防衛大臣記者会見

日時
令和4年1月18日(火)11:07~11:19
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 1点目はコロナです。前回の定例会見以降、483名の隊員が新規に感染していることが確認されました。累計は5,689名となります。ゲノム解析の結果、これまでに感染が確認された隊員のうち15名については、オミクロン株への感染が確認をされました。第6回日仏外務・防衛閣僚会合の実施についてであります。1月20日夜に、第6回日仏外務・防衛閣僚会合、いわゆる「2+2」が、テレビ会議形式で実施をする予定です。日本側からは、私と林外務大臣、フランス側からはパルリ軍事大臣及びル・ドリアン欧州・外務大臣が出席します。基本的価値と戦略的利益を共有する特別なパートナーであるフランスとの間で、安全保障・防衛協力や地域情勢等について幅広く議論し、両国の連携を一層強化したいと考えております。

2 質疑応答

Q:大規模接種センターの調整状況についてお伺いします。東京会場はですね、31日を目途に設置という報道も出ていますが、現段階での調整状況を、大阪会場も含めて教えていただければと思います。

A:自衛隊による大規模接種会場の設置場所、運営開始時期等について、本日、夕刻に開催する大規模接種推進本部会議において一定の結論を得たいと考えております。その上で決定をいたします。

Q:昨日の北朝鮮のミサイルに関連してなんですけれども、防衛省として新しく把握している情報などありましたらお願いいたします。

A:現時点までに得られた諸情報を総合的に勘案しますと、北朝鮮は、昨日の8時49分及び8時52分頃、北朝鮮西部から弾道ミサイルを2発、東方向に発射しました。詳細については現在分析中ですが、最高高度約50km程度で、距離は通常の弾道軌道だとすれば、300km程度飛翔し、わが国のEEZ外である北朝鮮東岸付近に落下したものと推定されます。今回発射されたミサイルは、2020年3月21日などに発射された固体燃料推進方式の「短距離弾道ミサイルB」とみられますが、詳細については分析中であります。北朝鮮は、今年に入ってからだけでも、2週間の間に4回という極めて高い頻度で、また、鉄道からの発射や、水平機動を含む変則的な軌道の可能性がある飛翔といった新たな態様での発射を行い、関連技術や運用能力の向上を図ってきています。また、北朝鮮は昨年1月に兵器開発の「5か年計画」を提示し、軍事力を持続的に強化していく考えを示しており、昨年以来、この計画に沿ってミサイルの発射試験等を進めている旨、累次にわたって表明しています。北朝鮮の発射は、これは国際社会全体にとっても深刻な課題であります。昨今の北朝鮮による核ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できないだけでなく、このような弾道ミサイル発射は関連する安保理決議に違反するものであり、強く非難をいたします。防衛省として、北朝鮮の軍事動向について、引き続き米国等とも緊密に連携しながら必要な情報の収集・分析および警戒監視に全力を挙げ、わが国の平和と安全の確保に万全を期してまいります。さらに、こうした状況を踏まえ、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

Q:関連で、今「短距離弾道ミサイルB」ということで、今回、今年に入ってから4回発射されていますけれども、1回目、2回目は新しい兵器の開発と見られますけれども、3回目と4回目に関しては、既に開発がある程度進んでいると見られるミサイルの発射と思われます。こうしたことも踏まえまして、今回の3回目、4回目の発射の意図というのはどういうふうに分析されていらっしゃいますか。

A:この2週間の間に4回という極めて高い頻度で、また鉄道からの発射や水平機動を含む変則的な軌道の可能性のある飛翔といった新たな態様での発射を行っておるところでございますが、昨年1月に兵器開発「5か年計画」を提示し、この計画に沿ってミサイルの発射試験を進めている旨、累次にわたって表明しているところです。北朝鮮は、「兵器システムの正確性を検証することを目的とし、正確性と安全性、運用効果を確認した」としています。こうしたことを通じ、北朝鮮が、発射の兆候把握を困難にするための秘匿性・即時性や、奇襲的な攻撃能力の向上、発射形態の多様化など、急速かつ着実に関連技術の運用能力や向上を図ってきていることは明らかであります。一連の弾道ミサイル発射を含む北朝鮮の軍事動向は、わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であります。地域、国際社会の平和と安全を著しく損なうものとなっています。

Q:関連してなんですけれども、ミサイルの発射のプラットフォームは、ミサイルBということですけれども、移動式の発射台でよろしいんでしょうか。また、変則機動の有無については、現在の分析状況はいかがでしょうか。

A:今回の発射については、引き続き分析中ということでございます。

Q:昨日の岸田総理の施政方針演説についてお伺いします。岸田総理は、海外での邦人等が危機にさらされた際の輸送に万全を期すとして、自衛隊法の改正案を今国会に提出すると述べられました。今回の法改正の狙いは、アフガニスタンの前例を踏まえたものでしょうか。改正のねらいと、具体的な内容についてお願いします。

A:今回、改正案を提出する予定でありますけども、現行の規定では、民間機での輸送が可能な程度の安全な場合にしか自衛隊を派遣できないような誤解を生じる得ることから、改正を検討するよう総理から指示を受けているものであります。このため、自衛隊として予想される危険を回避するための方策を講じた上で、派遣してきた実績に即しまして、現行の規定を改正したいと考えております。その他、わが国のために同じ志を持って働いてきた仲間である外国人の輸送など、所要の改正を盛り込む予定ですが、細部については現在調整中であります。先般のアフガニスタン邦人輸送について、自衛隊法がオペレーションの障害となったという事実はありません。他方、当該事例を踏まえ、在外邦人等輸送に関する自衛隊法第84条の4について、改正案を今国会に提出予定であります。

Q:先だって火山の噴火がありましたトンガについてお尋ねします。自衛隊による緊急支援の在り方について、大臣のお考えをお聞かせください。あるいは検討状況を教えてください。

A:現在、政府として情報を収集し、そして分析をしているところでございます。それをまとめてからの対応ということになると思います。

Q:冒頭あったコロナの感染者数ですけれども、ある意味急増しているように見受けられますが、自衛隊のオペレーションに影響がないのかということと、濃厚接触者の隔離などによってですね、民間企業の中でも事業継続が結構難しくなるという事例が結構指摘されてますけども、自衛隊はどういうふうにそのあたりをオペレーションしているのかっていうところをお願いします。

A:感染者が増加してるということでございますけども、自衛隊のオペレーションに障害というものは発生しておりません。その上で、コロナの感染対策も進めていく必要があるというふうに考えております。大規模接種会場の設置については、今日の午後ですね、推進本部において詳細をさらに検討していくことになると思います。

以上