防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年12月3日(金)19:06~19:19
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
オ-スティン米国防長官との電話会談後の岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 米軍F-16戦闘機による燃料タンク投棄事案に関連し、本日、ラップ在日米軍司令官の表敬を受けました。そして面談を行いました。私からは、住民の安全にも責任がある立場として、今回の事案は住民の安全に係る極めて遺憾な事案であり、安全を最大限優先するよう強く求めました。また、飛行の安全が確認されるまでの間、F-16の飛行を行わないよう求めたにも関わらず、地域の理解を得るための安全対策の説明もないままにF-16の飛行が再開されたことについて説明を求めました。そして、この種の事案について、日米で緊密に連携して事案に対応していくことの重要性を述べました。また、本事案について、青森県の三村知事から、飛行再開に関する説明、事故原因の徹底究明、速やかな現状復旧等に関し、米側に強く申し入れるよう要請がありました。私からは、今般の事故原因の究明、実効性のある再発防止策の整備、安全確保の徹底等について、米側に対し申し入れている旨をお伝えをしました。日本の平和と安定は、地域の皆様からの深い御理解と御支援に支えられています。日米で連携して、安全管理の徹底を図ってまいります。そして先ほど、オースティン米国防長官と日米防衛相電話会談を実施いたしました。私から、三村知事の要請も踏まえて、先般の米軍F-16戦闘機による燃料タンク投棄等については極めて遺憾である旨を述べた上で、在日米軍の安全な運用、事故への円滑な対応等について強く申し入れ、日米で緊密に連携していくことを確認いたしました。会談では、私から、今週公表された米軍の「世界的な戦力態勢の見直し」、いわゆるGPRにも示されている、インド太平洋地域の平和と安定に対する米国のコミットメント強化を歓迎する旨を申し上げました。また、北朝鮮による度重なるミサイル発射も踏まえ、日米・日米韓の防衛当局間の連携の重要性を確認いたしました。その上で、私とオースティン長官は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していくことを確認するとともに、できるだけ早いタイミングで「2+2」を開催することで一致いたしました。

2 質疑応答

Q:オースティン国防長官とですね、ラップ司令官からは、今回の事案に関して、今日時点で何か説明はあったのでしょうか。

A:まずラップ司令官ですけれども、これは飛行の安全が確認されるまでの間、F-16の飛行を行わないように求めるとの私の申し入れに関して、ラップ司令官からは、水曜日及び木曜日の午前中にすべての飛行を停止し、F-16戦闘機の全機体の安全点検を行い、安全を確認し、その上で飛行を再開したとの説明がありました。また、司令官からは、安全な飛行運用に関する私の懸念について同様の考えであるとの言葉もありました。私としては、これらを受け、引き続き飛行の安全の徹底を求めていく考えであります。オースティン長官とは、本日ですね電話会談を実施いたしましたけれども、その中でF-16に関しては、私から、住民の安全に関わる極めて遺憾な事案であり、安全を最大限優先するよう強く求めました。加えて、米側に対しまして飛行の安全が確認されるまでの間、F-16戦闘機の飛行を行わないように米側に求めていたにも関わらず、昨日防衛省に対して、地域の理解を得るための安全対策の説明もないままにF-16の飛行が再開されたことについても、遺憾である旨を申し上げました。これに対して、オースティン長官からは、長官としても、安全を最優先と考えていること、米側として、今回の事案の調査をしっかりと行っていくこと、引き続き日本側と緊密に連携をしていくことを約束するといった話がありました。わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増す中で、日米同盟の抑止力・対処力は極めて重要ですが、米軍の円滑な駐留のためには、地元の皆様の御理解と御協力を得ていくことも大変重要です。防衛省としては、引き続き米側に対し、航空機の安全管理に万全を期すよう求めるとともに、安全管理及び再発防止の徹底がしっかりとなされるように、日米で緊密に連携して対応してまいります。

