防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年2月27日(日)09:41~09:49
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は、本日7時51分頃、北朝鮮西岸付近から、少なくとも1発の弾道ミサイルを、東方向に向けて発射をいたしました。詳細については現在分析中ですが、最高高度約600km程度、距離は約300km程度飛翔し、落下したのは、北朝鮮東岸付近であり、わが国の排他的経済水域の外と推定されます。また、防衛省から、政府内及び関係機関に対して、速やかに情報共有を行いました。現在までのところ、航空機や船舶からの被害報告等の情報は確認されていません。北朝鮮は、今年に入ってから、巡航ミサイルの発射発表も含めれば8回に及ぶ、高い頻度で、かつ新たな態様での発射を繰り返しています。昨今の北朝鮮による核・ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できないだけでなく、今回のような、事態を更に緊迫化させる弾道ミサイル発射を含め、一連の北朝鮮の行動は、わが国、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できません。関連する安保理決議にも違反するものでもあり、強く非難します。北朝鮮に対して、大使館ルートを通じて抗議をいたしました。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機、船舶の安全確認を徹底すること、不測の事態に備えて、万全の態勢をとること、この3点について指示がありました。これを受けて、私から、米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、不測の事態の発生に備え、引き続き警戒監視に万全を期すことについて指示を出しました。その後、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期しているところであります。防衛省としては、引き続き、関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国を始めとして関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、平和な暮らしを断固守り抜く決意です。こうした状況を踏まえ、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有も含めあらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:今回、このタイミングでの発射となりましたが、北朝鮮の意図等について何かお考えがあれば教えてください。

A:北朝鮮は、極めて速いスピードで弾道ミサイル開発を継続的に進めています。今年に入ってからだけでも、極めて高い頻度で、かつ、新たな態様での発射を執拗に繰り返しています。これに関して、北朝鮮は昨年1月に発表した「5か年計画」に沿ってミサイルの発射実験等を進めている旨、累次にわたって表明をしています。これらを通じて、北朝鮮が、急速かつ着実に関連技術や運用能力の向上を図っていることは明らかであります。どういった狙いがあるにせよ、北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射は断じて許されず、ミサイル技術の著しい向上を見過ごすことはできません。防衛省として、北朝鮮の軍事動向について、米国等とも緊密に連携しつつ、引き続き、情報収集・分析及び警戒監視に全力を挙げてまいります。

Q:先ほど飛翔距離等発表がありましたが、現段階でもし分かっていれば、弾種と、あと変則軌道など軌道に関する情報がありましたらお願いいたします。

A:現時点においては、ロフテッド軌道についても含めて、これ以上の詳細については分析中であります。

Q:今回の発射、1月の30日以来およそ1か月ぐらい間隔が空いての発射となりました。また、北京オリンピックの期間は発射がありませんでしたけれども、今後発射が繰り返されるおそれであるですとか、その辺どのように分析されておりますでしょうか。

A:北朝鮮の意図については先ほども少し申し上げましたけども、いずれにしましても、このような弾道ミサイルの発射というものは許すことはできません。わが国のみならず、地域や国際社会に対する課題であるとともにですね、北朝鮮に対して強く抗議をしたいと思います。

Q:ロフテッド軌道かどうかは分析中ということですけど、変則軌道をとっているっていうことは今のところ、そういう分析はないということでしょうか。

A:先ほど発表したこと以上のものについては、現在分析中ということです。

Q:1月の発射時点からですね、またロシアがウクライナに侵攻したりと、国際情勢大きく動く中での今回の発射ですけれども、ウクライナ情勢との連動性ですとか、ロシアと足並みそろえる動きですとか、そういった意図に関してどのようにご覧になってるのでしょうか。

A:北朝鮮の意図について、断定的にお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、仮に、国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中でですね、この間隙を縫って行われたものであるとするならば、断じて容認されることはできません。防衛省として、北朝鮮の軍事動向についても米国とともに緊密に連携をしつつ、引き続き情報収集・分析に全力を集中してまいりたいと思います。

Q:今のおっしゃった内容っていうのは、そのウライナ情勢との関わりはゼロではないというふうにご認識なさっているということなんでしょうか。

A:先ほど申しましたとおりですね、北朝鮮の意図、ウクライナ情勢との関連についてですね、断定的に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している中で、この間隙を縫って、狙ったものであるとするならば断じて容認できるものではないということであります。

以上