防衛大臣記者会見

日時
令和4年2月4日(金)09:59~10:19
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:小松基地所属のF-15が墜落したとみられる件についてですね、現在までの捜索状況とその態勢についてお聞かせください。併せて2日には、ロシアの戦闘機の対して空自からスクランブルしましたけれども、小松基地所属のものが、これに当たったのでしょうか。ロシア機の動きへの受け止めと合わせてお答えください。

A:まず、F-15DJについての事故についてでありますが、航空自衛隊、海上自衛隊、海保の航空機、艦艇等により、発生当初から夜を徹しての現場周辺の捜索を行っているところです。一昨日からは、海上自衛隊の掃海艇が海中の捜索活動を開始しているほか、海岸線での捜索には、昨日、陸上自衛隊の部隊も参加致しました。捜索の結果、これまで、航空機の外板等の一部や救命装備品の一部のほか、新たに右の水平尾翼の一部や燃料配管等当該機の一部とみられる複数の物件が回収されていますが、引き続き搭乗員2名は行方不明であります。事故発生から72時間以上経過しましたが、引き続き行方不明となっている2名の人命の救助に全力を尽くすとともに、このような事故が発生したことを重く受け止め、自衛隊の航空機の運航に当たっては、安全管理に万全を期してまいる所存であります。それからロシア機へのスクランブルについてですけれども、ロシアの哨戒機「IL-38」2機が、一昨日2月2日、午前から午後にかけて、日本海を長距離飛行していることを確認いたしました。これらに対し、空自の戦闘機を発進させるなど、継続的に監視を行ったところです。当該ロシア機が情報収集等を行った可能性はありますが、飛行目的について確たることを申し上げることは差し控えさせていただきます。当該ロシア機に関して、航空自衛隊がどの部隊から対応したかについてはわが方の手の内を明らかにする恐れがありますので、お答えは差し控えさせていただきますが、いずれにしましても、当該機に対して、しっかり領空侵犯措置、またわが国の安全に影響が無いようにしっかりと対応したところであります。

Q:新戦闘機についてお伺いしたいのですが、今のF-35のですね、F-15と比べると機体寿命は1/2、それでいて運用コストはほぼ2倍。つまりF-15に比べて4倍の運用コストがかかります。これに加えて新しい戦闘機、これもステルス機と聞いておりますが、合わせて250機のステルス戦闘機を持つようになると、そうすると非常にこれ莫大な金額がかかると思うんですけれども、これを防衛省が手当てをできるんですか。

A:科学技術の進歩に伴って、様々なコストが高くなってきているところでありますが、わが国の安全を確保するために我々はしっかり装備を整えていかなければならないと考えております。そのための手当てもしっかり行ってまいります。

Q:大臣しかもですね、C-2輸送機に関しても諸外国の輸送機の3倍から4倍くらいの調達価格、そして維持費も高いわけです。これをまた派生機まで買おうとしているわけです。こういう高コストの体質を維持できるのか。例えば、限られた防衛費の中で、陸自を削るのかといった選択もあるかと思うんですけれども、そこら辺いかがですか。

A:そういったこともしっかりこれから議論しなければならないとは思っています。

Q:例えば、そういう戦闘機を導入するんであれば、費用に関しては、事前に国会と納税者に説明して、これこれこういう構想で、こういうものを何機買って、いつまでに何機買って、それで総額はいくらですみたいな話をですね、納税者に説明する必要があるかと思うんですけれども、これは大臣はどうお考えですか。

A:国会で様々な予算審議を行っているところであります。

Q:ですが、国会にそもそも情報出していませんよね、防衛省は。

A:今、そういったことについてもですね、国家安全保障戦略とともに大綱・中期防、これから議論してまいるところでありますから、その中で示すことだと思っています。

Q:冒頭ありましたF-15に関連してなんですけれども、大臣、ロシア機が情報収集を行った可能性がありますということですけれども、これはF―15の事故に対して情報収集を行った可能性があるというふうに考えてらっしゃるんでしょうか。

A:私が先ほど申し上げた以上のことについて、確たることを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:関連で、前回の会見で飛行停止は考えていないとうことでしたけれども、地元の人や知事からは飛行停止すべきだといった意見が出ております。改めて大臣のお考えをお願いいたします。

