防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年3月4日(金)17:42~17:52
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
ウクライナへの装備品等の提供にかかる関係幹部会議後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日、国家安全保障会議において、防弾チョッキ、ヘルメット、防寒服、天幕、カメラ、さらに衛生資材、非常用糧食、発電機等をウクライナに提供することにつき、調整・検討することとなりました。これを受け、先ほど、速やかに装備品等を提供し、これらを自衛隊機等により、輸送を実施し得る態勢を確立するための準備を指示したところであります。今般のロシアによるウクライナへの侵略は、明らかにウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であります。また、それとともに国連憲章の重大な違反であり、この断じて認められない力による一方的な現状変更は、国際秩序の根幹を揺るがすものであります。このような国際社会の平和と安定を著しく損なう事態においても、今も、ウクライナの人々は敢然と立ち向かっており、国際社会もウクライナ支援のために結束し前例のない対応を行っています。防衛省・自衛隊としても、最大限の支援を行ってまいります。

2 質疑応答

Q:今回、欧米の各国が武器の供与などですね、ウクライナへの軍事的な支援を強めている中でですね、日本として防衛装備品の支援を検討するということで、この意味についてどのように大臣お考えでしょうか。

A:今般のウクライナに対する侵略は、明らかにウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法にも違反している行為であります。このような国際社会の平和と安定を著しく損なう事態において、現在、国際社会はウクライナ支援のために結束し前例のない対応を行っております。ウクライナ政府からの要請を踏まえ、自衛隊法や防衛装備移転三原則の範囲内で非殺傷の装備品等を提供するべく、本日開催されたNSCにおいて、先ほど申し上げた物品を提供することにつき、調整・検討することになったものであります。このような状況において、ウクライナに対し、要請のあった装備品等を迅速に供与することは、自国の主権と領土、そして祖国と家族を守るべく懸命に行動するウクライナの国民を最大限支援するとともに、国際社会と結束し、国際秩序を保守するとのわが国の方針を明確に示すものであると考えております。

Q:防衛装備移転三原則は、紛争当事国への輸出は禁じていますが、それに関しての整理、詳細をお願いします。

A:明白な国際法違反であるロシアからの侵略を受けているウクライナとの連帯を示すことは、まず国際社会の原則や日本の安全保障を守るために重要であります。また、現在の国際社会の平和と安定を著しく損なう事態において、国際社会はウクライナ支援のために結束し前例のない対応を行っておるところであります。わが国は自衛隊法第116条の3や防衛装備移転三原則の範囲内で、国際的な平和及び安全の維持に資するものをウクライナ側に提供することにつき、調整・検討を行うこととしたものであります。防衛装備移転三原則で移転を禁止している紛争当事国は、「武力攻撃が発生し、国際の平和及び安全を維持し又は回復するため、国連安保理がとっている措置の対象国」であり、ウクライナはこれに該当しないと考えております。

Q:三原則の運用指針の変更について、今後どうでしょうか。

A:この詳細については、今後検討してまいります。

Q:詳細の変更を。

A:検討してまいります。

Q:戦況は刻一刻と変化してますが、いつまでに方針を固めて、どのような形で輸送するかというところの現時点の方針をお願いします。

A:総理からも出来るだけ早くこの輸送ができるように指示がございました。わが方として、できることを考えてまいりたいと考えております。

Q:今回、先ほどおっしゃられた送られる物資の中で、ヘルメットですとか防弾チョッキというのは、今回の三原則の中でいう防衛装備品、いわゆる武器にあたると思いますけれども、改めて、こうした物を送るということを考えた理由と、こういうものをPKOの国連の枠組み以外で独自で日本が戦争・紛争地域送ったことがあるのかどうか、お願いします。

A:先ほど申しましたものは、ウクライナ政府からの要請を踏まえて、防弾チョッキやヘルメットですね、防寒服、天幕、カメラ等、あと衛生資材、糧食、発電機こういったものを検討しているところでございます。これを自衛隊法116条の3や三原則の範囲内で、また非殺傷の物資を提供することについて、調整・検討しているところです。これらの提供というのは、ウクライナ人の命を守るものであると。国際的な紛争の拡大を助長するものではございません。そういうことで、今回検討をしているところであります。

Q:これまでに実績はあるかということは。

A:あとで事務的に確認させたいと思います。

Q:防弾チョッキの海外への供与は初めてだと思うんですけど、それに対する受け止めを教えていただきたいのと、あと、政府専用機の使用をどうされるかというのを教えてください。

A:今回ですね、まさに前例のないようなロシアによる侵略というのが行われている中での、国際社会での対応、国際社会と歩調を合わせてわが国も進んでいきたいというふうに思っておりますが、輸送の飛行機については、今、さらに検討しているところでございます。総理からもできるだけ早く輸送できるようにということが指示が出ておりますので、我々としても速やかに成しえるような方法をいろいろ考えているところでございます。

Q:今回装備移転三原則に基づいてウクライナに持っていくことができるということで、殺傷能力のある武器というのも制度上はできると思うんですけども、改めてそういうものを提供しない理由、どういうお考えかお願いします。

A:殺傷能力があるものは基本的に駄目だと思います。

Q:できないと。

A:できない。

以上