防衛大臣臨時記者会見

日時
令和4年1月14日(金)17:38~17:43
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案(1月14日)に係る岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 北朝鮮は本日、14日14時50分頃、北朝鮮の北西部から、弾道ミサイルを少なくとも1発、東方向に発射をいたしました。現時点において、わが国の航空機や船舶への被害報告等の情報は確認されておりません。詳細については現在分析中ですが、最高高度約50km程度で、距離は通常の弾道軌道だとすれば約400km程度飛翔し、落下したのは北朝鮮の東岸付近であり、わが国のEEZ外と推定されます。また、防衛省から政府及び関係機関に対しまして速やかに情報共有をいたしました。北朝鮮は令和元年5月以降、これまでに40発を超える頻繁な発射を繰り返しており、その目的がミサイル技術の向上にあることは明らかです。昨今の北朝鮮による弾道ミサイル等の度重なる発射は、わが国を含む国際社会全体にとっての深刻な課題です。このような弾道ミサイルの発射は関連する安保理決議に違反するものであり、強く非難いたします。総理には、本件について直ちに報告を行い、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機・船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え万全の態勢を取ること、この3点について指示がありました。これを受けて私からは、米国等と緊密に連携しつつ、情報収集・分析に全力を挙げること、不測の事態に備えて、引き続き警戒監視に万全を期すこと、これらについて指示を出しました。その後、関係幹部会議を開催するなど、対応に万全を期しているところです。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、警戒監視に万全を期してまいります。米国・韓国を始めとして、関係各国と緊密に連携しながら国民の生命、そして平和な暮らしを断固守りぬいていく決意です。こうした状況を踏まえ、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも防衛力の抜本的な強化に取り組んでまいります。以上です。

2 質疑応答

Q:2問お伺いします。今、発射距離や高度について御説明がありましたけれども、弾種については、韓国軍側は短距離弾道ミサイルというふうに推定させるというふうに発表していますが、現段階で政府が把握していらっしゃる弾種、また飛行速度等について分かっていることがありましたらお願いします。

A:今も申し上げましたけれども、わが方では弾道ミサイルを少なくとも1発東方向に発射したということを確認しております。飛行距離も通常軌道だとすれば400km飛翔し、東岸付近で落下したということであります。

Q:北朝鮮が今月に入ってですね、頻繁な発射を繰り返している、今回で3度目になりますけれども、それに対する受け止めもお願いいたします。

A:北朝鮮の意図等については、断定的なことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても発射技術の向上を図っているというところであります。

Q:11日のミサイルに関しては、水平方向への軌道もあったということでしたけれども、今回については、変則軌道といったものの分析はどういった感じでしょうか。

A:そういったことについても、今分析中であります。

Q:あったかなかったかも含めてですか。

A:はい。

Q:5日と11日のミサイルとの類似性はあるのでしょうか。今回のミサイルに関して。

A:今、そういったことも含めて、それ以上の詳細については分析中であります。

Q:北朝鮮の方は昨日でしょうか、ミサイル発射について最終的な確証というような趣旨のことを言っていたかと思いますが、改めて今日発射された意図についてはどのように分析されていますでしょうか。

A:北朝鮮側の発表については承知をしておりますけれども、今日の分の意図についてですね、我々からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:北朝鮮の西側から発射とおっしゃられたと思いますが、これは内陸という理解でいいんですか。

A:北朝鮮の北西部から発射したというふうに考えております。

Q:陸地からということですか。

A:陸地から。

Q:内陸からという理解でいいんですか。北西部の内陸ということですか。

A:陸地から。北西部の陸地です。海の中から打ったということではないということです。

Q:先ほど安保理決議違反ということだったんですけれども、既に外交ルートで抗議などはされているのでしょうか。

A:大使館ルートを通じて抗議をしております。詳細は外務省にお尋ねください。

以上