防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年3月5日(土)10:16~10:22
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は、本日8時47分頃、北朝鮮西岸付近から、少なくとも1発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射いたしました。詳細については現在分析中ですが、最高高度約550キロメートル程度、距離は約300キロメートル程度飛翔し、落下したのは、北朝鮮の東岸付近であり、わが国の排他的経済水域外と推定されます。また、防衛省から政府内・関係機関に対して、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されていません。北朝鮮は、今年に入ってから、巡航ミサイルの発射発表も含めて9回に及ぶ、極めて高い頻度で、かつ新たな態様での発射を繰り返しています。昨今の北朝鮮による核・ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できないだけでなく、これまでの弾道ミサイル等の度重なる発射も含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。関連する安保理決議の違反するものであり、強く非難いたします。北朝鮮に対して、北京の「大使館」ルートを通じて抗議をいたしました。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機、船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとること、この3点について指示がありました。これを受け、私からは米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すことについて指示を出しました。その後、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期しているところであります。防衛省としては、引き続き、関連情報の収集と分析に努め、警戒監視に万全を期してまいります。米国・韓国をはじめとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意です。こうした状況を踏まえ、いわゆる敵基地攻撃能力の保有も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:現在、北京においてパラリンピックが実施されていて、パラリンピック中は飛ばさないのではないかという声もありました。また、ウクライナへの侵略がなされる最中でこのようなタイミングでの発射について、意図についてどのように分析されているか。また、受け止めをお願いします。

A:現時点で北朝鮮の意図について断定的にお答えすることは差し控えさせていただきますが、国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中、また北京のパラリンピック開催中での発射であり、これは重ねて申しますが、断じて容認できるものではありません。今回の発射も含め、一連の北朝鮮の行動はわが国、地域及び国際社会の平和と安全を脅かすものであります。防衛省として北朝鮮の軍事動向について、米国等とも緊密に連携しながら、引き続き情報収集・分析及び警戒監視に全力を挙げてまいります。

Q:冒頭発射情報について紹介がありましたが、弾種であったり軌道について現段階で分かっているものがあったらお願いします。

A:これについてはさらに分析が必要でありますので、今のところは差し控えさせていただきます。

Q:冒頭の最高高度や距離を聞きますと、先週発射された北朝鮮側は偵察衛星の試験とおっしゃってましたけど、これと似ているように思えますが、それとの関連性はどういうふうにご覧になってるでしょうか。

A:そうしたことについても、今、分析中であります。今得られている情報自体については、類似点はあると思います。

Q:今年に入ってもう9度目になりますけども、過去8回と比べて何か違う要素など、今、分かっている範囲であれば教えてください。

A:先ほど申しましたこと以上のものはですね、現在更に分析をしているところであります。類似点、相違点あると思いますけども、そうしたことを分析してまいりたいと思います。

以上