防衛大臣記者会見

日時
令和4年1月14日(金)10:50~11:10
場所
防衛省A棟11階第1省議室
備考
岸防衛大臣閣議後会見

1 発表事項

 コロナ関連であります。前回の定例会見以降、193名の隊員が新たに感染していることが確認をされました。このうち2名は、海賊対処行動と中東地域における情報収集活動のため、1月9日から呉地区の岸壁において健康観察を実施している護衛艦「さみだれ」で勤務する隊員であります。これで、本日までに合計5,206名の隊員が新型コロナウイルスに感染していることが確認されております。ゲノム解析の結果、これまでに感染が確認された隊員のうち13名については、オミクロン株への感染が確認されたところであります。

2 質疑応答

Q:馬毛島についてお尋ねします。防衛省は一昨日の12日、鹿児島県西之表市などに馬毛島への自衛隊基地整備計画を決定したと伝えました。西之表市長は、候補地から整備地に決まったことについて、地元への説明がなかったことから納得いかないなどと反発しています。大臣は今月7日の記者会見で「地元の理解を進めるには丁寧な説明に尽きる」と話されていますが、こうした対応で地元の理解を得られるとお考えでしょうか、御所見をお願いします。

A:施設整備に当たりまして、防衛省としては、地元の御理解・御協力を得ることが大変重要だと認識をしております。そのため、累次にわたり、関係地方公共団体等に対して、馬毛島の施設整備に係る検討状況等について御説明をさせていただいておるところです。最近も、年末から年始にかけて進めてきました様々な取り組みや今後の防衛省の取り組みについて御説明させていただくこととし、御指摘の12日に行った八板西之表市長への御説明に加えて、昨日には、地方協力局長が塩田鹿児島県知事に御説明に伺ったところであります。今後とも、作業の進捗に応じて、一つ一つ丁寧な御説明を積み重ねることが重要だと考えております。防衛省として、地元の御理解が広がり、より多くの御協力を得られるように最大限の努力を行ってまいる考えであります。

Q:冒頭に関連してお伺いします。昨日、知事に説明されたということですけれども、知事の方からは、これまでの進め方について「丁寧さに欠ける」という厳しい言い方をされて、不快感を示されていらっしゃいます。大臣、日頃から丁寧な説明というふうにおっしゃっておりますけれども、そういったものは現場では徹底されていないということなんでしょうか。知事の受け止め方としては「丁寧さに欠ける」というふうにおっしゃってますので、今後そういった指示を徹底されるというようなお考えはございますでしょうか。

A:これまでもですね、われわれ一つ一つ、丁寧に御説明をしてきたところでございます。今後ともですね、丁寧な説明ということに心がけてまいりたいというふうに考えております。

Q:確認なんですけど、今後、受け止めの問題なので、知事は「丁寧さに欠ける」とおっしゃっているので、今後そういった、現場に指示を出されるとか、丁寧な説明を心がけていくように指示をされるというようなお考えはありますでしょうか。

A:地元の御理解と御協力を得ることが大変重要だと思っておりますので、これまで同様、地元に対しての丁寧な説明というもが必要だと思っておりますし、そのことを今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。

Q:昨日、現地でのぶら下がりではちょっと明確な回答いただけなかったんですけども、環境アセスで対応できないような大きな問題が生じた場合であるとか、防衛省の手続きに重大な瑕疵が見つかった場合ですね、整備計画の撤退という選択肢もあるのでしょうか、教えてください。

A:仮定の御質問でございますので、それに対してお答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。

Q:政府が保有を検討しているいわゆる「敵基地攻撃能力」についてですね、与党内からも昭和の概念ですとか、古い捉え方だというような指摘が出ていたかと思うんですけども、大臣としてはこうした指摘についてどういう御認識でいらっしゃいますでしょうか。

