防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年12月21日(火)17:35~17:43
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
在日米軍駐留経費に係る新たな特別協定等に関する岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 今般、在日米軍の駐留経費に係る新たな特別協定等の内容について、日米間で実質合意に至りました。中国や北朝鮮による軍事力の強化、また、わが国の周辺における活発な活動に見られるように、わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しています。そのような中で、日米両国にとって、在日米軍の存在はこれまで以上に重要となっており、また、在日米軍を含む日米同盟の抑止力と対処力を高めることは喫緊の課題となっております。このような認識の下で、日米間で真摯に交渉を行った結果、日米同盟の即応性と抗たん性を強化する施策を重視した、メリハリのついた合意を得ることができました。具体的には、より実践的な訓練の実施と、施設の即応性・抗たん性強化に重点投資する一方、光熱水料についての日本側負担を大きく削減しました。今回の合意により、日米両国の、厳しい安全保障環境に対して肩を並べて立ち向かっていく決意、日米同盟をより強靭なものとしていく決意を示すことができました。在日米軍の駐留経費について、「思いやり予算」と呼ぶ向きもありましたが、私としては、今回の合意は「同盟強靭化予算」と呼ぶにふさわしい中身になったと考えております。今後、今般の合意を踏まえて、日米同盟の抑止力・対処力をさらに強化していく考えであります。

2 質疑応答

Q:今回新たにですね、「訓練資機材調達費」が設けられることになりましたけれども、その理由と狙いについてお聞かせください。

A: わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、日米同盟の抑止力・対処力を高めるためには、自衛隊と在日米軍の双方が、日米共同訓練を含む各種の高度な訓練の実施等を通じて、即応性を向上させていく必要があります。このため、次期特別協定において、新たに「訓練資機材調達費」の項目を設け、在日米軍の即応性の確保のみならず、自衛隊の能力強化にも資する施設・区域内に設置される訓練資機材の調達経費について、5年間で最大200億円を計上することといたしました。

Q:今回の交渉は、トランプ政権から始まってバイデン政権に引き継がれ、1年延長したうえで今回実質合意ということになりました。この一連の交渉の経緯を振り返ってですね、大臣の評価いかがでしょうか。

A:トランプ政権の時代から交渉を続けてきたわけですけれども、トランプ政権時代、時間の問題もあって、1年間の合意でもって、本格的な交渉はその後始めるということになりました。バイデン政権になってから、我々の主張をしっかり米国にも伝えて、先程も申しましたけども、ある意味では今までと考え方の異なるような日米同盟の強靭化に資するこの取り決めをですね、しっかりウィン・ウィンの関係で作り上げていく。このことに注力をしたその結果が今回出てきたということだと思います。

Q:新しく新設された共同訓練の資機材調達費なんですけれども、元々思いやり予算というか、ホストネーションサポートに関しては、日本の物価上昇などを背景にした激変緩和措置的な意味合いが強かったと思うんですけども、新たに項目を増やすことによってですね、将来的に渡ってさらに経費が増える可能性もあると思うんですけども、今後、そのホストネーションサポートについて、大臣としてどのように考えているんでしょうか。

A:今後といいますか、一応これで5年間の合意ができたわけであります。この下で日米同盟の強靭化をですね、図りながら、わが国の防衛力を強化していくと、こういうことを目指してまいりたいと考えております。

Q:予算の名称に関して、「同盟強靭化予算」と位置付けた形ですけれども、この意義に関して改めて所感をお願いできますか。

A:日米同盟というのは、わが国の安全保障の基軸であります。その日米同盟をしっかり強化・進化していかなければなりません。今、わが国を取り巻く安全保障環境は、非常に急速なスピードで厳しさを増しているわけです。そうしたことに対して、しっかりわが国を守っていける、国民の安心安全、命と暮らしを守れる、そのために必要なことをしっかりやっていかなければいけないという状況だと思いますけれども、その日米同盟の強化にあたって、在日米軍のその環境をですね、しっかり整えながら、しかもそれが米軍のみならず、自衛隊に対しても非常に強靭性の強化に資するような、そういう中身にしていくことができたんじゃないかなと、こういう風に評価しています。

以上