新型コロナウイルスについては、新規の感染者は確認をされておりません。累計も4,882名で変わりはありません。
Q:アメリカの、大臣も先週電話会談されているオースティン国防長官が、先日、中国軍機のですね、中国の飛行機の度重なる台湾への防空識別圏進入、多数同時進入に対してですね、台湾侵攻の演習の可能性があるという趣旨の発言をされています。今までの見方ですと、平たく言えばアメリカの援助への反発というイメージだった思うんですけども、それが一歩踏み込んでですね、台湾侵攻の演習を今からやっているということになりますと、ちょっと踏み込んだ内容なのかなと思いますが、大臣、この発言についてどのように受け止めておられますでしょうか。
A:オースティン長官の御発言については承知をしておりますが、一つ一つについてコメントすることは差し控えさせていただきます。その上で、台湾をめぐる情勢の安定は、わが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても大変重要であります。わが国として、台湾をめぐる問題については、対話により平和的に解決されることを期待する立場であります。日米間では、本年、日米首脳会談や「2+2」、防衛相会談においても、台湾海峡の平和と安定の重要性については認識を共有しているところであります。近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、中台の軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化をし、その差は年々拡大する傾向が見られます。台湾国防部の発表では、台湾の防空識別圏への進入について、今年ですね、非常に数が増えている、こういう傾向がみられております。中国軍機による台湾南西空域への度重なる侵入を含めて、中国は台湾周辺における活動を更に活発化させているところで、防衛省としても、引き続き関連動向に注意してまいります。
Q:活発化させているという御認識はまさにそのとおりだと思うんですけれども、いわゆる台湾侵攻のですね、演習、訓練をしているという解釈について、これについてはいかがでしょうか。
A:そういうことも含めて、中国の活動が活発化をしているということを申し上げたところであります。
Q:昨日の岸田総理大臣所信表明演説についてお伺いいたします。演説では、「敵基地攻撃能力」を含めてあらゆる選択肢を検討し、新たな国家安全保障戦略など、概ね1年かけて策定するとしています。概ね1年という具体的な時間軸が示された中でですね、防衛省としてどういったスケジュール感で議論を進めていかれる考えか、お願いいたします。
A:昨日の所信表明演説の中で、総理は、国民の命と暮らしを守るため、いわゆる「敵基地攻撃能力」も含めて、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、スピード感をもって防衛力を抜本的に強化する、このため、新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防を、概ね1年かけて、策定していく旨を述べられたところです。防衛省としては、政府の取組みを見据えて、ただちに防衛力強化を加速していくため、「防衛力強化加速会議」を立ち上げて、これまでに2回の会議を開催しております。会議では、わが国の防衛を全うするため、必要なものは何なのか、いわゆる「敵基地攻撃能力」も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に議論をしてまいります。厳しさを増す安全保障環境の中、防衛力の強化には一刻の猶予も許されないという認識の下で、スピード感をもって検討を進めてまいります。
Q:沖縄県のですね、北大東村というところが、今週9日に自衛隊の誘致の意見書を可決する見通しです。防衛省として、こうした動きに対してどういった対応をしていくお考えなのか、お聞かせください。
A:報道については承知しているところでございますけども、この北大東村議会に意見書案が提出された際には、村議会において議論がなされるものと承知をしております。現時点では、村議会において意見書が審議される前であり、防衛省に正式に要請があったわけではないために、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしましても、わが国周辺国は、太平洋側での海空領域での活動を活発化させるとともに、活動域も拡大していることを踏まえて、わが国の防衛体制の充実について、防衛省として不断に検討を重ねてまいります。
Q:明日8日ですけれど、真珠湾攻撃による太平洋開戦から80年を迎えます。多くの犠牲を払った戦争から80年という長い時間が経ちましたが、国の防衛を担う防衛大臣として、受け止めを伺います。また、旧敵国だったアメリカとは、現在同盟国として連携を深めていますが、日米同盟の重要性・必要性を改めて教えてください。
A:真珠湾攻撃から80年である本年はですね、日米関係の歴史を改めて振り返るという意味で重要な機会であるというふうに考えております。また、かつては敵国として戦った日米両国を、戦後、価値を共有する同盟国へ変容させた日米の和解の価値を再認識し、同時に、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないとの決意を新たにする重要な機会であると考えております。日米同盟は、今やインド太平洋地域、更に世界全体の平和と安定の礎となり、わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、その重要性がかつてないほど高まっています。防衛省・自衛隊としては、日米同盟の抑止力・対処力の強化や「FOIP」の維持・強化のため、引き続き、宇宙・サイバーを含む領域横断的な防衛協力、拡大抑止の強化、米軍再編の実施等の様々な分野での日米の防衛協力を進めてまいります。
Q:戦争を繰り返さないっていうのは、たぶん国民皆望むことだと思うんですけども、一方で「敵基地攻撃能力」の議論とかですね、防衛費の増額とか、防衛力強化の動きは加速していると思います。戦争を起こさないために大臣が必要だと思う防衛力は、どういうふうにお考えですか。