A:前回、私もああいうことを申し上げましたけれども、F-15については、係る点検や教育を入念に実施せよと、これは全ての飛行機にですね、対してそういうことを、また、全ての操縦者に対して安全確認や緊急時の手順について教育を実施するよう、指示をいたしました。小松のF-15については、係る点検や教育が終了していないために、訓練飛行を実施はしておりません。今後、点検や教育が終了したものから、地元の自治体をはじめとする皆様の理解を得ながら、訓練飛行を実施していく考えであります。

Q:F-15の捜索について追加でお伺いいたします。先ほど大臣、海中の捜索を昨日から開始したとおっしゃいましたが、これから特にそちらの方が重点的になってくるかと思いますが、海中にある機体の捜索、発見などはできたんでしょうか。捜索状況をもう少し詳しくお聞かせください。

A:これまでのところ、様々なものが発見はされております。引き続き、捜索を続けてまいりたいと思いますけれども、何より一番重視したいのは、搭乗員2名の救出でありますが、これについてはまだ至っておりません。引き続き、捜索を続けてまいります。

Q:大臣昨日、西之表市長と面会されまして、要望書を受け取られましたけれども、西之表市長、交付金の受け取りに関して、特段の配慮を要望するなど前向きな姿勢が出てきてるかと思いますが、昨日面談されて、受け止めと今後の進め方について大臣のお考えをお願います。

A:昨日、八板市長から、馬毛島の自衛隊基地整備は新たな段階に進んだと捉えているとの市長や市民の認識とともに、期待と不安の声というのをお届けいただいたものであります。市長から頂いた御要望は、施設整備において、地元住民の期待と不安の声をしっかり受け止め、より多くの理解と協力を得るための努力を続けてほしいというものであると理解しています。一昨日には、中種子町、南種子町からも自衛隊施設整備の早急な実施の要望を頂いております。昨日の八板市長との面会は、種子島の1市2町と防衛省が同じ方向を向きながら自衛隊施設の整備に係る取り組みについて御相談をしていく、まさに新たな段階を象徴する極めて有意義なものとなったと考えております。

Q:要望の中に、協議の場の設置ということで、大臣面談の中でも協議の中でということで大臣おっしゃられてましたけれども、この協議の場の設置は、九州防衛局が今後進めていくという理解でよろしいでしょうか。

A:今後、市長の方からお話がありました協議の場について、これはこういった場を通じて市長の持たれた問題意識についてですね、お答えをしていきたいと考えております。引き続いて西之表市と緊密に意思疎通を図り、この協議の場のあり方についても、速やかに相談を進めていきたいと考えております。

Q:関連して、昨日の馬毛島の市長との面会ですけれども、これまでの「不同意」という立場を伝えられませんでした。そういったことで、主張に変化があったというふうに大臣は捉えてらっしゃるという認識でよろしいですか。

A:先ほども申しましたけれども、市長から頂きました御要望については、施設整備において地元住民の期待と不安の声というものがまだ両方あると思いますけども。そうしたことをしっかり受け止めて、より多くの理解と協力を得るための努力を続けて欲しいというものであったと理解しております。

Q:ということはもう、地元が求めている再編交付金の支給要件というか、そういうのが不同意を伝えなかったということで整ったというふうに考えてよろしいんでしょうか。

A:種子島、他の2町もございます。1市2町と防衛省が同じ方向を向きながらですね、自衛隊施設整備に係る取組みについて相談をしていくということであります。

Q:重ねてで恐縮なんですけど、そういう要件が整ってきたという認識でよろしいですか。

A:これからの部分もあると思いますけれども、いずれにしても意見調整をしながら進めていきたいというふうに考えております。

Q:改めてF-15の事故についてお尋ねします。先ほど大臣は、パイロットの安否がまだ分かっていないとおっしゃっていましたけれども、なかなか安否が分からない、あるいは機体の回収が進まない原因については、どのように見ていらっしゃいますでしょうか。

A:これは現場の状況ですね。今、全力を挙げて捜索を進めているところでありますけれども、海の状況も決してよくなっておりません。非常に厳しい天候条件の下ですし。そうした中で、今、一刻も早く発見できるように進めているところであります。

