防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年1月17日(月)10:56~11:01
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案(1月17日)後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:朝の北朝鮮のミサイルについて、現時点で把握している情報を教えてください。

A:北朝鮮は、本日8時49分頃及び8時52分頃、北朝鮮の西部から弾道ミサイルを2発、東方向に発射をいたしました。現時点において、わが国の航空機や船舶への被害報告等の情報は確認されておりません。詳細については現在分析中でありますが、最高高度は約50km程度で、距離は、通常の弾道軌道だとすれば約300km程度飛翔し、落下したのは北朝鮮東海岸付近であり、わが国の排他的経済水域外と推定をされます。北朝鮮は、令和元年5月以降、これまで40発を超える頻繁な発射を繰り返しております。その目的がミサイル技術の向上にあることは、明らかであります。昨今の北朝鮮による弾道ミサイル等の度重なる発射は、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題であります。このような弾道ミサイル発射は、関連する安保理決議の違反であり、強く非難をいたします。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機・船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとること、この3点について指示がありました。これを受けて、私からは、米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、不測の事態に備え、引き続き警戒監視に万全を期すこと、この2点について指示を出しました。その後、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期しているところです。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国をはじめとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意です。こうした状況を踏まえ、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいりたいと思います。以上です。

Q:変則軌道をとったですとか、そういったことに関して現時点で何か情報などはありますでしょうか。

A:詳細については、只今分析中であります。

Q:1月5日と11日、また14日に次ぐ4回目の発射ということですけれども、この度重なる発射が相次いでいることについての受け止めがありましたらお願いいたします。

A:北朝鮮は2週間に4回という極めて高い頻度で、また鉄道からの発射や水平機動含め変則的な軌道の可能性のある飛翔といった新たな態様での発射を行っています。発射の兆候把握を困難にするための秘匿性、即時性、奇襲的な攻撃能力の向上、発射形態の多様化など、急速に関連技術や運用能力の向上を図ってきていることは明らかであります。昨今の北朝鮮による核ミサイル関連技術の著しい発展は、わが国及び地域の安全保障にとって看過できないものであります。いずれにせよ、一連の弾道ミサイル発射を含む北朝鮮の軍事動向は、わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であり、地域と国際社会の平和と安全を著しく損なうものとなっていると認識をしています。政府としてはこうした状況を踏まえ、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。

Q:韓国軍はですね、津南飛行場でしょうか、そこから発射したといっているようですが、発射場所、発射形式についてはどのような分析されているのでしょうか。

A:先ほど申しましたとおり、わが方では西部から発射したというふうに確認しています。更なる点については分析を進めてまいります。

Q:もう1点、北朝鮮側には抗議はされているのでしょうか。

A:これは大使館ルートを通じてなされたと承知しております。

以上