A:大切なことはですね、やはり国民の命と暮らしを守っていくとういうことだと思います。そのため何が必要であるか、こうした現実的な議論をしっかりしていくといことが必要なんだというふうに考えております。ミサイル防衛についても、最近では、極超音速滑空兵器や、変則軌道で飛翔するミサイルなど、ミサイルに関する技術は急速なスピードで変化・進化しているところです。また、今月5日、11日の弾道ミサイルの発射も含めて、昨今の北朝鮮による核・ミサイル技術の著しい進展については、わが国及び地域の安全保障にとって看過できるものではありません。このように、いわゆる「敵基地攻撃能力」は、古くからある議論ではありますが、まさに現在の問題でもあります。選択肢の一つとして考えておかなければなりません。国民の命、暮らしを守るために何が求められているか、あらゆる選択肢を排除せずに、現実的に検討していき、その中で、国民の皆様や与党にも、しっかり御理解をいただいていきたいと考えておるところであります。

Q:関連してなんですけども、自民党の昨日の国防部会の中では、「敵基地攻撃能力」という呼び方そのものを変えた方がいいんじゃないかというような意見も出たみたいなんですけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。

A:様々な議論があったことは承知しております。いわゆる「敵基地攻撃能力」は1つの選択肢であります。そういったことで、その呼び名に固執するよりも現実を見据えて対応していくということが大切なんではないかなというふうに考えております。

Q:海部俊樹元総理の訃報がありましたけども、湾岸戦争時代にですね、自衛隊派遣について、その姿勢を示したりといったこともありました。岸大臣として思い出など何かありましたらお願いいたします。

A:海部内閣は、いわゆる湾岸戦争という時期を経験されました。ペルシャ湾に海自の掃海艇を派遣したことは、高くその後評価されていると思います。その時に、自衛隊の海外派遣についても様々な議論があったと承知をしております。そのことが、その後のですね、様々な議論に発展をし、現在の形に繋がってきたというふうに考えております。大変、亡くなられたということで残念な思いであります。

Q:新型コロナ関係で、大規模接種センターについては、来週早々にも結論を得たいということでしたけれども、総理が発言されてから、ここ数日でも感染が非常に拡大していると思っておりますけれども、現在の検討状況について御紹介できればお願いします。

A:大規模接種センターに対する期待というものは、かなり高まっているのではないかなとふうに考えております。その上で、副大臣をヘッドとして来週早々には結論を得たいというふうに考えているところです。今の時点では、それ以上私からは特段に申し上げるべきことはないと思います。

Q:防衛費の対GDP比についてお伺いします。2021年度の当初予算・補正予算に加えて、日本では海上保安庁にあたる沿岸警備や退役軍人の年金などを含んだNATO基準で試算した場合の防衛費対GDP比について、本紙では1.24%と試算しました。防衛省として、NATO基準で試算した場合の21年度の防衛費対GDP比があれば数字を教えてください。

A:わが国はNATOの加盟国ではなくて、NATO定義に基づいて所要の経費を整理はしておりません。また、その運用は各国で一律ではなく、防衛当局以外の省庁が所管する予算をどこまで防衛費に含めるかについては、様々な議論があると承知をしております。その範囲を確定させるということは困難であるというふうに考えます。このような前提の上でありますが、あくまでも、NATO定義を参考にしつつ、わが国の防衛に直接関わる経費ではありませんが、恩給費やPKO関連経費、海上保安庁予算など安全確保に関わる経費を含め、簡単な方法で機械的に試算をいたしますと、いわば安全保障に関連する経費の水準の対GDP比は、2021年度当初予算・令和3年度の当初予算案と、2021年の補正予算の合計で、概ね1.24%になるものと考えています。

Q:関連なんですけれども、今、試算で紹介いただいた数字も含めて、過去何年か分のNATO基準の対GDP比というのを、防衛省のホームページだとか、次の令和4年度版の防衛白書に掲載するお考えがあるかどうか教えてください。また、自民党では先の衆議院選の公約で、防衛費をGDP比2%以上も念頭に増額を目指すといっていますが、大臣御自身は、この分子となる防衛関連費について、当初予算のみを対象とするのか、補正予算を加えて分子とするのか、また、今御紹介をいただいたNATO基準比なのか、どちらが適切だと考えるかお考えをお願いします。

