防衛大臣共同記者会見

日時
令和3年11月5日(金)15:17~15:40
場所
東京国際クルーズターミナル
備考
ドイツフリゲート艦「バイエルン」視察後の岸防衛大臣等共同記者会見

1 発表事項

岸防衛大臣

先ほど、フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使、並びに、特にこのために来日されたツォルン連邦軍総監及びシェーンバッハ海軍総監と共に、ドイツのフリゲート艦「バイエルン」を視察いたしました。遠くドイツからの長く困難な航海を達成したカルスキ艦長を始め、船員の皆さまに深く敬意を表すと共に、日本寄港を心より歓迎したいと思います。ドイツ海軍艦艇による日本寄港は約20年ぶりのことであります。また、今年2021年は日独交流160周年の節目の年であります。この記念すべき年に、ドイツがインド太平洋地域、そしてわが国に艦艇を派遣したことは、この地域の平和と安定に積極的に貢献するとのドイツのコミットメントを示す上で重要な意義を有するものであって、防衛大臣として大いに歓迎をいたします。2021年は、日独防衛協力・交流が大きく進展した年でもありました。3月には日独情報保護協定を締結し、4月には日独初の「2+2」を開催をいたしました。そして、この度の「バイエルン」の寄港は、強まる二国間関係を象徴するのみならず、今後のさらなる日独防衛協力発展の足掛かりとなります。これからも基本的価値を共有するパートナーであるドイツと共に、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化、そして、グローバルな課題への対処のために協働し、地域の平和と安定に引き続き積極的に貢献していく考えであります。

駐日ドイツ大使

日本政府、そして岸大臣、また自衛隊関係者の皆様、こうして暖かくフリゲート艦「バイエルン」を迎えてくださり、どうもありがとうございます。我々ドイツはEUと同じく、インド太平洋地域を我々の外交政策の重点地域と位置付けました。これを表すのが、去年出されたインド太平洋ガイドラインです。日本はドイツにとって、太平洋地域における重要な価値を共有するパートナーです。ドイツと日本は緊密に信頼に満ちた連携を政治、また経済、そして安全保障の分野でもますます強めております。これを象徴するのが、今日の岸大臣のフリゲート艦「バイエルン」の視察といえるでしょう。また、大臣がこうしてここにいらっしゃるのも、その象徴と言えます。ドイツと日本は共に国際法を守り、国際的秩序に基づいた船舶の航行の自由をインド太平洋地域でも尊重しています。大臣もおっしゃったように今年日独は友好160周年を祝うだけではなく、日独情報保護協定の調印、また「2+2」日独外務防衛閣僚会合、そして、こうして「バイエルン」来日という3つのことをお祝いしています。東京を出港した後、「バイエルン」は国連制裁の監視活動という、今回のミッションの中でも重要な任務に就きます。「バイエルン」はこの警戒活動を通して、国連への貢献をするのです。ドイツの方面に帰る途中では、「バイエルン」は南シナ海を航行することによって、ドイツが日本とともに国際法を守り、航行の自由に向かって連携しているということをアピールします。私は日本とドイツの長い友好関係が培われたことを嬉しく思っておりますし、これからも世界の多国関係、多国主義の中で、こうした関係がますます培われていくことを願ってやみません。どうもありがとうございました。

ドイツ連邦軍総監

岸防衛大臣閣下、この度は東京にて暖かくお迎えいただき、誠にありがとうございます。ドイツ連邦軍によるフリゲート艦の派遣により、友好国である日本と共に、この地域において、海上輸送ルートが自由で開かれた状態に保たれること、そして、人権が守られることに貢献できることを誇らしく存じます。日本とドイツは長きにわたり、友好関係を育んできました。フリゲート艦「バイエルン」は8月2日にドイツを出港し、アフリカの角やオーストラリア、グアムを経て、ここ東京に入港しました。本艦は、2022年の2月まで航海を続けます。既に11月3日から、当艦乗員は同じく東京国際クルーズターミナルに入港した護衛艦「さみだれ」と共に共同訓練を行いました。共同訓練や対処要領に関する意見交換は、部隊同士の総合運用性の強化に繋がります。協力態勢を構築することで、我々は信頼関係を深めることができ、それは今後の課題を解決していく上でも役立ちます。それはつまり、パートナーと会合し、共に訓練を行うことを意味しております。インド太平洋は今や戦略的にもっとも重要な地域の一つであり、世界の自由や平和、繁栄の要となる決定はまさにこの地域において下されております。インド太平洋地域へのフリゲート艦への派遣には、ドイツによる共通の価値へのコミットメントが示されております。岸防衛大臣閣下、本日は誠にありがとうございました。

