防衛大臣臨時記者会見

日時
令和3年10月19日(火)17:23~17:29
場所
防衛省A棟1階エントランス
備考
北朝鮮による弾道ミサイル発射事案に係る岸防衛大臣臨時会見

1 発表事項

 先ほどの会見の時と少し重複している部分もあるかも知れませんけれども、整理して。現時点までに得られた諸情報を総合的に勘案いたしますと、北朝鮮は本日10時15分頃、朝鮮半島東部の新浦付近から2発の弾道ミサイルを東方向に発射した模様です。発射された弾道ミサイルの内1発は、最高高度約50キロメートル程度を変則軌道で約600キロメートル程度飛翔し、朝鮮半島東側の日本海に落下したものと推定されます。なお、当該ミサイルが落下したのは、わが国の排他的経済水域外と推定されます。また当該弾道ミサイルは、潜水艦発射型弾道ミサイル、SLBMの可能性があります。もう1発の飛翔距離等については、引き続き分析中であります。防衛省としては、引き続き関連情報の収集と分析に努めるとともに、これまで以上に警戒監視に万全を期してまいります。米国、韓国をはじめとして、関係国と緊密に連携しながら、国民の生命、そして平和な暮らしを断固守り抜く決意です。こうした状況を踏まえ、いわゆる敵基地攻撃能力の保有も含め、あらゆる選択肢を検討し、今後とも、防衛力の抜本的な強化に努め、取り組んでまいります。

2 質疑応答

Q:まず一つ目なんですけれども、SLBMの可能性が高いと、1発目のミサイルですか。そしたら、潜水艦から発射されたという認識でよろしいんでしょうか。

A:潜水艦発射型の弾道ミサイルという可能性について申しました。

Q:発射が潜水艦かどうかまでは確定的には言えない。

A:分析中であります。

Q:あとですね、韓国側の発表ですと、600キロメートル、距離で、高度は大体60ということなんですが、この数字は誤差の範囲と。これはこっち、防衛省、日本側が分析している1発目のミサイルの関係ということでよろしいでしょうか。

A:そういうことで言えば、我々は最高高度約50キロ程度というふうに分析をしております。

Q:距離も600キロですね。

A:はい。

Q:2発目は、まったくまだ、数字的には調べ中ということですが、2発目もSLBMの可能性が高いという認識でいいんでしょうか。

A:そこも分析中であります。

Q:1発目はEEZ外ということで、今発表あったんですけれども、もう1発も、これEEZ外なのか内なのか、このあたりの分析はいかがでしょうか。

A:そこも含めて、今、分析をしているところです。

Q:あと1発目ですね、SLBMの可能性があるということで、SLBMの言葉に言及したのはかなり重いなと思うんですけれども、このSLBMの可能性があるというような分析の理由ですね、そのあたりをもう少し教えていただけますでしょうか。

A:全般的なところから総合的に勘案して、そのように分析をしたところであります。

Q:あと、弾種について短距離とか中距離とか、そのあたりはいかがということかと、軌道ですね、これ2019年の10月発射はロフテッドだったと思うんですけれども、弾種と軌道についてはいかがでしょうか。

A:いずれにいたしましても、弾道ミサイルでございます。高度については50キロ程度の変則軌道で600キロ飛翔したということでありますから、弾種というのはそういう意味でよろしいですか。

Q:落下地点の推定の位置は、どのあたりになるんでしょうか。

A:今、正確には分析中であります。1発目については日本のEEZ外であります。

Q:潜水艦発射型のSLBMということで、しかも変則軌道ということになると、非常に北朝鮮、技術力を高めているという印象を受けるのですが、改めて大臣の受け止めを教えてください。

A:技術革新に北朝鮮も取り組んでいるんだと思いますが、今回に限らず申せばそういうことだと思います。そうしたことに対して、わが国もしっかり対応していく必要があるというふうに考えています。

Q:大臣、午前中の会見で遺憾の意ということで表明されましたけれども、より強固な姿勢を示す必要もあるんじゃないかという声もありますが、その辺いかがしょうか。

A:これは明らかに弾道ミサイルの発射ですから、弾種に関わらずですね、国連安保理決議違反であります。しっかりした対応が求められると思いますけれども、外務省の方でも対応していることと存じております。

Q:潜水艦発射型の弾道ミサイルの可能性があるということですけれども、潜水艦から発射されたかどうかは別として、水中から発射されたという分析なんでしょうか。

A:そういうことも含めて、今、細かく分析をしているところですけれども、基本的には潜水艦発射型の弾道ミサイルというふうに分析をしているところです。

Q:SLBMで変則軌道というのはあまり聞いたことがないような印象を受けるんですけれども、これは初めてになるのでしょうか。

A:おそらく、これまで確認されている中では、SLBMであるとしたらですね、初めての可能性が高いんじゃないでしょうか。

以上