A:御指摘のNATO定義を参考に、わが国の予算を計算した上での対GDP比を、今後具体的にどうお示ししていくかについては検討中ですが、いずれにせよ、今後も一貫した考えで必要な説明を実施してまいりたいと考えております。防衛省では、これまで防衛関係費の総額について、一貫した考えで算出してきているところです。いわゆる「GNP1%枠」やその撤廃後のGDP比は、当初予算額を基に計算した値を公表しています。また、当省のホームページに掲載している令和4年度の予算の概要において、令和4年度当初予算案と令和3年度補正予算の合計では、「GDP比は1.09%」である旨、明示的に説明しているところであります。わが国はNATOの加盟国ではありませんので、NATOの定義に基づいて所要の経費を整理しておりません。先ほど申しましたけれども、その運用については各国で一律ではなくて、予算の範囲について様々な議論もあるところだと思います。このような前提の上ですが、これまでは対外的な説明資料において、NATO定義を参考にわが国の予算を試算して、2020年度の対GDP比は「1.20%」と説明をしてきているところであります。一方で、NATO加盟国は対GDP比2%以上を達成することで合意しているところです。NATOという民主主義国家の集まりが、安全保障環境を維持するために各国の経済力に応じた相応の国防費を支出しているという点において、GDP比は指標としては一定の意味があるものと考えております。いずれにしても、具体的にどうお示ししていくかについては検討中であります。今後一貫した考えで必要な説明を実施してまいりたいと考えております。

Q:ロシアがですね、日本の領海内である北方領土の国後島で16日から射撃訓練を行うという通告をしましたが、大臣の受け止めをお願いいたします。

A:わが国固有の領土である北方領土において、ロシアのそういった訓練というものは、到底受け入れられるものではないと思います。抗議等については、外務省にお問い合わせをいただければと思います。

Q:在日米軍の新型コロナ対策について伺います。在日米軍が先日フェイスブックの方で、制限措置は米軍施設に出入りできるMLCや自衛隊員にも適用されると公表されました。防衛省として把握している事実関係と、またこの場合、基地従業員や自衛隊員が制裁対象になるのかどうか、この点お願いします。

A:先日9日に、日米両国は、新型コロナウイルス感染症の拡大に対処するための措置に関する日米合同委員会声明を発出し、米軍は、感染拡大防止のための様々な措置を講じていると承知をしております。その上で、御指摘の公表内容について承知をしておりますが、内容の詳細については、今米軍に確認中でございます。いずれにしても、防衛省として、今後とも感染状況を注視しながら、感染拡大の防止に向けて日米間での連携をより一層強化してまいりたいと思います。

Q:北朝鮮の相次ぐミサイル発射に関してお伺いします。先日11日の発射について、大臣はマッハ10であったということを明らかにしておりましたけれども、北朝鮮は1,000km飛翔したというふうに主張しておりまして、事実であれば、日本の関東地方もうかがう飛距離だということになると思います。現状、この極超音速ミサイルについて、日本の防衛態勢では迎撃が困難とされていますけれども、実際に困難であるのか、また、今後どう対応していくお考えが今のところあるのかお聞かせください。

A:まずは、5日と11日の発射についてですけれども、これまで発表しておりましたけれども、それ以上につきましては分析中であります。迎撃の可能性について、これはわが方の手の内、能力を明かすことにもなりますので、コメントは差し控えさせていただいております。ただ、一般論としてですね、迎撃をするのが難しくなるようなミサイル技術を北朝鮮が開発しているということは事実であると思いますし、そういったことに対して、わが国も対処していく必要があるというふうには考えております。

以上