ウクライナ情勢についてです。24日、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナの一部であるいわゆる2つの「共和国」からの「要請」に応えるとの名目で、軍事作戦の実施を決定した旨表明しました。この点、ウクライナ政府は、首都キエフを含む多数の都市が、ロシアによりミサイル攻撃を受けるとともに、複数の地点へのロシア軍の侵入、攻撃を行っている旨の発表をしていると承知をしています。こうした攻撃に際して、ロシア軍は、多数の弾道ミサイルや巡航ミサイル「カリブル」、多連装砲、航空機等を用いたとの指摘があり、複数正面から様々なアセット・兵力を用いた同時多発的な攻撃を行っていると考えられます。また、侵攻に先立ち、いわゆる2つの「共和国」がウクライナ軍によって砲撃があった旨発表をし、ウクライナ側が当該情報は偽情報である旨主張するなどの状況も生起しており、ロシアが軍事手段と非軍事手段を組み合わせた、いわゆる「ハイブリッド戦」の手法をとっているともみられます。今回のロシアの軍事行動は、明らかにウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であります。国連憲章の重大な違反でもあります。力による一方的な現状変更は断じて認められず、これは、欧州にとどまらず、アジアを含む国際社会の秩序の根幹を揺るがす極めて深刻な事態であります。そして、わが国は最も強い言葉でこれを非難します。ロシアに対し、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう強く求めるとともに、防衛省として、引き続き関連動向の情報収集・分析に努めてまいります。
Q:冒頭ありましたウクライナ情勢に関してなんですけれども、ロシアが侵攻を開始して、大臣として改めて受け止めと、今後、防衛省・自衛隊としての対応ですね、自衛隊機の派遣など可能性はどうなるのかお聞かせください。
A:ロシア軍は、今般の侵攻に際しまして、大規模な兵力や様々な手段により、複数正面から同時多発的に攻撃を行っていると考えています。また、軍事手段と非軍事手段を組み合わせた、いわゆる「ハイブリッド戦」の手法をとっているともみられ、さらに、まさに現在侵攻が行われているところでもあることから、軍事侵攻全体としての評価・分析については、今後、更に深めてゆく必要があると考えています。いずれにしても、わが国唯一の軍事情報分析組織であります防衛省として、引き続き、関連動向の情報収集・分析に万全を期してまいりたいと考えております。
Q:先ほど、岸田総理大臣の会見で、邦人の保護のために、ポーランドに陸路で退避する場合の支援を行うために、リヴィウに現地事務所を設けること、またポーランドから他の国へと移動するためチャーター機を手配するという発表がありました。この陸路での退避やですね、ポーランドからの他の国への移動のチャーター手配などについて、防衛省・自衛隊として何か支援なり応援なりをするお考えていうのはあるのでしょうか。
A:防衛省・自衛隊として、あらゆる状況に対処できるように、平素から準備しておりますが、官邸や他省庁とも連携をしながら万全を期してまいりたいと考えてます。
Q:取り組みについて、なにか先遣的に隊員を派遣するとか、そういった考えっていうのはあるんでしょうか。
A:今即座に先遣隊ということではございませんけれども、他省庁と緊密に連携を取りながら、しっかり対応してまいりたいと思います。
Q:防衛省の分析によりまして、このウクライナ情勢で、ロシアが投入した軍事力とか、そういった規模を見ますと、どういったものを意図して昨日侵攻を始めたのかというのは、どのようにお考えなんでしょうか。
A:ロシアの動員数で考えますと、冷戦以降最大の規模の動員が見られたわけであります。そういったことから、非常に大規模な、また同時進行的な動きが想定されているわけでございますけれども、防衛省としては状況分析をしっかりしてまいりたいと考えてます。
Q:先ほど、自民党の外交部会で佐藤外交部会長が、昨日、中国軍機が東沙諸島周辺に出現したというようなお話をされました。ウクライナの情勢、ロシアの動きに合わせて、中国の動きであったりとか、あるいは北方、ロシア国境付近での動きだったりとか、こういったところで目立った動きを把握されておりますでしょうか。
A:ロシアは、極東においても大規模な演習を行っています。ちょっと天候の状況にもよりますけれども、また、中ロの連携ということも十分考えられますので、しっかり見てまいりたいと思います。
Q:先ほど、ハイブリッド戦が今回展開されているという御指摘ありましたけれども、ハイブリッド戦の中には、フェイクニュースみたいなものですね、作ったりしてるんじゃないかと指摘もあります。日本国民もですね、ツイッターなんかでいろんなフェイクと言われているようなものに接したりしてると思うんですけれども、こういったものに接する際に、防衛省として、大臣として、気を付けるべきことだとか、国民に対してなにか呼び掛けられることはあるんでしょうか。
A:今回のウクライナのケースにしても、様々な情報が氾濫しているような状況だと思います。その中で、フェイクニュースも当然含まれていると考えられますが、そうしたところの真偽ですね、それをしっかり確認をする必要があると思います。そういったことを通じて、本当の状況を把握しながら分析を進めてまいらねばならないと考えております。
以上