A:やはり、抑止力ということだと思います。しっかり守りを固めることで抑止をしていく。このことが重要なんだと思います。
Q:青森県深浦町で起きた米軍F-16の燃料タンク投棄について伺います。事故原因や投棄された当時の状況など、米軍から新たに聞き取った情報を教えていただければと思います。
A:新たな情報という意味では、米軍からは、訓練のため三沢飛行場を離れて西に飛行している際に、エンジンの油圧が下がり続けているという警告が出たために、パイロットは飛行が不可能であると判断をし、基地まで帰還し、安全に着陸し、さらに大きな事故を防ぐための飛行を可能にするため、定められた手順に従って燃料タンクを投棄をいたしました。時間的制約と差し迫る危険の中での判断であった、との説明を受けております。また、米軍からは、この事故を受けて、米軍内部の規則に従って事故調査委員会を立ち上げること、また、調査結果は、日米の合意に従い日本政府に共有される旨説明を受けており、更なる詳細については調査の結果を待ちたいというふうに考えております。
Q:同じこのF-16に関してなんですが、今、県議会や市議会でも非常に反発の声が上がってます。先日、アメリカ側からの説明を大臣も求めて、向こうの説明では、他の機体は安全が確認できたので、すぐに次の日、訓練を再開したと。要は、地元が一番納得がいってないのは、何ら説明のないまま、原因解明されぬまま、すぐ次の日に訓練を三沢基地で再開したことに非常に県民は怒っているわけなんですけども。他の機体の安全の点検できても、もちろんトラブル起こした当該機だって安全を点検して飛び立ったはずなのに、そのエンジンのトラブルが起きたと。その辺りの解明もできずにすぐ飛んだという説明に、大臣はどのように、納得しているのかということとですね、さらなるどういった説明を求めていくかというのをお願いします。
A:12月3日に、オースティン長官との電話会談や、ラップ司令官との表敬の場においてですね、今回の事案というものが、住民の安全に関わる極めて遺憾なものであって、安全を最大限優先するよう強く求めるとともに、地域の理解を得るための安全対策の説明もないままに、F-16の飛行が再開されたことについても遺憾である旨伝えた上で、安全管理及び再発防止の徹底がしっかりなされるように日米で緊密に連携をしていくことを確認をいたしました。飛行の安全が確認されるまでの間、F-16の飛行を行わないよう求めるとの申し入れに関して、ラップ司令官からは、1日及び2日の午前中に全ての飛行を停止し、F-16戦闘機の全機体の安全点検を行い、安全を確認し、その上で、飛行を再開したとの説明がありました。司令官からは、安全な飛行運用に関する私の懸念について、同様の考えであるとの言葉もありました。さらに、オースティン長官からも、長官としても安全を最優先して考えていること、米側として今回の事案の調査をして、しっかり行っていくこと、引き続き日本側と緊密に連携をしていくことを約束する、といった話もありました。これらを受けて、防衛省としては、引き続き米側に飛行の安全の徹底を求めていくとともに、飛行の安全に係る取組みが進むように、米側と緊密に連携して取り組んでまいります。
Q:確かに、他の機体は点検したから飛び立ったという、アメリカ側の言い分なんですけれども、さすがに、当該機の原因究明の説明一切せずに、すぐ次の日飛ぶのは早すぎると私は思うんですけれども、大臣はいかがでしょうか。
A:私からの求めに対して、米軍としては安全の確認を行ったという報告を私にしてまいりました。当該機についても、エンジンを取り換えるというような作業の上で、三沢基地に帰還をしたというふうに伺っております。
Q:三沢のF-16に関連してお伺いします。12月3日のラップ在日米軍司令官とオースティン国防長官の会談を受けて、大臣御自身としては、三沢のF-16の飛行再開は了解されたという理解でよろしいでしょうか。
A:私からの求めに対して、米軍はですね、安全の点検を実施し安全を確認したという、そういう報告があったということであります。
Q:引き続き、今後三沢のF-16が飛行を再開して飛んでも、特に問題ないという御理解でしょうか。
A:いずれにしても、この意義はですね、1日と2日の午前中にすべての飛行を停止をいたしまして、安全点検を行い、安全を確認し飛行を再開したという説明があったということです。先ほど申しましたけれども、私の懸念については、同様の考えを持っているという言葉を司令官からもいただきました。我々に、安全を確認したということの説明がなされないままに飛行が再開されたということについては、大変残念であるということを先方に伝えたとことです。
Q:このF-16のエンジンの油圧が下がり続けた原因については、これは米側の方から説明を受けられているんでしょうか。
A:詳細については、事故調査委員会が立ち上がりますので、その結果を待たざるを得ないと思います。
Q:現時点では、特定の部位に問題があった等含めて、直接的な原因についてはまだ把握されていないということでしょうか。
A:今、お伝えできることはございません。
Q:イージス・アショアの地元説明会についてお伺いいたします。3日に、今月下旬に開催するというふうに発表がありましたけれども、その後、具体的な日程や場所など新しいことが分かりましたら教えてください。
A:今、日程については調整中でございますので、しばらくお待ちください。
Q:関連して、断念から今月下旬で1年半になると思いますけども、1年半というこの間ですね、地元説明会も行われなかったということについて、住民からは遅すぎるという話の他に、一方でですね、心のこもった説明と謝罪があれば納得するという声もあります。1年半という間が開いてしまったことについて、新型コロナウイルスという理由があったにせよですね、大臣としてどのようにお考えか、率直な御所見をお伺いします。
A:様々な理由があったと思います。当然、コロナウイルスによってですね、直接対面で説明会を行うことができなかったこと。あるいは、これは秋田と山口が関連しておりますけど、そういったことの日程調整が行えなかったこと。その他さまざまな理由があると思いますけど、結果として1年半かかってしまったということだと思います。
以上