Q:オースティンさんとはですね、HNSに関連した話が出たのか。また、「2+2」の開催時期について具体的には出たのでしょうか。

A:会談の中で、HNSについても話題には上りましたけども、詳細については、お答えを差し控えます。また、この在日米軍駐留経費負担については、新たな特別協定の合意に向けて交渉を継続しています。その詳細については、米側との関係もあり、お答えを差し控えたいと思います。「2+2」については、できるだけ早いタイミングで「2+2」を開催するということで一致をしております。現時点では詳細な日程等については決まっておりません。

Q:今回のオースティンさんとの会談は、急遽セッティングされたものなのか、米側から持ち掛けられたものなのか、その点はどうでしょうか。

A:今回の電話会談については、米側からの申し出を我々がお受けする形で成立をいたしました。

Q:それは、F-16の事案を受けて、米側から提案があったということですか。

A:今、オースティン長官は韓国訪問の後を受けて、帰路の飛行機の中からお電話されてたんだと思います。トピックについて、F-16だけをお話ししたわけではありませんから。

Q:米韓防衛相会談で、その話題についても内容を共有したということでよろしいですか。

A:中身については、お答えを差し控えさせていただきますけども、長官とは様々なお話をさせていただきました。

Q:「2+2」の時期なんですけれども、これはオミクロン株の影響というのはあるのでしょうか。

A:まだオミクロン株自体のですね、状況がはっきりしないところもありますので、このことが「2+2」に影響するのかどうかということまで申し上げるタイミングではないと思います。

Q:関連しまして、できるだけ早いうちの「2+2」の開催というのは、対面で実施するというのは一致しているのでしょうか。それとも、コロナのまん延を受けて、テレビ電話形式というのはあるのでしょうか。

A:できるだけ早いタイミングで、対面で行うということが元々お話をしていたことです。

Q:ラップ司令官の方から、水曜日と木曜日のすべての飛行を停止して、安全点検を行った。その安全点検の中身について、大臣としてはこれで安全対策がとられたというふうに評価されてるんでしょうか。教えてください。

A:まず、米側がしっかり安全点検を行ったということ、そのことの説明をいただいたということであります。私から申し入れをしていたことについて、アメリカ側として対応をしたということだと思います。

Q:つまり飛行は再開できる状況になったと大臣は判断されたんでしょうか。その説明を受け聞かれて。

A:彼らとしては、米側としてですね、安全点検を行った上で、確認をした上で、飛行を再開したということだと思います。

Q:ただ、地元への説明がない中で飛んでますよね。

A:その点は、その通りですね。

Q:そうしますと、説明をしてから飛んでくださいというのは、再度伝えられたんですか。

A:説明が無かったということについての、極めて残念であるというお話を伝えました。

Q:今のところで、説明が無かったことに対する謝罪とか、そういった説明はあったのでしょうか。

A:全体の中で、安全の確認、それから地元との関係、こういうものをしっかり彼らとしても考えていくということについての言及はございました。

Q:ラップさんはそもそも向こうから言ってきたのか、こちらから要請して会談をすることになったのか、どちらでしょうか。

A:ラップさんは、基本的にラップさんの方から表敬の申し入れがあって、その場で面談を行ったということです。

Q:このF-16に関係して、説明したいとか、お話をしたいということだったと理解でよいでしょうか。

A:F-16の件について、お話をしたいというような具体的な申し入れがあったというようなことではないと思います。私が聞いているのは、いずれにしても表敬をしたいということで、それについて、その場でもって面談を行って、お話をさせていただいたということです。

Q:最後1点だけ。「2+2」に関して、前回同じように電話会談された時は、年内にというお話でしたけども、今回できるだけ早期ということで、年内・年明けはかかわらず調整していくという理解でよろしいでしょうか。

A:できるだけ早いタイミングで調整をするということです。

Q:電話会談は今日の午後でしょうか。

A:午後です。

以上