防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年12月27日(月)19:02~19:09
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
日中防衛相テレビ会談後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 本日午後4時30分から約2時間にわたりまして、私と中国の魏鳳和国務委員兼国防部長との間で第2回日中防衛相テレビ会談を実施いたしました。会談では、私から尖閣諸島周辺海域を含む東シナ海情勢について、中国軍や中国海警局に所属する船舶による活動といった個別の事案について指摘しつつ、力を背景とした一方的な現状変更の試みに反対するとともに、極めて深刻な懸念を伝達し、中国側に強く自制を求めました。また、台湾情勢についても言及し、台湾海峡の平和と安定は、わが国の安全保障及び国際社会の安定にとって極めて重要であり、わが国としても、引き続き関連動向を注視していく旨述べました。さらに、南シナ海問題について、一方的な現状変更の試みや緊張を高める如何なる行為にも強く反対する旨伝達したほか、本年2月に施行された海警法についても、私から直接深刻な懸念を伝達し、同法の内容や運用について十分な説明を強く求めました。また、中国の不透明な国防費の増加及び戦力の近代化・増強に対しても、強い懸念を伝達いたしました。加えて、私から、中国の軍事的活動が、わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっていることを伝達し、中国がそれを正確に理解し、責任ある行動をとるよう、隣国のカウンターパートとして強く求めました。その上で、魏鳳和国務委員との間では、「日中防衛当局間における海空連絡メカニズム」につき、その実効性を向上させるため「日中防衛当局間ホットライン」の早期開設が重要であることを改めて確認し、引き続き、双方が強いリーダーシップを発揮し、来年内の運用開始を目標とすることで一致をしました。中国との間では、懸念があるからこそ率直な意思疎通を図っていくことが必要であると考えており、相互理解、相互信頼の醸成のため、引き続き防衛交流を進めていく考えであります。

2 質疑応答

Q:本日の会談はどちら側からの要請で実施されたもので、また実施に至った背景についてお聞かせいただけますか。

A:今回のテレビ会談は、昨年の12月に行って以来、約1年ぶりのことでありますが、それに対して2月に海警法の施行がありましたけれども、それ以来、私の方から会談を申し込んでいた件であります。そのことに応じてもらったということです。

Q:中国は最近「遼寧」を日本近海に派遣するなど訓練が活発化していますが、その点についての言及はあったのでしょうか。

A:具体的な会談の内容については、私からは詳細は控えさせていただきますけども、一般的に中国の近辺での活動について、多くの国からも懸念が生じているということについては申し上げました。

Q:2月に会談を申し込んだけれども、中国側が応じずに今のタイミングになったということでよろしいでしょうか。

A:様々な理由によって、これまで会談が成立しておりませんでしたけれども、この度会談をすることができたということです。

Q:対面での会談、次回の会談についての言及はありましたか。

A:これは元々、次にはですね、魏鳳和国務委員の方が来日をする順番になっております。コロナの状況次第でありますけれども、そのことは、来年以降の話になるということになると思います。

Q:今日の会談では、特に言及はありましたか。

A:様々なやり取りはありましたけれども、詳細は控えさせていただきます。

Q:今回、台湾関係ですとか、海警法についても懸念を表明されたということですけれども、あちら側からの反応としてはどういったものがあったんでしょうか。

A:なかなか、向こうからも様々な彼らのお話がございました。中身については、申し訳ございませんが控えさせていただきます。

Q:ロシアとの共同飛行ですとか、艦船の日本周回一周とかもありましたけれども、そういったことについても懸念を伝えられたりはしたんでしょうか。

A:中国軍のですね、最近の活動が様々関心を呼んでいると、我々も高い関心を持って注視しているということを申し上げました。

Q:時間は2時間ということでしたけれども。

A:約2時間。

Q:元々予定されてた時間よりも長くやっていた。

A:長く時間がかかりました。

Q:元々1時間とかそれぐらいだったんでしょうか。

A:1時間は超えるかなと思ってましたけれども。

Q:ホットラインについてなんですけれども、元々、今年中という話だったと思うんですけれど、前回の話よりも進んだ、進展したことというのは、今回あったんでしょうか。

A:実際にですね、事務方で様々な調整を今、行っているところであります。技術的なところで、進展があったというふうに考えておりますけれども。

以上