防衛大臣記者会見

日時
令和4年2月18日(金)08:33~08:38
場所
国会議事堂本館内閣議室前
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 陸上自衛隊は、2月27日から3月10日までの間、インド国内において、インド陸軍と共同訓練を実施いたします。本訓練は今年で3回目ですが、今回初めて、対テロ分野における高度な訓練を可能とするインド陸軍の訓練施設を活用し、屋内での実弾射撃を伴う戦闘訓練を初めて実施するほか、インド陸軍のヘリコプターからの日印共同での特殊降下、それに引き続く市街地戦闘訓練を初めて実施し、対テロ分野における陸自の戦術技量の向上を図るとともに、自衛隊とインド陸軍の更なる連携の強化を図ります。また、今回、航空自衛隊のC-2輸送機1機により、本訓練に参加する隊員と装備品の輸送を行います。防衛省・自衛隊としては、「FOIP」の維持・強化に資するべく、このような日印共同訓練を着実に実施していくことで、日印の安全保障分野での協力関係をさらに強化していきたいと考えております。フン・マネット・カンボジア陸軍司令官は、吉田陸幕長の招待により、14日から17日の日程でわが国を訪問しました。15日、私は、同司令官からの表敬を受け、地域情勢や日カンボジア防衛協力・交流について、深く議論を行いました。同司令官は、訪日中、岸田総理にも表敬したほか、陸幕長との懇談や部隊視察を通じて、陸軍種間の協力を深めました。本年、カンボジアはASEAN議長国を務めます。今回の訪問は、地域とわが国の安全保障におけるASEANの重要性に鑑みれば、大変有意義だったと考えられます。この重要な年に同司令官をお迎えすることを機に、安全保障分野における両国の協力関係を一層強化するとともに、「FOIP」の維持・強化に向け、防衛協力・交流を一層推進してまいります。

2 質疑応答

Q:大臣は16日の衆議院予算委において、「敵基地攻撃能力」を巡って、相手国の領空に自衛隊機が入り軍事施設をたたく選択肢を「排除しない」とおっしゃいましたが、改めて大臣の見解をお聞かせください。

A:今回の答弁については、今般の検討が、憲法及び国際法の範囲内で、日米の基本的な役割分担を維持しつつ行うとの前提の下で、あらゆる選択肢を排除しないで行っていくということの趣旨を述べたものであります。政府としては、急速なスピードで変化・進化しているミサイルなどの技術に対しても、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、いわゆる「敵基地攻撃能力」も含めて、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討してまいります。

Q:沖縄県の倉敷ダムで、大量の不発弾が見つかり、防衛局に回収を求めているようなんですけれども、現在の調整状況をお願いします。

A:嘉手納弾薬庫地区の一部返還地である倉敷ダムから、不発弾に加えてドラム缶や鉄くずなどの廃棄物が発見されたことを受けて、沖縄防衛局職員を現地に派遣し、状況の確認を行っているところです。防衛省としては、返還地から新たに廃棄物等が発見された場合には、これまでも、跡地利用の状況を踏まえつつ、土地所有者や関係機関と調整の上、廃棄物の除去を行ってきており、引き続き、沖縄県と調整しながら適切に対応してまいります。

Q:ウクライナ情勢に関連して、現地でサイバー攻撃を使った事象とかですね、確認されているようですけれども、ウクライナ情勢の現状について、どう分析されているかということと、サイバー攻撃など、ハイブリッド戦に対して、日本の強化すべきポイントはどういうところなのか、お願いします。

A:ウクライナ国防省が、国防省のサイトが、DDoS攻撃を受けた可能性があると発表したということは承知をしておるところです。近年、サイバー攻撃の形態は、高度化・巧妙化しています。他国に所在するサーバーを経由したり、あるいは、ソフトウェアを用いて攻撃源を秘匿したりするなど、その多くは巧妙な手段が用いられているところです。サイバー攻撃が発生した場合、自衛隊の組織的な活動に重大な支障が生じる可能性もあることから、サイバー防衛隊が24時間体制で情報通信ネットワークを監視し、サイバー攻撃への対処を行っているところでございます。防衛省・自衛隊としては、ウクライナ情勢全般についても高い関心をもって注視しています。

以上