2 質疑応答

Q:先ほど、「バイエルン」艦長から様々な説明を受けたと思いますが、今回の視察において、「バイエルン」に乗った感想をお聞かせください。更に中国が海洋進出を強める中で、欧州各国のインド太平洋に対するシフトが重要になってくると思いますが、これに対する具体的な動きで何か期待することがあれば教えてください。

A:(岸防衛大臣)今回のドイツ艦艇による日本寄港は約20年ぶりのことであります。今回の「バイエルン」の寄港は、インド太平洋地域の平和と安定に積極的に貢献するというドイツの強い決意を国際社会に広く示すものであり、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化を推進していく上で、重要なターニングポイントになったと考えています。こうした大きな意義を持つドイツ艦艇の日本寄港を、防衛大臣として大いに歓迎するとともに、私もFOIPの維持・強化をより一層推進していくとの決意を新たにしたところです。ドイツは、日本にとって基本的価値を共有するパートナーであります。両国の防衛協力は、FOIPの維持・強化の礎となっていきます。今回の「バイエルン」の日本寄港を足掛かりとして、日独防衛協力の更なる発展に防衛大臣として力を尽くしてまいりたいと考えています。このほか、先ほど大使、また連邦軍総監より御発言がありましたけれども、国連安保理決議により禁止されている北朝鮮船籍の船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動について、「バイエルン」がドイツにとって初となる警戒監視活動を行います。わが国としては、国際社会が一致団結して、国連安保理決議の実効性担保に取り組んでいく観点から、こうした取組みを歓迎し、高く評価しています。

Q:最近、イギリス、オランダ、フランス、日本、米国、オーストラリアなどと海軍の軍事演習を行いました。ドイツが自由で開かれたインド太平洋への貢献をしたいということであれば、ドイツもこういう大型海軍軍事演習に参加するつもりでいますか。そして参加する場合は、ドイツ海軍が相互に参加できるか、リミットがないか教えてください。

A:(ドイツ連邦軍総監)我々の目標というのは、基本的な価値を共有するパートナーとともに、このインド太平洋地域において連携することでございます。ですので、この東京に寄港する前にですね、航海中に様々な共同訓練を行ってまいりました。8ヵ国と共にですね、小規模な共同訓練を行ってきまして、そして、それによって我々は相互運用性の改善などを行うことができました。そしてですね、今月11月20日から30日におきましては、様々な国とともに、共同訓練を海上にて行う予定でございます。

Q:岸大臣への質問です。中国がインド太平洋地域で拡大志向を強めるなか、ドイツのフリゲート艦が日本に寄港されました。これにつきまして、何を期待されるのか、そして、また日本とドイツの協力関係でございますけれども、将来どのように拡大をしていきたいとお考えでしょうか。

A:(岸防衛大臣)インド太平洋地域は、世界の人口の約半数を擁する世界の活力の中心であります。この地域全体の平和と繁栄を確保していくことが、まさに重要であります。ドイツが2020年に策定をしました「インド太平洋ガイドライン」において、インド太平洋地域における安全保障面での関与を強めていることを表明し、今回、約20年ぶりに海軍艦艇をこの地域に派遣したことは、こうしたドイツの決意を具体的な形で国際社会に示すものであります。こうした形でドイツが示した強い決意と行動は、広く受け入れられ、わが国が目指す「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化にも大きく寄与するものであります。他の欧州諸国によるインド太平洋地域への関与拡大にもつながっていくことを期待しています。ドイツとの間では、防衛装備品・技術移転協定や情報保護協定等、防衛協力のための枠組みが整備されてきています。本年、技術協力を含む様々な分野において、4月の日独「2+2」においても一致したとおり、両国の安全保障協力を一層推進してまいりたいと考えております。

以上