹿児島県と、より一層連携をとって、地元の皆様に温かく受け入れていただけるよう進めていきたいと強く感じておるところです。

Q:週末に、安倍前総理が講演の中で、防衛費が6兆円必要との旨の発言をなさっておりますが、これに関して改めて大臣のお考えと受け止めをお願いできますでしょうか。

A:わが国周辺の各国は、軍事費の大幅な増額等によって軍事力の強化を図って、わが国周辺での軍事活動を急速に活発化させるなど、わが国を取り巻く安全保障環境はこれまでにないスピードで厳しさを増しているところだと思います。NATO加盟国は対GDP比2%以上を達成することで合意をしています。NATOという民主主義国家の集まりが、安全保障環境を維持するために各国の経済力に応じた相応の国防費を支出しているという点で、対GDP比は指標として一定の意味があると考えておるところです。防衛省としては、現下の安全保障環境に対応できるように、防衛力を抜本的に強化するために必要な予算をしっかりと確保していきたいと考えております。また、新たな国家安保戦略・防衛大綱・中期防を策定することとしており、厳しさを増す安全保障環境の中、防衛力の強化には一刻の猶予も許されないとの認識の下で、スピード感をもって検討してまいります。

Q:関連して、安倍前総理はその講演の中で、敵基地攻撃能力について、相手の中枢にも攻撃できるようにしたほうがいいんじゃないかという考えを述べました。この点について、大臣はどのようにお考えかお願いいたします。

A:政府として、従来から、昭和31年の政府見解の通りですね、万やむを得ない場合の、必要最小限度の措置としての誘導弾等の基地を叩くことは、憲法上、法理上、自衛の範囲に含まれている、可能であるというふうに考えているところです。その上で、この31年の答弁における考え方、必要最小限度の措置の例示の中で、誘導弾等の基地ということを述べられております。法理上は、その対象を攻撃することは、誘導弾等を防ぐことに「万やむを得ない必要最小限度の措置」か否かとの観点から、具体的に判断されます。いずれにしても、現時点で具体的な内容等をお答えできる段階にはありませんけれども、ミサイルの技術に対しても、十分な備えができているのかどうか、憲法及び国際法の範囲内で、現実的に検討してまいりたいと考えております。

Q:「2+2」、フィリピンと開催という件についてですけども、ウクライナ情勢であるとか、あるいは今大臣が言及された東アジアの安全保障環境の変化を踏まえて、このタイミングで「2+2」を初開催する意義について改めて教えていただければと思います。

A:フィリピンは、南シナ海の沿岸国であるほか、わが国と同じく米国との同盟国であります。FOIPを維持・強化する上で大変重要な国だと思っています。フィリピンとの間で、昨年11月、首脳電話会談において、「2+2」の立上げに向けて検討を進めていくことで一致をしています。フィリピン側との調整を進めた結果、この度、東京において、「2+2」を対面形式で行うこととなったわけでございます。「2+2」の実施は、フィリピンとの間では初めて、東南アジア諸国の中では2か国目となります。今回の一連の会談を機に、安全保障上、大きな意義を有する同国との二国間関係を更に発展させていきたいと考えております。

以上