Q:先ほどの新戦闘機についての質問の追加なんですけれども、そもそも航空自衛隊を信用していいのか、つまり彼らに調達能力があるのかというのが大変疑問かと思うんです。というのは、以前F-2の時にですね、航空自衛隊幕僚監部広報室はですね、F-2のレーダーに不備があったことを隠してですね、広報に聞いたら、そんなものはないんだと、そんなことを書いている新聞は嘘書いてるんだみたいなことを言ったんですよ。ところが、実際はそれがあった。しかもそれが、機体とレーダーのマッチングの不具合があったわけで、三菱重工に言わせれば、防衛省が、当時技本が関わっていなければもっと早くフィックスできたと。こういうことを、まあ隠ぺいしたと。それからまた、救難ヘリなんですけれども、これ23.75億円でですね、調達するという話をしていたのに、実際やってみたら50億円超えていたと。以前の空幕長に聞いたらですね、「いやあ、劇的に値段下がりません。頑張ります。」というお答えだったんですけれども。初めから50億円と分かっていて、23.75億でやりますというふうに言ってですね、国会と納税者をだましたんじゃないですか。普通に考えたならば、いわゆる官製談合で買いたいものを始めから決めていたということではないでしょうか。それか、もしくはかなり組織的に能力がなかったということじゃないでしょうか。こういう組織を信用して新しい戦闘機を作っていいんですかということなんですけれども、大臣どうお考えですか。

A:適正な形で調達を進めてもらうようにしております。

Q:救難ヘリと同じであれば、200億といってる調達予算が400億になったり600億になったりする可能性あるんですけれども、そういうことに関して危惧はありませんか。

A:調達に関しては適正に行われているものと。

Q:行われていないからこういうことを聞いているんですけども、いかがですか。単なる心配とかではなくて、過去の実績としてこういうことがあるわけですよ。T-7の練習機に関しても、調達単価は高いけど運用費は安くしますと言って、それは結局すごくオーバーランして、会計監査院に怒られていますよね。ずっとそういう積み上げがある中で、こういう組織を信じて、新しい戦闘機、本当に開発していいんですかというお話なんですが。

A:過去の調達に関しては空幕からお答えをいたします。いずれにしても、高性能の装備を着実に整備してまいりたいと考えています。

Q:F-15の関係で1点お尋ねします。前回の記者会見の時に、私がお尋ねした時、飛行停止の予定はないというふうにおっしゃられたと思います。今回ですね、当面訓練を見合わせるというお話をされておられました。これは、前回、飛行停止の予定はないという、その前段の説明が抜けていたのか、あるいはそれとも、地元の市長さん、首長さんからの反発があって方針が変わったのか、どちらになるんでしょうか。おそらく前者だと思うんですけども。 

A:私からは、全ての自衛隊の航空機に関して、飛行前後の点検を入念にするようにということと、操縦者に対して、安全管理・緊急時の手順について教育を実施するよう指示をいたしました。このような状況で、終わるまでは、訓練飛行は実施をしないということになるわけですけども、それ以外の任務飛行、スクランブル等含めてですね、そうしたことについては引き続き行うという意味から、飛行停止の措置を行わないということを申し上げたところでありますけども、正確に申し上げておけばよかったとは思っております。

Q:スクランブルについても、機体の点検が終わったものを、優先的に機体の点検を終わらせて実施していくと考えたらいいんでしょうか。

A:スクランブルはわが国の安全保障に直接関わることですから、これは停止することができないわけですね。その上で、訓練飛行について、しっかり教育等を終了したところから、再開をしていくということであります。

Q:今年の初めに恒例の第1空挺団で降下始めがあったんですけども、この際に特殊作戦群が登場して、UH-60ヘリコプターからをミニガンを撃ったということがあったんですけど、これに関して陸幕の広報の方がですね、撮影を一切するなと。撮影をしたらペナルティを下すみたいなことを、脅しともとれることをこういうふうに取材した人間から聞いております。これは一種の憲法で禁じられている検閲に当たるんじゃないでしょうか。大臣、これどういうふうにお考えでしょうか。

A:その件についても、陸幕に聞いてください。

Q:陸幕の広報が、最近あまり仕事をしないというような話を聞いているからこういうふうに大臣に伺ってるんですけども。それでいうと、昨年行われた、第7普通科連隊がですね行ったイベントに関しては、陸幕の広報と現場の連隊が非常に仲違いをして、お互い協力をしなかったと聞いてます。そういうことがあるので、当事者に話を聞いてもしょうがないんではないかと思って、大臣に伺っているんですがいかがでしょうか。

A:そういうことも含めて、現場から意見を聞いていただきたいと思います。

Q:防衛省の広報としての姿勢の問題だと思います。そうは大臣お考えになりませんか。

A:基本的には陸幕のことだと思います。その上で、広報に問題があるということであれば、広報にお尋ねをいただければ良いと思います。

以上